Digimon Tamers 2021 Blog

デジモンテイマーズ放映20周年記念ブログ

第3話回顧 3

 

 

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こんな姿で言われても……。

留姫も、そんなチビスケなんてレナモンの相手にもならないんだから邪魔するなと言う。

 

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猛然と抗議するテリアモン。失敬だなぁ~、という台詞は以前の作品(『バブルガムクライシス TOKYO 2040』1998)でも書いた事があるのだが(それだけ気に入っていた台詞)、2018年にTwitterで回顧していた時に初めてそのルーツ的なものに思い当たる。それは浦沢義雄脚本作だった。これについては後に触れよう。

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苦笑してしまうタカト。留姫は睨んでいる。

ここでジェンリャは自分の思想をはっきり言葉にしている。デジモンはデジタル・ワールドでは確かに戦う為に存在している(テイマーズの独自設定)。しかし現実世界にリアライズしたデジモンがその軛(くびき)に従う必要はないのだ。

しかし留姫はその思想を受け容れない。レナモンに戦う事を続けさせる。

ギルモンとレナモン両者が向かい合っていくと――

 

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ちょこまかと歩いていたテリアモン。車に映る自分の姿も面白いらしい。

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とびだし注意!
突進していたギルモンの前に出てしまうテリアモン。

既に狐葉楔を放っていたレナモン、驚き、どいて!と叫ぶ。

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はっ、と見上げるが――

 

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凄まじい爆発が起こる。

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テリアモーン!と駆け寄ろうとするジェンのポケットの内側から閃光が迸る。

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見た事のない、D-Arkの挙動。

さていよいよデジモンテイマーズ初の進化バンクとなる。

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MacInTalk(昔のMacOSについていた人工音声)の"Robot"の声で「エヴォリューション」とプログラムが走る宣言。ちなみに「serial experiments lain」の各話Layerのコールは同プログラムの"Whisper"だった。

 ここからシーケンシングのシンセ音がフェードインしてくる『進化曲』「EVO」

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成長期~成熟期のバンクは、D-Arkは3Dで描かれるが変身する様は手描きのアニメーション。

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テリアモン進化! この声が――

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進化バンクの原画はすしおさん。コンテは貝澤さん。

最初見た時はやっぱりビックリした。確かに《デジタル》な存在なのだから、ワイヤー・フレームのポリゴンにテキスチュアという表皮を被っている。しかし容赦なくそれを引き剥がす。ちょっと可哀相に見えなくもないのだが――、

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恐らく進化している時の当人には昂揚感があるのだろう。

 

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既に映画版02でガルゴモン化も見せているが、ここでは武装パーツの分解・再結合まで見せている。

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見ている方にも力みが伝わる。歯を食いしばって堪える――

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ダイナミックに弾帯を躯に巻き付けて――、声がテリアモンよりも低くなってガルゴモンとなった事を宣言する。

 ここまでが「EVO」の、超盛り上がりイントロなのだが、歌ではなくサックスがメロディ。ここも劇的には“望ましからぬ”進化場面なので、インスト(ルメンタル)版。

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進化しちゃ、ダメだ――。あれ、この台詞に似た口調を2003年にも書いた覚えがあるが……。脚本家にも、書きたがる台詞というのはあるんです。

 

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進化直後は低い声なのだけれど、やっぱりテリアモンはテリアモン。ただ、その性格は一変して好戦的かつ無差別。これもリアル・ワールドでの初進化なのだから、かなり心理的ステータスが変わっている。トリガー・ハッピーというよりも、ハイになっている。
この、あははははは、と笑いながらガトリング・アームを撃ちまくる場面を書いたのは勿論、渡辺けんじさんのオリジナル・デザイン、そして中鶴勝祥さんのアニメーション・デザインの、ニコっと笑いながらも強力な火器を両腕に装備している図柄からだった。
テイマーズのずっと後になって、私はある事情から航空マニアにもなった。今書けるんなら、A-10のアヴェンジャーみたいに「回転する時はモーターみたいに唸る」とか書いただろう。しかしそれを書けばこの地下駐車場は一瞬で吹き飛ぶのだが。

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それでも数台の車が巻き込まれて爆破される。

 

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煙が外にまで流れている。ゲーム的な感覚で武力を現実世界で用いれば、それは甚大な被害が出る――という描写。しかしこれはほんの触りにすらなっていない事が後の展開では判ってくる。

 

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 レナモン・アイを通してスキャンされるガルゴモン。ギルモンはデータベースになかったが、ガルゴモンはしっかり登録されている。

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先に進化されてしまい動揺を隠せない留姫。

 

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レナモンのアクションは、基本ニンジャ・スタイル。キャットウォークを素早く走り――

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暴走しているガルゴモンを止めようと、レナモンが上から飛びかかる。

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爪痕が生々しい。しかしこれこそがバトルなのだ。

 

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尚も暴発させるガルゴモン。

 

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被弾を避けて天井へ退避するレナモン。ガルゴモンの銃撃が天井部を容赦なく破壊。

 

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地上階のフロアが崩れ落ちてくる。

その恐ろしい様を――、ボンネットの上で見ていた――

 

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クルモン。この存在こそが、進化のキーなのだが、まだ登場人物はクルモンを含めてそれに気づいていない。

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こうなるから嫌だったのに――。

タカトがはっと気づく。

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敵となる存在が眼中からなくなったガルゴモン、そこに立ち尽くしていた留姫を視認し、にじり寄っていく。

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脅える留姫。デジモンが、人間を殺める事などあるのか――?

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留姫を救おうと奔るレナモンだが、間に合わない。

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ギルモーン!と叫ぶタカト。

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既に野生から戻っていたギルモンだが、猛烈な頭突きでガルゴモンにぶつかる。

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そのまま抑え込むギルモン。ガルゴモンも我に帰って、茫然自失。

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留姫の無事を見守るレナモンだが、掛けられる様な言葉はない。

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動悸が収まらず、過呼吸気味の留姫、という実に不穏な幕切れとなるのが3話だった。

 

メイン・デジモンが三話まで進化しない、というシリーズ導入構成は、それまでのデジモンアドベンチャーとは話の進め方もデジモンの在り方も変える為、視聴者の子どもに伝える段取りとして必要な措置だった。
その分、3話はバトルが苛烈になってしまった。

今話の留姫の動揺を敢えて印象づけるシナリオにしたのは、本作が人間とデジモンの命をどう描くかについての、最初のメッセージでもある。

 

 

#03 Credits

原画:海老沢幸男 諏訪可奈恵 菊池 愛  すしお

動画:兼高里香 北原由加里

背景:スタジオMAO 岩本文美 遠山麻理子

デジタル彩色:大籏 忍 内田もも 鈴木陽子 大村規子

色指定:板坂泰江

デジタル合成:三晃プロダクション 松平高吉 中山照美 大西弘悟 金子直広

編集:片桐公一 演出助手:地岡公俊 製作進行:坂本憲生知

美術進行:御園 博 仕上げ進行:浅間洋介