Digimon Tamers 2021 Blog

デジモンテイマーズ放映20周年記念ブログ

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

第13話回顧 2

13話Bパートは、14話で放つ矢の為に、充分に弓を引く趣旨の構成。14話がこれまでの13話を一挙にまとめて次の章(クール)に入る事になる。Bパートにはバトルもなく、従って13話にはスラッシュ/進化バンクもない(フラッシュバックには入っているが)。 タカ…

第13話回顧 1

私はシリーズ中で意図的にリミッターを外す時がある。視聴者の子どもにとって判り難いだろう大人の関係、裏の意図といった表現や、ロジカルな説明をするパートなどは、敢えて大人向けの話法に切り替える。これは私が影響を強く受けた、初期ウルトラシリーズ…

第12話回顧 2

パートナーとは《友だち》。ではその友だちとはどういう存在であるのか。戦う事が宿命づけられているパートナーと、どう関係を築けばいいのか。まだ心が揺れているのが留姫とレナモンの関係。 古いビルの上に立つ―― レナモン。観察しているのは―― ぴょんぴょ…

第12話回顧 1

ギルモンもテリアモンも、普段の立ち振る舞いは子どもっぽいのだが、レナモンは大人びている。しかし実はレナモンも決して人格ならぬデジモン格として精神が完成されている訳ではないのだ。 これまでパラレルに展開していた、テイマーたちとヒュプノスがつい…

第11話回顧 2

最低限話が判る程度にとキャプチャをしているのだが、これをやって初めて認識出来る事は多い。特に演出の方々個別の特徴。川田さんの演出はロング・ショットが多い。バストの切り返しだけではなく、全身の演技が必要になる。 そしてパン・ショットが多い事は…

第11話回顧 1

テイマーとデジモンたちが、次のステージに進もうとしている。しかしそれは決して安寧な道ではない。三者三様のパートナーシップ。 留姫の家――。 テイマーを辞める=レナモンとの縁を切る思いで―― D-Arkとカード、カードホルダーを棄てる留姫。 新宿大ガード…

第10話回顧 2

このブログは後でも作品のリファレンスとして読まれる事を意図して書いているので、書いている現在の事はあまり書いていないのだが、放送20周年を記念して幾つかの展開がある様だ。 【デジモンテイマーズ20th】「デジモンテイマーズ」20周年を記念して出張版…

第10話回顧 1

オープニングで描かれる、ハイタッチをしてすれ違う留姫とレナモンの状態にはいつなるんだ!と、渇望されていただろうと思うのだが――、テイマーとパートナーデジモンの関係とはこうだ、と安易に結論を出せないのがテイマーズ。 ヒュプノスでは、(またも)こ…

第9話回顧 2

浦沢さんの上げられるシナリオというのは昔ながらのペラの手書きで、まず読むのに苦労をするのだけれど、独特の文体が「ああーこれが」となっていく。明らかに設定的に誤られている場合はコンテで修正されるのが殆ど。だから何稿もお願いはしていなかったと…

第9話回顧 1

苦労して成熟期に進化したものの、現実世界でその躯での共存は困難だという事で、元の成長記に戻るまでに苦労をする、というだけのエピソード。もう存分にやっちゃって下さい!浦沢さん!的な気分が私にはあった。 ギルモンに戻って! グラウモン騒動 脚本:…

第8話回顧 2

B-Partは、話は繋がっているものの、まるで異なるジャンル作品かの様に一転。 中央公園で最も高い場所、六角堂の傍に出現したデジタル・フィールドに閉じ込められているデビドラモン。これまでで最も大きな個体がリアライズした為、まだ肉体が安定していない…

第8話回顧 1

主人公のパートナーがついに進化する。8話までは流石に引っ張り過ぎたかもしれないが、その分クライマックスにはカタルシスが大きい。 02のシリーズ構成のもう一人、前川淳さんがここから加わる(会議には勿論早くから参加していた)。インプモンを後にメイ…

第7話回顧 2

タカトの悲痛な叫び。ギルモーン! 最初から、いなかった……? 違う。ギルモンはぼくの、友達……。 するとD-Arkがアラート音を鳴らす。 ギルモンはこの近くにいるのだ。 このシーンも好きな場面。初めて訪れるので緊張してグダグダ喋っているタカト。シウチョ…

第7話回顧 1

ここでやっと角銅博之さん演出回。02を終えて間もなく合流され、ここで角銅さんと組めたのは幸運だった。シリーズ構成役となると、フリーに書ける回は限られる。重要なイヴェント回、フェーズを次に進める回などは担当せざるを得ない。この7話はその意味でも…

第6話回顧 2

まるで平安時代の妖異譚かの如き、レナモンとの邂逅を果たす留姫――。 カード・バトルの優勝メダルになど価値はないかの様に、カードリーダーの傍らに転がす留姫――。 溜まるフラストレーション。横になると―― その瞬間、障子がピシャリと閉まり―― おどろおど…

