第32話回顧 2
32話のプロットについては、SHIBUMIとのダイアローグがメインなのだが、両親達のフォローをしようというのは話し合いで決めたと思う。
しかしSHIBUMIと出会うまでは、簡単な段取りにしないで欲しいと要望した程度で、Act.2の流れはまさきさんが全て考えたもの。もの凄く苦労をして、タカトらはSHIBUMIのいるところに行き着く。
水……、
ひょっとして……
ねえジェン、ヒロカズ、ケンタだったら、何て書くかな?
それよりも、ちょっとお父さんと話したい事が――。
中国語でメール文が送られてくる。
息子さんは何ですって?と剛弘。
いや、大した事じゃないです、と誤魔化すジャンユー。
他の親を心配させない為に、暗号として中国語を使っているのだ。
ぼくの考えを言います。水に濡れた通信機が壊れなかったのは――、
ここの水が本当の水じゃないから。水に濡れると溺れるとぼくたちは思うけど、
機械はそう思わないから壊れなかった――。
だからぼくたちも、溺れないと信じて潜れば……。
かもしれない。かもしれないが……。
その通りだとお伝えください、と山木が言う。
自信を持って試してみろと。
タカトが心配そうに、ホントにやるの?と言うが――
ジェンリャは潜る。
モーマンタイ、モーマンタイ
潜っているジェン。
息を詰めて待っているジャンユー。
そして山木――
待つしか無い両親たち。
298,299――
300! ジェン、まさか……、
上がって来るジェン。良かったー!とタカト。
ほら、ぼくの髪、触ってみて。
ええ? 濡れてない……。
さっきのぼくは、濡れると思ったから濡れちゃったんだ。
そうだよ。そういう事だ。
ここでBGM「人々」が流れ出す。もうこのメロディは精神安定剤だ。
ジェンの報告を読んで喜ぶジャンユー。
また連絡があったらお知らせします。
よろしくお願いしますと、剛弘。
――ありがとう。
サングラスを外す山木。
君にも手伝って欲しい。
喜んで。
心強い、とバベル。
後はSHIBUMIが参加してくれれば、とデイジー。しかし――
それは無理です、と言う山木。
それはどういう事?
部下にSHIBUMIを、水野悟郎さんを探させたんですが――、
なんだって!? SHIBUMIが消えた?
タカトはまだ《信じ》られていない。
必死に息を止めている。
タカト、大丈夫だよ、ほら息が出来るって。
なかなか順応は難しい。
テリアモンはもう慣れて――、
水底を蹴ってジャンプ。
やっとタカトも慣れてきた。
何? 扉みたい。明けてみよう。
二人が手こずっていると、どいてどいてーと言いながらテリアモンが頭突き。
反転して開く扉。
動く方向は違うが、ジジモン、ババモンの家と同じ構造。
すると中にいたのは――
オタマモン、両生類型デジモン、成長期――
オタマモンも前話のゲコモンも、29話でチラッと登場していた。
警戒していた――
何者かがタカトを狙って――
テリアモンが凝視。
ハンギョモン、水棲人類型デジモン、完全体。
02「ダゴモンの海」に登場したハンギョモンは、暗黒の海で異化された者たちだった。これは本来のハンギョモン。
銛を投げつけるハンギョモン。
すんででかわすテリアモンだが――
ジェンが、待て! 何故襲うんだ!?と問うが――
ハンギョモンがテリアモンを襲う。
やめて、あうあああああ
テリアモンを救う為に立ち向かうジェン。
ジェン、初の中国武道の披露。趙先生仕込み。
これも究極進化の伏線ではある。
ジェーン!
「EVO」が流れている。進化はないのだが……。
ハンギョモン、ジェンを狙って――
銛を投げられるが跳躍!
ハンギョモンにキック。
銛はタカトが確保。
すごーいジェン。よーしぼくも、ぷちついすたあああああ
これで決まった。
参った! と沈んでいくハンギョモン。
心配そうに群がるオタマモンたち。
ぼくたちがオタマモンを攻撃?
ひどい、勘違いだよ。
あう、こいつら泡を吐くくらいしか攻撃力ないもんで……。
しかし、ホントにすまなかった。と素直なハンギョモン。
モーマンタイ モーマンタイ
ところで出口って知らない?
出口って、どこへの出口?
えーと、ここじゃない、水がない世界。
そんな世界があるのかぁ……。
ここ以外知らないんだ、とジェン。ああと頷くハンギョモン。
だが、その出口って、ひょっとしたら……、
このパイプの先に出口が?
あるかもなー。
ちょっとぼく、様子見てくる。
ああよせ!!
ぎょえーーーーーーっ
なんかビリビリのあちゃちゃちゃ
他に出口らしいものがないとすると、通らない訳にはいかない……。うーん。
そうだ、オタマモンて泡を吐く事が出来るんだよね?
モーマンタイ。
川田さんはよほどテリアモンが好きだと思う。隙あらばモーマンタイと言う。
泡を吐くオタマモンズ。
タカトたちが泡に包まれ――
一つの大きな泡に。
泡に守られてここを抜けようって名案だね!
じゃ、元気でなーと、見送るハンギョモン。
ばーいばーいとテリアモン。
パイプの中を進む泡。
代替テリアモンのぬいぐるみ――
で遊んでいたシウチョンだが、
やっぱりテリアモンじゃないと……。
テリアモン、と呟く。
これは次話への伏線。
そのテリアモン――
パイプの出口が見えてきた。
わあ!
まさに世界が変わっていく。
水の道を進んでる――
ちょっと心臓の様に見えなくもない。
まるで、水の宇宙だとジェン。
ウォーター・スペース、とテリアモンが言い直す。
泡は大きなスペースの中へ――
入るや否や――
泡が弾けて飛び出す。
どこへ向かえばいいの!?
判らないよ……。あ!
デジノームが飛んでいる。
タカトらを誘っている。
あの後を追ってみよう!
デジノームたちが導いて――
旧い学校の様な建物――
上がっていく。
そして、扉を開くテリアモン。