第36話回顧 1
35話の終わり間際で究極進化したデュークモンとベルゼブモンの対決。ベルゼブモンの(一旦の)結着はやはり前川さんが脚本を担当。演出は今村さんが独自な個性で今話も手掛ける。作監は浅沼さん。美術は渡辺さん。という事は前話でバトル・ステージである神の領域がフラットな面を、デジタル・ハザードで高低差をつけるという設定にされたのも渡辺さんかもしれない。フラットな舞台では、今話の様なアクションは描写が困難だからだ。
決戦! デュークモン対ベルゼブモン
脚本:前川 淳 演出:今村隆寛 作画監督:浅沼昭弘 美術:渡辺佳人
サブタイトル明けに、デュークモン進化バンクのフルが入れられている。前話の続きのパート。
突いたセーバーを引き抜くと――
キャメラ後方へと下がっていき――
マントがはためき電光が左右から発している決めカット。デュークモンは跳躍力は相当に持つが、空は飛べない。背景画雲なのはイメエジ。
前話リプライズの作画デュークモン。光が収まっていくところからパンアップ(下から上)。双方、フラットな地面を双方向から疾走していたが――
崖の端からベルゼブモン、跳躍。
身を細くしてより高く――
デュークモンも地を蹴り――
跳躍して――
ベルゼブモンの瞳が小さく収縮し、ダークネス・クロウを構える。
デュークモンの虹彩も小さくなるが、これは焦点を絞る様なイメエジ。
突き出されるセーバー。
ファースト・コンタクトはベルゼブモンが優位か?
しかし手強い相手だと悟る。
互いに対岸へ降りていく。
ややして――
再び激突。
うあ!
テリアモン・アイで、データ・スキャン。
デュークモン、究極型、聖騎士型デジモン。必殺技はロイヤル・セーバー――。
究極体……。デュークモン、と漏らすレナモン。留姫に身体を預けている。
シウチョンとロップモン、口あんぐり。
力での押し合い。拮抗する力だが――、デュークモンが押していく。
崖の向こう側で――
ヒロカズが、すげーと言っている。
ハッとなるケンタ。タカト? タカトは?と左右を見回す。
樹莉が背を向けている。
向こう側で一つの光が上昇――
それhが二つに分かれる。
子どもたちがいる崖に降り立つデュークモン。
向こう側にベルゼブモン。
聖騎士型デジモンだかなんだか知らないが――
槍と盾で――
こいつとやり合おうっていうのかい? 笑わせるぜ。
悪魔に魂を売り渡した者の弾は――
このデュークモンには
デュークモンは以降、しばしば「このデュークモン」という言い方をする。これは形状の参照モデルの主要ソースが中世の騎士であり、戦いの際には名乗るという騎士の流儀からだろう。日本の平安武士もそうであった。
当たらない!
ほざけ!
天空よりベヒーモスを召喚。
凄まじい着地の衝撃。
既にエンジンが掛かった状態だったベヒーモス、凄まじいリア・タイヤによる噴煙を巻き上げながらのスライド。
噴煙の中から飛び出す。
立ち向かうべく疾走するデュークモン。カッコいい、と見送るヒロカズだが、焦点が当たっていない。手前と奥の画面構成が今村演出の特徴1。ボケているのにちゃんと動きがつけられ表情も判る。
手離し運転でベレンヘーナを連射。
イージスで避け
向かっていく!
激突!
ぬあっ!
流石にベヒーモスという超重量級バイクに乗ったベルゼブモンとの激突はダメージを受ける。
それでも立ち上がって振り向くが――
すぐバイクを反転させ、突っ込む。
すげえ、とヒロカズが怯える。
ケンタ、タカトがいないと訴える。
断崖の下は――、滝壺。
ま、まさかあの滝の下に落っこっちゃったんじゃ――
その向こう、留姫の肩を借りたレナモンが立ち上がる。
自身で立とうとするも――
うなだれるレナモン。
どうしたの? と留姫。
留姫を守る筈の私が――と無念そうなレナモン。
たまにはいいじゃない、と少し笑顔になる留姫。
さ、遠慮しないで。
立ち尽くすデュークモンの周りを――
周回しながら銃撃。
被弾してしまうデュークモン。
おらおら! 俺の弾は当たらなかったんじゃなかったのかよ!
ん!?
速い!
ベヒーモスの車上から消えている――
後ろか!?
ダークネス・クロウ!
うああああああっ!!!
もんどりをうって尻餅をつく。
その背後にベルゼブモン。
ちっくしょう! ぼくたちも進化出来れば、あんな奴……。
怯えて後退るシウチョンを呼ぶジェン。
ノイズを表示し続けている樹莉のD-Ark。
これが――、運命なの……?
レオモン――。
顔を埋める樹莉。
!?
ベヒーモスでデュークモンを轢こうと迫る。
しかし轢いたのはマントのみ。
何!?
奴は、どこだ!?
天空より――
ロイヤル・セーバー!
!
させるかよう! と撃つも――
おああああ!
激突の刹那に車上から脱するベルゼブモン。
ベヒーモスに激突!
大破!