第6話回顧 1

女の子のパートナー・デジモンは商品的に売り難く、強いイメージのデジモン(つまりレナモン)を立てたい、という要望から考えたのが留姫という子だった。序盤はタカトの視点から見ると、最初に見た時(明晰夢)以降は対立する描写が続く。どうしてそこまで…

第5話回顧 2

タカトたちがクルモンの引き取り手を探して奔走する間、ギルモンはクルモンとホームで留守番をしているのだが――、クルモンはしきりに遊びに行こうと誘う。ギルモンもなぜ遊びに出てはいけないのか判らなくなり――、じゃ行こうか、となる。 この場面、非常に美…

第5話回顧 1

企画初期は《クルルモン》という名前だったが、版権取得関連でかクルモンへと変更となった。クルモンが時々(しょっちゅう)「くるる~」と言う由縁。ちなみにレナモンは元は《ルナモン》だった。 くるっくるーん!クルモンと遊ぼ! 脚本:まさきひろ 演出:…

第4話回顧 2

テリアモンとの出会いが、デジモン・ゲームであった事が明かされる。どうもPCソフトらしいのだが、グラフィックはワンダースワンに準拠していると思われる。この頃のPCゲームはアリス・イン・ナイトメアとかの時代でそれなりにグラフィックは進化していた。…

第4話回顧 1

テイマーの試練!ゴリモンをたおせ! 脚本:まさきひろ 演出:川田武範 作画監督:直井正博 美術:飯島由樹子 私が書いた冒頭3話が、言わばテイマーズのパイロットに相当する。 物語開始時点でのキャラクターの関係は提示出来たと思う。そこから、エンディン…

第3話回顧 3

こんな姿で言われても……。 留姫も、そんなチビスケなんてレナモンの相手にもならないんだから邪魔するなと言う。 猛然と抗議するテリアモン。失敬だなぁ~、という台詞は以前の作品(『バブルガムクライシス TOKYO 2040』1998)でも書いた事があるのだが(そ…

第3話回顧 2

Act.2 続き クルモンはまだ夜の街を彷徨っている。 留姫《デジモン・クイーン》を見て声を掛けてくる大学生。特徴的な髪型は、やはり覚えられ易い。デジモン・カード・バトルで優勝した小学生女子は、斯界では名が知られている。しかし何も言わず立ち去る留…

第3話回顧 1

3話を見返していたたまれなくなった。分割二回戦のバトルばかりでなく、要素てんこ盛り過ぎのシナリオ。演出の吉沢孝男さん、作監の海老沢幸男さんには大変御迷惑をお掛けしたと思う。吉沢さんとは1998年の「週刊アニメDX!みいファぷ-」で一年間、私は「フ…

第2話回顧 2

2話Bパート、ギルモンが学校に来てしまって大騒動――の巻。 1990年代に、大映がガメラを復活させる企画をした時、最初にシナリオを書いたのは私と弟の和哉だった。数年前に平成ガメラの大型本が出版され、その中にも収録されている。私も弟も東宝怪獣映画に親…

第2話回顧 1

先に謝っておかねばなるまい。第2話、テリアモンは登場するものの少しだけ。今回はタカトとギルモンの関係が形成される話だった。 君はぼくのともだち テリアモン登場! 脚本:小中千昭 演出:佐々木憲世 作画監督:八島善孝 美術:清水哲弘 アメリカの連続ド…

第1話回顧 3

第一話 Act.3は、D-Arkのデジタマが割れている事に気づいたところから始まる。このパートはシナリオから大幅に貝澤さんによって膨らまされていた。勿論、それが正解だった。 D-Ark内部からのカメラ視点など、どうしたら考えつくのだろう。 いよいよ、タカト…

第1話回顧 2

1話ミッド・ポイント。私が一番描きたかった場面。 雨がポツポツと降り出してから、本降りになるまでの過程が丁寧に描写されていた。 渡辺佳人さんの美術はほぼ劇場映画クラス。 そしてタカトは夢の世界へ――D-Arkが大事で手放せない。 D-Arkの内部では――、鋭…

第1話回顧 1

テイマーズの脚本は、02のリード・ライターだった吉村元希さんと前川淳さん、まさきひろさんが基本チームで、畏怖すべき大先輩、というよりも個人的にはファンであった浦沢義雄さんもローテーションに入られた。 ただ、シリーズ構成会議はプロデューサー、シ…

各話回顧序章

各話回顧をこれから上げていく。 2017年晩秋に本アカウントを作って、それまでは検索で引っかかったTweetを見る程度でしかなかったTwitterという場へ今更ながらに乗り込んだのは、単に2018年春の「デジモンテイマーズ Blu-Ray Box」の宣伝応援をしようという…

テイマーズのキャラクター・ソング

デジモン以前の東映動画/アニメーションの音楽出版と言えば概ね日本コロムビアだったが、デジモンは当時存在したNECインターチャネルとの提携となり、日本の無数にあるアニメ番組でも類を見ないだろう程の関連楽曲がCDリリースされた。現在はドリー・ミュー…