Digimon Tamers 2021 Blog

デジモンテイマーズ放映20周年記念ブログ

第1話回顧 3

 第一話 Act.3は、D-Arkのデジタマが割れている事に気づいたところから始まる。
このパートはシナリオから大幅に貝澤さんによって膨らまされていた。勿論、それが正解だった。

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 D-Ark内部からのカメラ視点など、どうしたら考えつくのだろう。

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 いよいよ、タカトがテイマーとなるイニシエーションに立ち向かう。
ベルトクリップに紐を通して首から提げる様にする。

ここから流れ出すBGMが「デジモンテイマーズのテーマ」。もうこれが流れ出すとワクワクするというシステムが私には植え付けられている。初期デジモン4作の音楽を手掛けられた、有澤孝紀さんについては自分でも驚く程のテキストをTwitterに上げた。早期に亡くなられたからだが、やはりこのブログでも採録するつもりだ。

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ヒュプノスでも、かなりの高エネルギーを持ったワイルド・ワンが検知されている。

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ショートボブのオペレータ2は、宮下冨三子さんが全編を通して演じられたのだが、あまりに後半での声色と違うので、Twitterで回顧した2018年時点では、別キャストに変わったのだと思い込んでいた。宮下さんはタカトのクラスの女子なども演じる、まさにカメレオン・タイプ。ともあれ硬質な前半の演技は逆に新鮮。

 

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東映アニメのテレビ・シリーズで3D CGがどこまで可能なのか、私は全く見当がついていなかった。ここまで本格的な描写がされるとは想像だにしなかった。

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 デジタル空間の中を突進していく――

 

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野性剥き出しのギルモン。

ワイヤー・フレームのトンネルにテキスチュアが乗って、徐々にリアルな空間となっていく――、なんてシナリオに書いていたら絶対「小中さん、無理書かないでよ」とプロデューサーに言われたかもしれない。

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西新宿の深く掘り抜かれた工事現場から光の柱が立ち上る。デジタル・ワールドからリアル・ワールドへ、高エネルギーの移動が起きる時にこの現象が起こる――という想定だった。前のランクスモンの時にも光の柱が立っている。

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 やや離れた高層マンションの部屋で、小春(シウチョン)が光の柱を見る。テリアモンは小春の前ではぬいぐるみのふりをしている(デジモンである事を隠している)。

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いきなり手を離されて突っ伏すテリアモン。動けない……。声も出せない……。

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 「ジェン兄ちゃん!」と呼ばれて振り向く、もう一人の主人公、李健良(ジェンリャ)。今回は声は聞かせない。

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 デジモンの到来を、留姫は空気感で知った様だ。

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ここからの場面、初放映時、私は勝手にハラハラしていた。

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 D-Arkの玩具が、デジモン方向探知機的な機能を装備してはいなかったと思う。劇中での活用は割と自由にさせてくれた。

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 普通の小学生が、警備が厳重である筈の工事現場に勝手に入れる筈もない。タカトは排水口を辿ってまで、潜り込んでいく。

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Konaka.comで記述しているので、さらっとしか書けないが、私はテイマーズを「バトルもの」にはしたくなかった。いや、バトルをする事で強く進化していくのがデジモンなのだから、当然それは描く。しかし少なくとも1クール目は、小学生の冒険譚を描きたかったのだ。だから、こうして自ら危険を顧みず、というよりは恐れ知らずなまでの行動をタカトはしていく。

ただ、実際の小学生がこれをやったら――、勿論アウト。こんな事を真似され、事故でも起こったなら番組が飛びかねない。以前、深夜の実写ホラーで、私の担当回の放送は終わっていたが、事件の影響で以降の放送が中断されたものがあった。

しかしそんな私の杞憂を余所に、貝澤さんはグイグイいく。とことんまでタカトを冒険させる。エコーするタカトの台詞も、貝澤さんが加えた。

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 そしていよいよ、ギルモンのリアライゼーションが始まる。

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ヒュプノスのすぐ近く、西新宿が表示されている。

 

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凄まじい風圧に耐えるタカト(これもシナリオにはない)。

デジモンが現実世界に現れる理屈で、デジタル・フィールドというナノ粒子が凝集するという理屈にしているのだが、実のところデジモンの登場をドラマティックに見せる演出意図の方が大きい。

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さっきまで突進していた野性の感じが薄らいでいる。肉体を持っている事に違和感を感じている様だ。

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紛れもなく、自分が考案したデザインそのまま(というにはあまりにリファインされているが)のギルモンは、当然自分の事を認識すると思い込んでいるタカト。

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しかしギルモンは、子犬の様な存在ではない。ネズミたちの姿を見て――

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ギルモンに話しかけているのだが――

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おもむろに火の玉を吐き出してネズミたちがいた一角に向けて放つ。

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 この瞳を見れば判るが、相手を倒すとかいう闘争心での行為ではない。ギルモンは出来そうだからやってしまったという感じだろう。

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後にこれが、「ファイヤーボール」というギルモン定番の初手技という事になる。しかしタカトは、熱の凄まじさに怯む。

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 ついにタカトの存在に気づくギルモン。むく、っと立ち上がる。

このギルモンの姿勢、なんて可愛らしい(2021年の感想)
なお、第一回のギルモンは言葉は発さない。野沢雅子さんは「ギル?」と既にギルモン語を創り上げていた。アフレコのテスト時から、もう我々は大納得するしかなかった。

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自分に近づいてくるギルモンに、タカトは腰を抜かす。

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ギルモンは笑っている、のだけど、この角度で見ると、怖い。

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 タカトの悲痛な声で第一話が幕切れとなる。

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絶対に次回を見たくなる、と思わせられる自信はあったのだが、連続性が強すぎると、新規の視聴者が増え難くなる。テレビ・シリーズ作劇の永遠なる問題だ、と思っていたのだが、昨今のブロック・バスター映画、配信ドラマなど、こうした軛から離れつつあるのかもしれないとも思う。

各話担当の演出者は変わるし、脚本家すらバトンタッチしてリレーをするのだから、ひたすら調整をするしかない。ともあれ、テイマーズでは冒頭4話分は完全に連続物となった。

 

#01 Credits (検索用にテキストに起こしておく)

原画:清山滋崇 内藤眞由美 羽坂英則 福井智子

動画:馬渡久史実 富田美穂子

背景:鈴木慶太 今村立夫 立花裕吾 松本健治

デジタル彩色:松山久美子 村元織子 星川麻美 及川眞由美

色指定:板坂泰江

デジタル合成:三晃プロダクション 吉野和宏 則友邦仁 石川晴彦 福井道子

編集:片桐公一 演出助手:地岡公俊 製作進行:坂本憲生知

美術進行:御園 博 仕上げ進行:浅間洋介