Digimon Tamers 2021 Blog

デジモンテイマーズ放映20周年記念ブログ

第37話回顧 3

テリアモンの究極体のデザインを最初に見た時、実はかなり困った。一番小柄なテリアモンが、セントバーナード犬型で最も巨大になるというのは、ギャップとして面白い。しかし重火器装備の歩く要塞的なこの巨大ロボにどういう活躍をさせられるだろう。ガンダ…

第37話回顧 2

成長期から完全体への一挙進化。「SLASH!!」はインスト版。 カード・スラッシュ「マトリックス・エヴォリューション」 タカトはニュー・ヴァージョンに差し替え。 嘲笑うスーツェーモン。 ラピッドモンの背部ミサイル・ランチャーが消失しかかっている。 異…

第37話回顧 1

いよいよ、《デジモンの神》が姿を現す37話。前話に引き続いて前川さんが脚本。ジェンとテリアモンの試練を描く。演出は梅澤さん。作画は進化バンクを除いて出口さんの一人原画。美術は清水さん。 対決スーツェーモン! セントガルゴモン究極進化 脚本:前川 …

第36話回顧 3

(命を)貰った。 銃を突きつけているベルゼブモン。 デュークモンの中でタカト―― 恐怖のあまりに叫ぶ。 その声は―― ジェンや留姫らにも聞こえた。 あばよ。 タカトーーーーッ! 助けなくちゃ! しかしレナモンが、間に合わないと言う。 笛を吹きながら驀進…

第36話回顧 2

ここから後半まで、画面は殆どがデジタル加工されている。炎、振動、衝撃――。 初陣であるデュークモン、ロイヤル・セーバーでベヒーモス(ベルゼブモンもろとものつもりだった)を倒したが、ベヒーモスは長い間ツチダルモンや他のデジモンを食らい続けたエネ…

第36話回顧 1

35話の終わり間際で究極進化したデュークモンとベルゼブモンの対決。ベルゼブモンの(一旦の)結着はやはり前川さんが脚本を担当。演出は今村さんが独自な個性で今話も手掛ける。作監は浅沼さん。美術は渡辺さん。という事は前話でバトル・ステージである神…

第35話回顧 5

35話はもう残り2分。 ギルモン、立ち上がって言う。 タカト、一緒に戦おう! 一緒に……。 そう、いつだってそうだった――。 そうだよねギルモン! うん! そんなに俺の爪に引き裂かれたいのかよぅ!? ホルダーにベレンヘーナを収めてからこのポーズまで1カット…

第35話回顧 4

さていよいよタカトとギルモンのターンに。 シナリオでは相当無茶な事を書いている。誰も見た事がないような体験を、タカト、そして視聴者にどう伝えたらいいのか、禁じ手までも使っている。 ベルゼブモンが復活して呆然と見ているケンタとヒロカズ。 神なん…

第35話回顧 3

今話で最も辛いパート。見直すと、随所に私自身が言いたかった事が含まれている。 倒れて動かなくなったメギドラモン。 肩で息をしていたベルゼブモン―― うぐぁああああああああああっっ!!!! 雄叫びを上げ続けるベルゼブモン。 絶句。 未だベルゼブモン…

第35話回顧 2

ヒーローのシリーズ物の場合、ルーティンとして毎回バトルがあるなら、端的に短く、印象的に描く。特撮であれアニメであれ、現場に負荷が掛かる。 テイマーズには毎回必ずあるという訳ではないバトルだが、それがあるという回のアクションは極めて濃い。今話…

第35話回顧 1

いよいよギルモンとタカトが究極進化をする35話。今の私の感覚では4クール目頭かと思っていたが、3クール目が終わるまでまだ4話もある。放送は2001年12月2日。 夢の無い話を先にしてしまうと、クリスマス商戦の玩具発売を控えて、この辺りに出して欲しいとい…

第34話回顧 4

もう本篇の残りは4分。しかしまだ展開は止まらない。 グラウモンはまだ死の意味や重さもそう深く知ってはいない。しかし、それまで生きていた存在が消えてしまうという現実に直面し、狼狽える。 あの優しかったレオモンが……。そこで沸き上がる「本能」という…

第34話回顧 3

記し忘れていたが、今話は八島さんの一人原画+徳重さんの一人背景。勿論他の多くのスタッフと共にこの映像を作り上げているが、根幹の二部門を一人で描き上げるテレビアニメは当時の東映アニメしかなかっただろう。 アクション描写のダイナミックさと、キャ…

第34話回顧 2

レオモンはどうして樹莉のパートナーになった? とグラウモンが訊く。 お前はどうなんだ? と訊ね返す。即答出来る答えがレオモンにはないからだ。 ぼくは最初からタカトと一緒だったもん。タカトがぼくを作ってくれたんだよ。だからパートナー。 キュウビモ…

第34話回顧 1

34話は「レオモンが死ぬ回」ではない。ベルゼブモンが悪魔になる回でもない。メギドラモンに進化する回でもない。タカトが怪物になってしまう回なのだ。 シナリオ・タイトルは「デジタル・ハザード!」 どういう経緯でこういうサブタイトルに変更となったの…

