Digimon Tamers 2021 Blog

デジモンテイマーズ放映20周年記念ブログ

第29話回顧 1

デジタル・ワールド編は2クール目の終わりから始まり、4クール目の頭まで食い込む、計16話と最も長いパートになる。後半は流れが決まっていくのだから、ヴァリエーションを出すなら早めの方が良いという判断だったと思う。 デジタル・ワールドなのに、他のデ…

第28話回顧 2

留姫パーティとタカトのパーティは合流するどころか、ここでも最後は分裂というカオスに。更にクルモンまでもがカオスを深めるという。 しかし、群像を分けないと今回の様にバトルもドラマも、というエピソードは作り難い。演出も作画も、常に全員となれば負…

第28話回顧 1

今話から秋山遼とサイバードラモンをキャラクターに迎える。 ワンダースワンという携帯ゲーム機のソフトで、オリジナル・キャラクター秋山遼を主人公とするゲームが、デジモンアドベンチャーと02の放送時とパラレルに展開されていた。たまごっち由来の携帯育…

第27話回顧 2

ベルゼブモンよりも先に「鉄の獣」ことベヒーモスが大暴れする今話。恐らくベースはハーレー・ダヴィッドソンのV2エンジン車だと思う。意思があるのかないのか、という疑問がライター間で湧いた。公式的には「デジコアはない」という事だと思うのだが、グラ…

第27話回顧 1

今話から3クール目に突入。ベルゼブモンが初登場するのだが、それは殆ど終わり部分で、顔見せ程度。サブタイトルの後半はちょっと言い過ぎている。 《神》の声によって導かれつつもデジタル・ワールド内を彷徨っていたインプモンに、どういう運命が待ってい…

有澤孝紀さんの音楽 3 テイマーズ/フロンティア

テイマーズとフロンティアの劇伴についてはまとめておこう。 有澤孝紀さんの音楽は3作目テイマーズで趣きを少し変える。題材からデジタル感のあるサウンドが目立つ楽曲が増え、シークェンサー(打ち込み自動演奏ソフト)が多用され、楽曲によっては全打ち込…

第26話回顧 2

今話のサブタイトルに「小世界」と入っているのは、テイマーズのデジタル・ワールドの基本形である物理レイヤーの荒野だけで終始するのではなく、この更に下には色々な小世界を設定出来ると説明していた。小とは小さいという意味ではなく、サブセットという…

第26話回顧 1

タカトやギルモンが登場しないという異例な回。サブタイトル・コールも留姫が担当する26話は、浦沢さんの解釈したデジタル・ワールドのサブセット。演出は川田さん。作画監督は伊藤さん。美術は徳重さんの一人美術。 小世界! 風の強い谷のジジモン・ババモン…

第25話回顧 2

デジタル・ワールドにて、初めて他のデジモンと遭遇する一行。 ジェンがテリアモン・アイを通して―― メラモン、火炎型デジモン成熟期――。ジェン!とテリアモン。 必殺技は……、 マグマボム……。 あああ 飛来してくる小マグマ塊。 四散する一同。 直撃は―― 辛う…

第25話回顧 1

デジタル・ワールド編は貝澤さんが、美術の渡辺さんと世界観描写の指標となる一話目を担当。とは言え今回の主舞台は物理レイヤーの荒野までなのだが。まさきさんが「デジモンの野性」を描くシナリオを担当。作画監督は直井さん。 デジタルワールド突入! さら…

有澤孝紀さんの音楽 2 デジモンアドベンチャー/02

初期デジモン・アニメ、テレビ4作と映画の選曲は一貫して西村耕祐さんが担当された。私はお会いした事がない。音楽のつけ方というのは映像作品に於いては極めて重要だなと、私が関わったシリーズ物の映像作品では考えていた。各話の演出家の意見、録音監督の…

第24話回顧 3

こんなとこにあったとはね。 タカトが入り口を皆に教えている。 ギルモン、出発するまで、ここに近づかない方がいいね、とジェン。 うん、判ってる。 あ~俺、親になんて言おう、とヒロカズ。 ていうか俺言えないなー、とケンタ。 ちゃんと話さなきゃ―― ダメ…

第24話回顧 2

テイマーズの背景画にはいつも感動があったが、今話の様な静かな語り口では、背景画のみでモンタージュする場面が多くなる。今話の背景は特に雄弁なキャラクターとなっていた。 朝―― ギルモーン! おはよー! あれ? ギルモン? ホームの奥の穴が更に掘られ…

第24話回顧 1

デジモンテイマーズ第二部は、次回25話からなのだが、オープニングが少しヴァージョン・アップし、エンディングも「Days -愛情と日常 -」に変更となる。私は25話から変わるのだとばっかり思っていたが、フジテレビの広報担当の方が替わったり、やはり態勢的…

2001年の秋と、2020年から現在まで

24話を回顧する前に、やはり9/11について記しておかねばならない。テイマーズが20周年という事は、9/11も20周年という事でもある。当時の私は事件の報道をリアル・タイムでずっと見続けた記憶がない。大変な事が起こっているのに、私は虚構を構築する事に専…

