第10話回顧 1
オープニングで描かれる、ハイタッチをしてすれ違う留姫とレナモンの状態にはいつなるんだ!と、渇望されていただろうと思うのだが――、テイマーとパートナーデジモンの関係とはこうだ、と安易に結論を出せないのがテイマーズ。
ヒュプノスでは、(またも)これまでにないパターンのワイルドワンが出現。
徐々にエスカレートする、デジタル・ワールドからの侵攻にヒュプノスは追われる。
愕然とモニタを見ている麗花。
ワイルドワンが、己の肉体ばかりではなく環境までもリアライズしようとしているのだ。
レナモンは友達! 留姫の迷い
脚本:まさきひろ 演出:吉沢孝男 作画監督:直井正博 美術:清水哲弘
靖国通りを歩いている留姫。
グラウモン、ガルゴモン、そしてキュウビモンの進化が果たされたが、単に獲得データの量や経験値だけでは進化には繋がらない事に戸惑っている。
強くなれば進化出来るという留姫の信念が崩されたのだ。
ふと、足元に影が覆っている事に気づく。
振り向くが、何者も見えない。
前に向きを変えると足元に何かが!
くるる~
このカットも、中鶴勝祥さんの初期イメージスケッチにあった構図だったと思う。文芸面の設定が固まる前に、中鶴さんのイマジネーションが遥かに先行していた。
人間化したか如きデジモンの堕落さを嘆くインプモン。
伊勢◯百貨店横を歩いていた留姫――、クルモンに遭遇。後ろのデパートのキャンペーン・パネルに映っているモデルさんは――
人に触られるのが嫌いだったクルモン、妙に留姫に懐く。
バッタリと出くわす――
牧野ルミ子さん(28)――ってえええ? そんなに若かったら、娘を友だち感覚でそだてたいと思うのも無理がない気が。
ちょーっと社会常識的にルミ子さんはアレな性格らしい。
街行く人が、ポスターと本人を見比べている間に、留姫はそーっと後退る。
ねぇ留姫ちゃーん!
そういうの好きだったの、知らなかったぁ。
――これ?
くる~
新宿の花園神社は、唐十郎の紅テントなど演劇シーンでも知られたメッカだった。普段は人があまりいない。インプモンがカラス目掛けてナイト・オブ・ファイアを欲求不満で攻撃。
境内にて、ついて来ないでとクルモンに説諭。
しゅーん……。
決してクルモンを嫌いな訳ではないのだが――
デジモンを多く倒しパートナーのパワーを高める事にのみ専念してきた留姫にとって、“愛されるデジモン”の居場所がないのだ。
留姫に迫る――
はっ!
しかし何もいない。留姫はレナモンを呼ぶ。
レナモンは近くのビル屋上いたという。
どうかしたのかと問うレナモンに、留姫は何でも無いと去って行く。
留姫を見送るレナモン――・
辺りを警戒するが、デジモンの気配はもうそこにはなかった。
留姫が去った後にレナモンに絡んでくるインプモン。
お前か……。の一言で立ち去っていくレナモン。
歩く度に尻尾が揺れるという。
テリアモンがおめーと勝負したがってる、とかいう讒言にレナモンは失笑。テリアモンはテイマーに戦いを止められている、とレナモンから聞いて、インプモンはデジモンのレゾン・デートルを失っていると失望――、だが、という事はテリアモンなら俺の餌食に……。
留姫が帰宅すると、ルミ子さん渾身のコーディネート。く、くま……。着てみて欲しかったかも。
しかし当然ながら留姫は拒否。
さっき可愛いぬいぐるみ(クルモン)持ってたじゃない。
あんなのとっくに棄てた。
黙ってイチゴを食べている聖子さん。
だから言ったでしょう。人の趣味はそうそう変わるもんじゃない。あんただってそうだったでしょう。
そうかなぁ。
縁側廊下を歩いていた留姫に、冷感が襲う。
悪魔的なシルエット。
怯えている留姫。
レナモンに廊下を見て貰うが、既に影もない。
心配するレナモンに留姫は過剰反応。パートナーだというレナモンに、留姫はただのデジモンじゃない! と非情な言葉を投げかける。
これにはレナモンも硬直。
ついて来なくていいから出かけると言い――
立ち尽くすレナモン――
一方中央公園では
おや、アンドロモン……。ヒロカズのパートナーを検討していたのはこの時期だったかなぁ。もうちょっと後だった気もしているが、何せ20年前だからなぁ……。
タカトはカード・スラッシュの練習に余念がない。いや、別にポーズが問題ではないのだが……。
ポーズよりも作戦だねぇ。とタカトを諭すジェンリャ。
ギルモンはチョウチョを脅かさない様に追いかけている。
二枚以上のカードを組み合わせるコンボカードのレクチュア。
そこに、インプモンがテリアモンちゃーーん、と呼び掛ける。
無視無視。わかってる。
ギルモン、帰るよと。
テリアモンは抵抗せずロード出来る、と勝手に踏んでいるインプモン。
ジェンリャはテリアモンに、手を出しちゃダメだと言う。
食らえ!
プチ・つぃすたあああ こう表記した方が合うな。
ぎゃー
《手》は出さなかったよ、と胸を張るテリアモン。
体罰はやめよう。
留姫が判らない……。
テリアモンの様に、人間の様に振る舞えばいいのか――。いやレナモン、テリアモンは全く人間らしくないぞ。
新宿メトロ地下道を歩く留姫――。
また冷気が襲う。
背後に気配――
怒声を上げて振り向くと、おじさんたちしか……。
ふと見ると、デジモンらしき姿が
待ちなさいよと追う留姫。
定休日の百貨店。シャッター前で息を切らす留姫――
シャッターの向こう側から腕が伸びて――
A-Partここまで。