オープニング
オープニング曲「The Biggest Dreamer」については、本ブログでは既にこうしたエントリを書いている。本エントリでは、その楽曲(のTVサイズ)にどういう映像が作られたか、またどうマッチさせ、音響効果がついたかを記しておきたい。
オープニングを創るのは、シリーズディレクター/監督にとっては大いにやり甲斐のある仕事だろうとも思うが、我々スタッフはオープニングから受ける印象やディテイルなどから、様々に自分の仕事の指標を見出す。あまり好きな言葉ではないが、「世界観」を提示していると言える。勿論第一義には視聴者に対してだが、スタッフにとってもそうであった。
先に書いておくと、90年代後半以降の東映アニメーション作品と円谷プロダクション作品には、ある部分で共通する要素があって、あまり語られない事だが実は作品の印象を決定づける重要なセクションだ。
それは、選曲と効果(音響効果)。
「ファンファンファーマシィー」を含む「アニメ週刊DXみぃファぷー」は、「ウルトラマンティガ」と同じくスワラ・プロの水野さやかさんが選曲を務められていて、当時はそうした事情を知らず驚いていた。
テイマーズの選曲、西川耕祐さんがスワラに在籍されていたのかは、判らない。効果の奥田維城さんは後に独立されるが、スワラ・プロとしてテイマーズを担当された。選曲も音効も、画面と同等にその作品の印象を左右する重要な要素である事は間違いない。その場面が気持ち良く見られるか、怖いと感じるか、感動出来るか――も、この二部門の役割が極めて大きい。
という事を長々と書いたのには、やはりオープニングの冒頭の、怪獣(ギルモン)の咆哮の効果音が、東宝怪獣のガイラを起源とする、多くの特撮ファンにはゴモラの声と認識されているものが使われているからだ。
1960~80年代の円谷作品の音効がどうであったかは、私は詳しくない。スワラ・プロは「恐竜戦隊ボーンフリー」から参加している様なので、こちらも古い。グリッドマン以降は完全にスワラだと思う。「デジモンテイマーズ2018」の音効を担当してくださった古谷友二さんは、「ウルトラマンマックス」から私のシナリオと縁があった。
さて前書きが長くなったが、それではオープニングを静止画像で振り返る。

どう見てもギルモン。

だが、本篇では全て野沢さんが咆哮も全て演じられた。ここでは怪獣の咆哮が効果としてついている。

この叫んだ横シルエットが、テイマーズのシンボルマークに重なる。デジタルを表すドットの世界から飛び出してくるモンスターという、実に考えられたシンボル。

ここから和田光司さんの歌声がスタート。駆けているタカトのアップ。


タカトも叫んでいる。



タカトは一人で走っているのではなかった。


前に留姫、後ろにジェン。

更にもっと多くの子どもたちと一緒に――。

アカペラ・パートの伸ばし音となり、アナログ・シンセ・ベースのうねりと共に――

画面を過る、光のシルエットのギルモン、テリアモン、

レナモン――。

タカトたちの動きがスローモーションになりながら――、

顔を向ける。
ニコニコ動画で配信される時、いつもこのカットで「こっち見んな」というコメントが流れる。しかし実際は画面のこちらを見ているのではなく、過っていったデジモンを目で追っているのだ。
ここから、オケヒット(Orchestra Hit)とジェイ・グレインドン風多重ギターの'80年流に派手なイントロ。