前期ED「My Tomorrow」

23話までのエンディングはAiMこと前田愛さんの「My Tomorrow」(作詞 - 松木悠 / 作曲・編曲 大久保薫)。 演出は中村哲治さんが担当。 ドラム・フィルからメジャー・コードのサビ頭。 本当は全身真っ黒から始まるのだが、キャプチャしきれなかった。 まだテ…

第23話回顧 4

《大人の時間》は終わりだ。ここからは子どもたちとデジモンの力を見せつける。 留姫は早くからジェンリャの事をジェンと呼んでいた。テリアモンの呼び方を聞いていたからだ。タカトが頑なに「李くん」と呼んでいたのは、物事の把握段階を踏んでいただけだ。…

第23話回顧 3

この土壇場で、何故樹莉はテイマーになれたのか。何故D-Arkが樹莉の前に現れたのか。21話の躁的状態ながらも、樹莉のテイマーになりたいという潜在意識は明確になってはいたが、それはヒロカズやケンタだって負けてはいなかった。 まくらくんをクルモンを頭…

第23話回顧 2

タオモンはライターにとって極めて有り難いキャラクターだった。陰陽師的な要素にインド哲学的要素が原デザインから引き出せる。梵筆閃以外にも、梵字を用いた切り札を後から考えつける。 前エントリから音楽も繋がっていて分けるのもどうかと思ったが、幾ら…

第23話回顧 1

デジモンテイマーズというシリーズのメルクマールにすべく腐心したエピソード。個人的にも印象的な話数だったが、別の意味でも重いエピソードとなった。 サブタイトルの由来は、私が好きな怪獣映画「怪獣総進撃」を援用したのが前半。後半は、プロット段階で…

マクラモン登場場面

まくらくん(劇中ではそう呼んではいない)は、19話から登場し、堀川りょうさんの声を得ながら、毎回基本的には一言しか発さなかった。 19話 伊藤智子さん作監回。「まっ」 20話 八島善孝さん作監回。「くぅ」 21話 信実節子さん作監回。「らっ」 22話 出口…

第22話回顧 3

三人同時カード・スラッシュ。 進化バンクの背景CGにデジモン文字。 成熟期への進化バンクは四面マルチ。 路上の車を踏み潰し―― 電線を引きちぎり―― 信号機を薙ぎ倒し―― 窓に激突―― 電柱が倒れてトラックを潰す。 進むだけで大被害。 構わず猪突猛進するヴィ…

第22話回顧 2

場面的には前エントリの後半とオーヴァーラップしているのだが、話題が切り替わるのでここから始める。 ちょっとこれ見て欲しいんだと、ジェンリャがポスターを拡げる。 あ、知ってる十二支でしょ、とタカト。 日本人なら常識となってもいるが、外国人の為に…

第22話回顧 1

早くも第一部の終章が始まる。 下世話な話から始めてしまうが、ヒーローのデジモン三体が進化し、敵と戦うというのがルーティンとすると、次第に進化バンクが多く挿入される。加えてテイマーズではスラッシュのバンクも複数回入る。 ちょっと正確に覚えてい…

有澤孝紀さんの音楽 1 デジモン以前

2017年に、新規オーディオ・ドラマを書く事になって最初に縋ったのが、主題曲、挿入曲、キャラクターソングの数々だった。そしてサントラCDを繰り返し聴き直す事で、当時の空気感というのを再び取り戻す事が出来た。 これは「ウルトラマンティガ」の小説を書…

第21話回顧 3

Act.3は、私個人的に最も笑って好きなシーンから。 公衆電話でジェンリャに電話するタカト。 延々と逃げるレオモンと追う樹莉。 レオモンさま~ え? 加藤さんがテイマー? レオモン様、追い回す? ……それ、テイマーじゃなくって……、 聞いてみる。とタカト。…

第21話回顧 2

Act.2 樹莉とレオモン、運命の出会い(?) クンビラモンから必死に逃げる 樹莉と―― クルモン。 ちゅーっ! 辿り着いたのは――、中央公園名物、《ナイアガラの滝》。 走り疲れてしまった。しかし―― 滝の上からクンビラモンが―― 池に飛び込む。身も蓋も無い悲…

第21話回顧 1

遂に、浦沢ファンとしての私が見たかった《浦沢さんのテイマーズ》。 演出は角銅さん。御自身の話は後ほど採録する。2018年2月にニコニコで配信された時に一連をTweetしていて、これをベースにしようと思っていたけど、全然言及出来ない事の方が遥かに多いの…

浦沢義雄さんと『デジモン』。

2017年、CDドラマが完成してからTwitterのアカウントで発信を始めた。 テイマーズについて五月雨(さみだれ)式に、思い浮かぶ事を脈絡なく書いていたのだが、浦沢脚本については自分でモーメントにしていなかった。 浦沢義雄BOT@urasawa_botさんが、まとめ…

第20話回顧 2

デジモンには公式に身長設定というものがない。液晶ゲームから始まり、多様な玩具を展開する上で、物理的な制約を設けるのは無理があるからだろう。アニメの場合は、登場人物との対比表というものが目安になるが、グラウモンの大きさは話数によって結構違う…