第33話回顧 2
そしてシウチョンは――
リアル・ワールド球が小さく見える荒野――
デジモン文字で恐らく「スーツェーモン」と書いてあるそこへ――
落ちた。
ここ、どこ?
あ
お月さま?
つまりそのくらいのサイズに見える。
きれーい。
その背後を驀進していく、バクモン。
テリアモン?
ばくばくばく
わあ!
後を追う!
バクモンのお尻から出ているのは煙ではなく、こういうデザイン。
綺麗なフォームで走るシウチョン。
本気で追う。
ばくばくばくばくばく
巣穴らしきところに潜り込むバクモン。
シウチョンも入ろうとするが――
煙くて後退る。
逃げられちゃった。
顔をごしごし。
ん?
岩陰から楽しげな声を上げているデジノーム。
飛んだ!
デジノームが、シウチョンをここに呼んだのだ。シウチョンを目的のところまで案内しようと飛んでいる、らしいのだが……。
わー
後を追うシウチョン。しかし――
待ってー!
デジノームは飛び去ってしまう。
流石に疲れてきた。
よいしょ……、
はぁ、はぁ、暑い。
着ていた厚手のコートを脱いで、手近なものに掛ける。するといきなり動く。
は!
キウイモン。
ああーん
ジャケットはみじん切りにされてしまう。
ちょっとぉ、鳥さん!
私のコート、どうしてくれるのよぅ!
きゅー
破裂音と共に迫るキウイモンの顔――
の形をした爆弾。
小爆発に驚くシウチョン。
何すんのよ! 自分よりちっちゃい子、いじめちゃダメなんだよー!?
去って行くキウイモン。
心細くなるシウチョン。
テリアモン……。
しょんぼりしながらとぼとぼと歩いているシウチョン。すると――
ダスト・パケットが風で流されてくる。
何あれ? きれーい。
わー。
指で触れようとすると、ビリッと感電。
びりびりしたーっ。
そしてまた一人。
泣き出してしまう。
テリアモーン!
その声はアークにまで――
おにいちゃーん
!?
シウチョン!
どうした?テリアモン。
シウチョンの声がした。
まさか。
間違いない。近くにシウチョンがいる……。
と、アークの挙動が大きく変わる。
アークは方向を変えて、違う隧道へ――
段差に足を引っ掛けて――
転んでしまう。
しかしそこは、これまでと異なる風景。そして微かな滝の音。
みず!
急に元気が復活して水場まで走り始める。
滝があるなら、水辺で水が飲める筈――
だったが、崖が滝からは離れていた。危うく落ちそうだったが――
わあああああああ
危うく落下を免れた。
おっこっちゃうかと思ったー。
この場面の永野さんの芝居は神懸かっている。
壮大なスケールで描かれる「神の領域」。そして向こうには、橋の様な構造が見える。
何だろう……?
三画面ぶちぬきの縦パン。滝が動いているので繋がっていないが。
姿を初めて見せるアンティラモン。
近づいて来るシウチョン。
足元を見る。
大きなウサギ!
アンティラモン(デーヴァ)。首に紫の布を巻いているのがデーヴァ版。
なぜシウチョンはデジタル・ワールドに招かれたのか。それは後半明らかに。
ところでテイマーズでは、デジモン文字はあまり用いていない。テイマーズ設定のデジタル・ワールドはインターネットと同義なので、デーヴァがメッセージを送る際には機械語を用いた。
しかし進化バンクなどでは、携帯ゲーム以来にそのバックグラウンド設定のデジモン文字が装飾的に使われていた。シウチョンが落ちた場所のデジモン文字は多分、渡辺さんが設定されたのだと思う。
恐らく神代文字をモデルに作られたと思うデジモン文字は50音、数字、アルファベットに置換出来る。公式のものではないだろうがフォントもアップされている。