第12話回顧 1
ギルモンもテリアモンも、普段の立ち振る舞いは子どもっぽいのだが、レナモンは大人びている。しかし実はレナモンも決して人格ならぬデジモン格として精神が完成されている訳ではないのだ。
これまでパラレルに展開していた、テイマーたちとヒュプノスがついに交錯する。そして留姫とレナモンは――
留姫とレナモン きずなの危機!
脚本:吉村元希 演出:芝田浩樹 作画監督:浅沼昭弘 美術:渡辺佳人
ムシャモンが出現したエリアを、ヒュプノスの探査車が計測。
そういう事か……。前話、タカトやガルゴモンたちを目視していた山木――
ぼくも入れてとやってくるタカトだが――
ヒロカズとケンタは前日、《本物のデジモン》を見てやると勢い込んだが、ギルモンの気配を感じただけで逃げてしまった気まずさがある。
あれって、本当なの……? 受け容れたくないヒロカズ。本当の事って、ギルモンの事?と無邪気に訊くタカト。
カードを仕舞いだすヒロカズ。変な冗談として忘れようとしている。
女子クラスメイト間のあれこれについてはよく言われるが、男子にだってあるのだ。
それを、通りがかった樹莉が見ていた。
タカトを置いて行ってしまう二人。
心配そう。
恐らく土曜の午後なのか、学校は生徒不在なのだが――、
そこに来ている――。いやこれ事案になるから。
帰宅してきた留姫――、
無言で庭を見回す。
自室側の庭も――
何も台詞はここでは言わない。しかし判る筈だ。
目を落とす留姫。
こうした台詞がない方が気持ちが伝わるものだ。
ヒュプノスではオペレータ2な女性がワイルドワンを検知。
宮下冨三子さんの硬質な演技はここが最後になる、と思うと、この序盤の硬質感も貴重だったなぁと。
西新宿の――
野球練習場にデジタルフィールドが発生。
飛び出してくるフライビーモン。
それが三体のチーム。
結構珍しい映像化例の様だ。
留姫も来てはいるのだが――、
なんでレナモンを応援しないのか疑問のクルモン。
レナモン、一体は難なく――
粉砕。しかし――
はっ!
尾部からポイズンスティンガーが射出!
膝上に刺さる。
何とか抜くが、毒が回り始める。
攻撃が来る気配に――
襲いかかる残り二体。
電撃攻撃。
レナモンは撃たれて昏倒。
レナモンを助けないのかとジェンリャ。
D-Arkを握っているものの、留姫はレナモンの方へは行かず――
背を向けて走り去って行く。クルモンが後を追う。
二体揃ってスティンガー攻撃の構えだが――
レナモン、背筋で立ち直り――跳躍。
狐葉楔で破り、データをロード。
留姫はいなくても私は強い――、そう自分に言い聞かせる様に呟くも、俯く。
レナモンは進化する為に私が必要だった――。それだけのことよ……。
留姫の後を追っていくクルモン。クルモンは当初、傍若無人に面白い事をするだけだったが、徐々に《楽しくない人、デジモン》の許にばかり現れる様になっている。
留姫が来ていた事を告げるジェンリャ。
テリアモンがレナモンの事が心配だったんだよと告げるも、レナモンはその意味が判らない。
あ、クルモンだ、とジェンリャの肩から飛び降りるテリアモン。
おかえりー、とお腹をぶつけ合う。この二人、いや二体が仲良くしている場面は実は珍しい。
あははははと無邪気に笑っている二体を挟んで、シリアスな会話をするジェンリャとレナモン。世にもシュールな構図。
パートナーの意味をジェンリャに問うレナモン。ジェンリャは、テリアモンは友だちだと思っているという、いつもの答え。留姫もレナモンの事をそう言った。しかし、では人間とデジモンの友だちというのは何なのか。
レナモンの苦悩を余所に、テリアモンがクルモンに太極拳を教える。
きちんとポーズを静止させられるテリアモンに対して、クルモンがぐらぐらしている。これも後の伏線だと言える。
留姫が君のパートナーになったのは、何か意味ある気がする、というジェンリャ。
レナモンは無言で思案――。
ギルモンとは友だちだよね。仲間って言ってもいいというタカト。
でも留姫とレナモンの関係はよく判らない。
角を曲がると――、不審な金髪の男がいた。そして二人の前に進んでくる。
松田啓人君、
そして李健良(けんりょう)君。ジェンリャです、と正す。
ジェンリャです、と正す。
昨日の大ガードの騒動――。君たちは危険な遊びをしている事が判っていないようだ、と威圧する山木。
誰なんですあなたは! と詰め寄るジェンリャ。だがその時、樹莉がタカトを呼ぶ声。
今は拙いな、と山木は一旦立ち去る事に。
ジェンリャは男を追っていく。
ねえ、さっき公園でヒロカズ君達とどうしたの?と問う樹莉。
本物のデジモンて何の事?と訊かれ、流石に誤魔化そうとするタカトだが――
私にも見せてくれる? という樹莉は冗談を言っているのかと思ったが――
超真剣。
タカトはギルモン・ホームに連れては来るものの……、
外光を高効率で反射するギルモンの目。これはヒロカズたちと同じ展開にと恐れたタカト――
御免、冗談だったんだよと誤魔化そうとする横から顔を出すギルモン。パン持って来た?
あーーーーーー!
おしまいだ、と顔を覆うタカトだが――、
樹莉はギルモンを見て――
可愛いーと抱きつく。え? カッコいいじゃなくて……?
自己紹介し会う。そうだと樹莉――
ポケットから――
シールを出して、ギルモンの鼻先に貼る。可愛いよ!
ううううううう。