第19話回顧 3
インプモンの真実の瞬間が近づく。
避難する人々。
人々とは逆の方に走る留姫。
腰のD-Arkが明滅している。
地下鉄を降りたテリアモンが気づく。デジモンだ!
ギルモンも唸っている。
デーヴァ……。
これは青梅街道かなぁ? すみません特定出来ず。
インダラモンの前に立つインプモン。そしてレナモンと留姫。
丁度いいや!
見てろキツネ! しかしレナモンは無茶だ、と前に出ようとすると――
来るな!と火を放つインプモン。狙う気が無かったので、火はかすめもせず通過。
自分でも酷い事をしたと判っている。この表情で少し黙する。そして――
真剣な声で、頼む。と言う。
じっと見つめるだけのレナモン。俺の戦いなんだ!と絞り出す様に叫ぶインプモン。
別に二人がかりでも構わないぞ、とインダラモンが口を出す。
いくぜ!と叫び――指先を額に念を込め――
サモーン!
過去最大の炎を生み出し――
フレイム!とインダラモンへ渾身の投擲。
炎は向かっていくが――
空しくも散る。
相手にならんと言われ愕然。
振り上げられる前脚。
衝撃――
これは堪らない。しかし――
すぐに立ち上がりインプモンは罵る。俺はお前らみたいに徒党を組んで、自分達が一番みたいに思ってるゲス野郎共にはヘドが出るんだよ!
啖呵をを切ってインダラモンに向かうも――
容赦なく打ちのめされる。
クルモン――
そしてタカトらも到着。テリアモン、進化だ!とジェンリャ。しかし、待ってというレナモンの声。
これはインプモンの戦い。私たちが手を出してはいけない。
当然タカトたちは納得出来ない。それはデジモンの価値観なのだ。
またも蹴倒されるが――
何が、我らが神だよ馬鹿野郎。トイレの紙でも拝んでろっての!と頑張って笑おうとしている。
しかしインダラモンは、自分の神を侮蔑された事に激高。
更に容赦なくインプモンを叩きのめす。
見てられない――。
これで生きているのが不思議だ。
いいの!? これで――
――。
レナモンはこういう芝居が多い。アニメだと素は嫌われるのだが、レナモンという存在を表現するには、この黙する演技も重要だった。
何とか起き上がろうとしているインプモン。俺は――、俺は強くなるんだ――
すぐさま背後から――
滅多打ち。
ねえジェン、どうするの?とテリアモン。このままじゃあいつ、ロードされちゃうよ。
やっぱりあいつら……、デーヴァは悪い奴だ!
ここでジェンリャは一旦、デーヴァを悪と規定。視聴者の子どもも同意するだろう。しかし、事はそう単純ではない。
頑張れインプモンと声を上げるタカト。
応援なんかすんじゃねーこのおたんこなす!
最後の一撃。やべえ……と呟くインプモン。
インプモン、形を固定出来ず量子化破壊されそうになっている。
なんとか保っているが、危うい。
留姫はレナモンに強く、しかしかつての様な詰るのではなく訊く。
ホントにいいの!?
レナモンだってすぐ様駆けつけたいのを、必死に我慢しているのだ。
雑魚のくせに意外に頑張ったな。さらばだ、と片脚を振り上げる。
ギルモンもう我慢出来ない! と駆け出すギルモン。
必死に駆けつけようとしているが、到底間に合わない距離。
速さならば、レナモンに敵う者はない。
そこまでだ、とインプモンに告げてインダラモンに向かうレナモン。
余計な事しやがって……。
同じ事だ、とレナモンもあえなく痛打される。
レナモン! 進化だ留姫!
タカト、無意識にクルモンを振り向く。
自覚なきクルモンだが――
進化の力が――
頷いてタカト、ギルモン! 進化だ!
うん! タカト!
テリアモン! そうこなくっちゃ、と肘を上げたジェンリャの腕からジャンピング。
レナモン―― 留姫――
トリプル・カード・スラッシュ、初。
それから成熟期進化バンク3連続。
そうか、グラウモン進化バンクは、ギルモンの口の中から始まるのか……。やけに超広角アングルだな、と20年思っていたが、スロー再生して初めて知る。新鮮だわ……。
束になっても同じ事だ。インダラモンの宝貝が浮上。
インダラモンの前へ。前脚が接続され、まるでロボットの最終兵器の様に。
ズタボロのインプモン、まだ諦めていない。
貝の内側が光る。
三体の一斉攻撃はこれが初めて。
三色のパワーが――
全て宝貝の中に収束してしまう。
愕然。
進化しなきゃ、強くなれねぇってのかよ……。
我々は神に選ばれしデジモン。貴様ら如き堕落したデジモンに倒される私ではない!
あ、また《私》使ってる……。
呆然としている三体。そして――
何とかまた立ち上がるインプモン。
宝貝を吹くインダラモン。すると――
さっきの三色のパワーが逆に吹きだし――
大爆発。
吹き飛ばされる三体。
カード支援どころではない。
俺はおめーをロードして――、進化してやる!!!
んん? と少し驚くインダラモン。
ぐああああああああああああああああ!
インプモン渾身の突撃。
背景が変わってのストップモーション。
もう最高のクリフハンガー・エンディング。文句言わせないレヴェル。
テイマーズの少年マンガ性が光っているエピソード。
高橋広樹さんは長身な方だが、インプモンを演じる時は意識してなのか無意識なのか、少し背中を丸めて、なるべく小さな身体から喋っている様に演技されていたのがとても印象に残っている。
勿論、ベルゼブモンの時には胸を張った立ち姿だった。
一年間、アフレコに毎週立ち会いをしていても、私の視覚的記憶は暗いスタジオの中の、声優の方々の後ろ姿だけだった。あとはひたすら台本に目を落として、モニタから聞こえる台詞をチェックしていた。
#19 Credits
インダラモン:堀内賢雄
謎の少年(マクラモン):堀川りょう
趙先生:北村弘一
コギャル:塩味 薫 植岡由紀子 村岡雪枝
少女の父親:小栗雄介
アイ:寺田はるひ
マコ:松本美和
原画:朝倉温子 大河内忍 大谷房代 池田志乃 下村こずえ 西田浩二
動画:佐藤元昭 高田洋子
背景:鈴木慶太 佐々木友子 花松裕吾
デジタル彩色:村本織子 星川麻美 鳥本佐智子 藤阪清美
デジタル合成:三晃プロダクション 広川二三男 則友邦仁 峰岸智子 大西弘悟
演助進行:徳本善信