第33話回顧 4

デジタル・ワールドでは、その環境に慣れさえすれば食物は摂らなくても良い筈なのだが、アンティラモンが腹を鳴らせたのは、まだ環境に慣れていないシウチョンに共感したからだろう。 最後に登場するデーヴァ、アンティラモンはロップモンの進化先。02映画は…

第33話回顧 3

B-Part前半は、一人の幼女と一体のデジモンだけで展開されるという、テイマーズではかつて有り得ないシチュエーション。タカトらのインサートは少し入るが。 今話で描かれるシウチョンは理想化された子どもではなく、適度に我が儘だし適度に功利的。しかし根…

第33話回顧 2

そしてシウチョンは―― リアル・ワールド球が小さく見える荒野―― デジモン文字で恐らく「スーツェーモン」と書いてあるそこへ―― 落ちた。 ここ、どこ? あ お月さま? つまりそのくらいのサイズに見える。 きれーい。 その背後を驀進していく、バクモン。 テ…

第33話回顧 1

テイマーズは、当初のテイマーとパートナーを三人に絞り、徐々にテイマーを増やしていくプランで作っていたが、ではどこまでテイマーが劇中で増えるのかについては、明確には決めていなかった。タカトが淡い憧憬を寄せている(恋愛などという段階にはほど遠…

第32話回顧 3

さていよいよSHIBUMIが登場するAct.3となる。 建物の中に入る時、タカトたちは、垂直の水面から浮かぶ様に――、 建物の中で実体化する。 ジャン・コクトーの「オルフェ」に近い描写で、とても好きな場面。 コクトーで言えば、私は「美女と野獣」(決してディ…

第32話回顧 2

32話のプロットについては、SHIBUMIとのダイアローグがメインなのだが、両親達のフォローをしようというのは話し合いで決めたと思う。 しかしSHIBUMIと出会うまでは、簡単な段取りにしないで欲しいと要望した程度で、Act.2の流れはまさきさんが全て考えたも…

第32話回顧 1

タカトとジェン、そしてテリアモンだけの今話。ここで提示される情報は膨大で、大勢の子どもやデジモンのリアクションを描写する余裕がない。従って限定的な登場人物となっている。 第一部から名前と、そしてぼんやりとした姿で描写されてきたSHIBUMIの正体…

第31話回顧 4

プロット的にはAct.3の三部立てでいいのだが、何故最後を分けたかと言えば、単純にアクションが見事だからなのだ。スマートフォンでこのブログを見ている人には、どの画像も同じサイズに見えているだろうが、PCのブラウザでは「ここ」というカットは大きいサ…

第31話回顧 3

今話のゲコモンの集落が陥った状況は、近現代でも現実に近い状況を見出せない事もないのだが、あまり生々しい話をここではすべきではない。 ストーリー・ラインは日本神話そのものなので、稲垣浩監督の「日本誕生」は先ず挙げられる。しかしドラマとして見る…

第31話回顧 2

後年、「神霊狩 –GHOST HOUND-」の為に酒蔵を取材した。最初は舞台にする九州北部へ行ったのだが、季節が夏近くで仕込みの時期は過ぎていた。また中村隆太郎監督が遠出を好まなかったので同行しなかった(美術の小倉さんは同行されたので、映像的にはこのロ…

第31話回顧 1

緩いエピソードかと思いきや、後半のアクション、成熟期トリオ+1のバトルは迫力がある。と言うことで今話も3分割 4分割。 テイマーズも30話を越したところで、浦沢さんは最後の担当脚本となってしまった。もう一話くらいあって良かった筈なのだが……。浦沢さ…

第30話回顧 3

Act.3にて、一度タカトたちは全員が集まる。しかしデジタル・ワールドにはまだまだ、解き明かさねばならない謎、クルモンやそれを狙う《神》、そしてリアル・ワールドとの相関についても判らなければならない。しかし、少しホッと出来る一瞬がある。そういう…

第30話回顧 2

今話のキャプチャ画像が多いのは、美しい画面が多いのもあるが、同カット内で微妙に表情が変わったり、しかもそれがカット尻ギリギリの編集(だから素晴らしいのだが。より印象に残る)なんで、つい多めになってしまう。しかしどうあっても静止画で、アニメ…

第30話回顧 1

テイマーズのデジタル・ワールドが凝縮されている30話。「冒険はつらいよ」がテイマーズのアプローチ。 これまで描写されてきた、デジタル・ワールドの要素が映像として詰め込まれ、パーティが組み替わる。 ベルゼブモンが主人公たちと初対面するのだから、…

第29話回顧 2

後半はガラリと舞台もナラティヴも変わる。果たして迷えるクルモンは――? 朝になった。 荒野を今だとぼとぼと歩くクルモン。 疲れたクル、と倒れる直前から、バイクの音が近づいて来る。 クルモンのすぐ脇に止まるベヒーモス。 ベルゼブモンがクルモンを認識…