第36話回顧 2
ここから後半まで、画面は殆どがデジタル加工されている。炎、振動、衝撃――。
初陣であるデュークモン、ロイヤル・セーバーでベヒーモス(ベルゼブモンもろとものつもりだった)を倒したが、ベヒーモスは長い間ツチダルモンや他のデジモンを食らい続けたエネルギーの塊であった。その崩壊は一帯を再び危険な状態にしてしまった。
地殻がまた動き、シウチョンが立っていたところがジェンと離れていく。
シウチョーン!
スーツェーモンの城――
その奥――
チャツラモンがスーツェーモンに謁見している。しかし見せるのは影のみ。
お前が造りしデジモンが、その気になって暴れている今こそ――
我を裏切った者に、罰を与えよ。
直ちに。
ジェン兄ちゃーーーん!
ロップモン、シウチョンの手から離れる。
――気配あり。
チャツラモン!
デーヴァでありながら、人間を守るお前を許す訳にはいかぬ!
ロップモンのお友だち?と訊くシウチョン。
あれは我と同じデーヴァ。
裏切り者には鉄槌を下す!
ええっ!?
ダメー!っとロップモンを抱き締めるシウチョン。
ロップモン、逃れようと暴れる。
汝、我を直ちに放すべし!
いや! いや!
チャツラモンは、その人間もろとも抹殺するまで!と宣告。
やめよ! この者に罪はなし!
笑止! 我らが神の領域に人間どもがいる事こそ、許すまじき大罪!
チャツラモン、宝鎚(パオツェイ)に変化。
シウチョーーン! 飛び出すテリアモン。
神の怒りを受けよ! と振り下ろされる宝鎚!
テリアモンが必死に向かう。
シウチョン・ロップモンの前に出て、自らが宝鎚の打撃を受けてしまうテリアモン。
うあああああ!
テリアモン!!!
うあああぁぁぁぁぁ――
レナモンが跳んだ!
目に留まらぬ速さでシウチョン・ロップモンを奪還!
ここ、ちょっとよく判らなかった。何かチャツラモンが叫んで手前の岩が崩れているのだが、これがチャツラモンがレナモンに仕掛けた攻撃だったのか、それとも――
こちらに向かってくる者の方を見る。
たとえデーヴァと言えども――、
このデュークモンの敵ではない!
手に持っていたマントを肩にやると、もう装着された状態に。
ロイヤル・セーバー!
この私が――無念――
データの塵に――
俺に寄越せ! と崖下から飛翔するベルゼブモン。
何!?
デーヴァ野郎を倒してくれてありがとうよ! お陰でまたパワーアップしたぜ!
愕然。
レナモンに助けられたシウチョンを抱き留めるジェン。しかし――
ジェン兄ちゃん、テリアモンが、テリアモンが――
シウチョン、こいつを離すんだ!
いや!
こいつはデーヴァなんだ! そばにいたら危ないんだ!
申し訳なさそうに顔を背けるロップモン。
シウチョン、自分とロップモンとの絆、D-Arkを震える手で持つ。
はっ
やだよ! だってロップモンは――、私のパートナーだもん!
激しく自責するジェン。
ぼくはシウチョンに一体何言ってるんだ!!??
レナモンが留姫に、テリアモンを探すと言って、即座に向かう。
パワーアップしたベルゼブモンと死闘。
崖下に落ちているテリアモン。
レナモン、急降下。
しっかりしろ、テリアモン――
モーマンタイ……。
朱雀門前――
おーいと大声でヒロカズがタカトを呼んでいる。
ケンタが思わず――
あのー、もし本当にここに落ちたんなら、返事なんか出来ないんじゃないかなぁ。
と! 突如そこから浮上するベルゼブモン!
飛翔!
逃げろ!
ヒロカズ! とガードロモンがベルゼブモンを阻もうと立つ。
邪魔だ、どきやがれ、と蹴り飛ばされる。
ガードロモン!
大丈夫か? どこか壊れなかったか?
大丈夫。戦える、と答えるガードロモン。
いいよ!もう戦わなくたって! あんな強いデジモンなんかに、かないっこないよ――。
きっとガードロモンも、レオモンみたいにやられちまう。やだよ。やっと会えたパートナーなんだから!
猛烈な体当たりを食らわすデュークモン。
ここは危険だ! 逃げろ!
しかしケンタは身を竦ませている。
食らえ! ダブル・インパクト!
ケンタに向けて撃つベルゼブモン。
咄嗟にケンタに被さり、自らのマントに被弾されるデュークモン。
凄まじい衝撃でデュークモンも苦痛の声を漏らす。
俺を庇って……。
心臓の鼓動。
ハッ、と何かに気づくケンタ。
その場から去るデュークモンを見つめ――、呟く。
タカト……?
ベルゼブモンに向かっていくデュークモン。
デュークモンのあまりの勢いにベルゼブモン――
うわっ!
凄まじい体当たり。
ベレンヘーナの一挺が谷底に落ちる。
もう一挺は向こうに突き刺さる。
その場からヒロカズとケンタを避難させるガードロモン。わっせ、わっせ――
大丈夫かケンタ?
俺……、
今、感じたんだ。あのデジモン、タカトだよ!
ええっ!? デュークモンが、タカトだって!?
確信をもって頷く。
必死に戦っているデュークモン。
ベルゼブモンを遠くにまで突き飛ばしていく。
なぜだか判んないけど、感じたんだ。タカトは今、デジモンと一緒に戦ってるんだよ!
あれが、タカト……?
調子に乗ってんじゃ――
ねえ!
急制動。
見上げる。
またも虚空から迫る――
来る!
タカトの直感でその場から速やかに離れると、ベルゼブモンが落ちてきた。
ヒロカズが問い掛ける。
タカト、お前なのか? お前が戦ってるのか……?
瞬間的に姿を消すベルゼブモン。
タカトの声。どこだ!?
!?
蹴り倒される。
したたかに顔を地に打ち付けてしまう。
それなのに俺は――、俺は……!
せせら笑うベルゼブモン――
飛翔して、地面に刺さっているベレンヘーナを奪還。
なんとか身を起こそうとしたデュークモンだが――
眼前には銃口が!