第22話回顧 3
三人同時カード・スラッシュ。
進化バンクの背景CGにデジモン文字。
成熟期への進化バンクは四面マルチ。
路上の車を踏み潰し――
電線を引きちぎり――
信号機を薙ぎ倒し――
窓に激突――
電柱が倒れてトラックを潰す。
進むだけで大被害。
構わず猪突猛進するヴィカラーラモン。
デジタル・ワールドそのものとリアル・ワールドとの領域を引き裂いている。
凄まじい唸り声を上げ続ける。
ターゲット確認。
三体の成熟期が追いつく。
ヴィカラーラモンを止めようと――、まずはキュウビモン、行くぞと先陣を切る。
弧炎龍――
ガトリング・アーム!
エキゾースト・フレイム!
だが、集中砲火でも全く影響がない。
パワーが違い過ぎる。
恐らく全長100mくらいはありそうだ。
ヒュプノスの階層。ここは都庁舎タワー内に数階をぶち抜いて作られている。
シャッガイ・コントロール員が出力40%を報告。
そこへ駆け寄ってくるジャンユー、何をする気だ!?
これは何をしているんだ!?
シャッガイというシステムですよ。ネットワークを我々が完全に制御する力。
リアル・ワールド内に棲息している全てのデジタル生命体を一挙に消去します、と言う山木。
待て、そんな事をしたら、子ども達と一緒にいるデジモンまで巻き添えを食うぞ。
当然そうでしょうね、と嘯く山木。
急に振り向き、あんたの大事なその子どもたちを守る為だ!
山木の主張は正論だ――。しかし――
絞り出す様に、頼む、やめてくれと懇願するジャンユー。
見ろ!
今のこの状況を!
このままでは新宿は壊滅だ。
何か他に手段でもあるというのか!? 全てのデジタル生命体を消去して、ICEウォールを張るんだ。
二度とリアライズする事などないようにな――。
頭頂部をプラズマ・ブレードで
腹部をダムダム・アッパーで撃ち込み――
鬼火玉を放つも――
ヴィカラーラモンは止まらない。
歩道橋を――
粉砕。
走る三人。
個人的に一番好きなショット。
だが、駆け出てきたのは戦場。ターカートー!とグラウモン。
ダメだジェン。全然歯が立たない。
キュウビモン――。
我々も完全体にならなければ――
めちゃめちゃだ……。
後方を振り向くタカト。
地獄絵図。ぼくたちの町が……。
今頃……、
たまにはウチで勉強して頂戴――。前半では声だけだったが、顔も浮かぶ。
タカトはきっとぼくを探してると呟く。
このまま進めば……、
シウチョンが怯えて泣いている、ウチのマンションに――
御免、私友だちと約束あるから、と母親との会話は断ったきりの留姫。
心配、してるよね……。
出力85%。
山木の肩を掴むジャンユー。やめてくれ!
突き放す山木。
出力、90%。
消えてなくなれ!
一歩前へ踏み出すタカト。
このままじゃみんな滅茶苦茶にされちゃう!
「デジモンテイマーズのテーマ」が流れ出す。
兄妹を守りたい―― そう念じるジェンリャ。
すると、カードがブルーカードへ。
家族を守りたい、と願った留姫もブルーカードを手にした。
ぼくたちの町を守りたい――
願った通りになる。このブルーカードとは何なのか。その本質は次回に送る。
三人が目を上げた。
今話初の「SLASH!!」イントロ。
人声版の「マトリックス・エヴォリューション」
そして「EVO」が始まる。
いっけーーーーー
三完全体、飛翔――
完全体でもこの体格差――
ヴィカラーラモンの前へ降下――
デーヴァにはっきりと認識させた。
荒ぶるヴィカラーラモン。
三完全体、ヴィカラーラモンを絶対に阻止する構え。しかし――
シャッガイ・システムが出力100%に達し起動準備が完了。
シャッガイ起動!
都庁天頂部から莫大なエネルギーが放出。
やめろおおおおおおお!!!!
ジャンユーの叫び声のエコーが残る中、三人の顔と引きのストップモーションで22話は終わる。
ヴィカラーラモンの侵攻コースは、最大級のデーヴァをどう見せるかを考えた果てに、やはり人が見慣れた国道幅の道を一杯にして進むというのが、最も効果的だろうと結論を出した。
戸山公園は戦前は陸軍の施設。戦後、団地が建てられ、それらがハイツなどへ建て替わっている。今回の侵攻はこの辺りまで。
放送時は、第一部地上編はこれ以上の事は出来ないだろうから、短縮されて良かったとも思っていたのだけれど、やはり見直すとこの話数までには、まだやれる事はあったとも思う。勿論、デジタル・ワールド編でもデーヴァが登場する訳で、こういう流れにならなければ、アンティラモンも敵役で倒されたかもしれないのだが。
やはり正解は判らない。
#20 Credits
タカトの母(松田美枝):松谷彼哉
ジャンユー(タオ):金子由之
山木室長:千葉進歩
李シウチョン/鳳麗花:永野愛
小野寺恵:宮下冨美子
ヴィカラーラモン:木村雅史
謎の少年(マクラモン):堀川りょう
監査委員:佐藤晴男
シャッガイの音声:中山りえ子
アナウンサー:小嶋一成
原画:出口としお
動画:山口幸俊 小林美穂子
背景:鈴木慶太 佐々木友子 花松裕吾
デジタル彩色:藤田 潮 徳永ゆき子 村田邦子 鏡沼孝子
デジタル合成:三晃プロダクション 広川二三男 則友邦仁 松平高吉 石川晴彦
演出助手:地岡公俊
製作進行:坂本憲生知