7体分描かれたタカト。全て動いている。


ジェン。タカトより少し動きがおとなしい。


留姫、強さ、激しさと、孤独さ。
7カット分の原動画が描かれている。それが三連。このオープニングは本篇半パート分くらいありそうだ。


テイマーズで一貫して表現されたサークル。



タイトル・ロゴにD-Arkのサーチ画面が重なる。





イントロいっぱいまで、これでもかとクルモンが沢山描かれる。

歌頭と同時に、タカトの靴の裏がイン。



このカットが、21話「レオモン様」の冒頭の樹莉のカットとして角銅さんが反復され、貝澤さんも25話でデジタル・ワールドに足を踏み入れるという時に反復した。



あっ、と気づく。歌の「そう、ぼくは気づいたんだ」の直後にあるカット。

三井ビル、風の左のビルに――

新宿モノリス、風な右のビルに――

住友ビル、風の真ん中のビルに過るデジモンの影。

手前の壁にも大きな影。

ギルモン。
さてここから、インプモンを探せ大会。

テリアモン――と、これは難しいのだが、走る小型車のバック・ウィンドウ越しに恐らくいる。アウト・フォーカスだが、色で判別出来る。

レナモン。の前を過るシルエット。ここは判り易い。

鳩に囲まれているクルモン。



キャメラが引く時、辛うじて見える。

新宿中央公園とはっきり判る。さっきの鳩が飛んでいく。

アークを掲げる手。



メインの三人。

更にずっと多くのテイマーが。
シウチョンが描かれていて驚いた事は前に記した。ヒロカズ、樹莉は最初からテイマーと決めていた。




成長期のアクションから入り、成熟期、完全体、究極体のシルエットが重なっていく。



ネタバレ、というよりも、圧倒的な情報量で目を眩ませるという意図ではないか。




オケヒットの3.5拍分は、デジタルによるパワーか爆発の表現。

ギルモン~メガログラウモンまでの必殺技モンタージュ、の前景で、タカトとギルモンが背中合わせに座っているシルエット。




なんか手を上げている。



ギルモン、大あくび。


デュークモンのシルエットが1話から提示されていた。次のカットとの繋ぎの一瞬に

スリット越しのインプモンが見える。

最初判らなかったのだが、川田武範さんがよく演出された、ジェンの頭にテリアモンが乗ってる図はこれが由来か。



逆立ちをする。これは16話のキャンプ回にて披露された。


セントガルゴモンのシルエット――
それに続く繋ぎの黒味で――

今度は縦スリットの移動の途中でベルゼブモンが見える。

歩み寄っていく留姫とレナモン。


ハイタッチ。


立ち止まって――

互いに振り向く。

そして、それぞれの方向へ駆け出す。


サクヤモンのシルエット。


誤解を与えたサングラス。



タカトのゴーグルと同じ様に、留姫、ジェンを見せたかった。しかし、いつもこのサングラスがどこに仕舞われていたかは謎・謎・謎。



大いばりでインプモンが歩く。リピートだが、一番長く映っているデジモンがインプモン。

そして浮かび上がるベルゼブモン。デーヴァ進化ではなく、ブラスト・モードの姿。

赤黒く汚染されていく西新宿ビル群。デ・リーパーのデの字もない時期に作られている。デ・リーパーがなぜ赤黒いのか、はこれが理由。
結構ダークな展開があるよ、とオープニングから暗示されている。

しかし、重なってくるクルモンが――




無邪気に飛び回るので、基本的には楽しいシリーズですよ、と。


光の中から子どもたちが現れる、という41話の展開は、このカットがオリジン。



タカトは初期、D-Arkを首からぶら下げていた。

D-Arkの液晶が明滅している。

そして光の筋を発する。
D-Arkからこうしたパワーが生じる、という事を私は全く考えていなかった。玩具ではとても再現出来まいと、躊躇していたのだが、私は私で仮想スクリーンを表示させていたし、という事で開き直って、アークの光を効果的に使えるところでは、全編に渡って描いた。最後が樹莉の使用だった。
ちょっとギルモンのサイズが大きすぎるのだが……。
当然だが、オープニングに私は全く関与していないので、これが正解と主張する気はないのだが、こういう流れだと思う。最初に走っているタカトたちは、デジモンと出会う前の子どもたちだ。
そしてリアル・ワールドにデジモンがいると認識されていく。
アークを掲げる場面は二つあるが、中間の方は、デジモンテイマーになるという決意の表れと見える。
そして、活躍するパートナー・デジモンたち。その進化する先――。
パートナーとなって、三人三様なデジモンとの付き合い方をしているのがシルエット。
そして、デジモンと一緒に並んでアークを掲げるのがラストカット――。
24話「旅立ちの日」から、一部のカットが変更される。

中間の子どもたちだけがアークを掲げているカット。樹莉とヒロカズ、シウチョンに色がついて、タカトの後方がケンタに変更されている。

シルエットだった究極体に色がつく。









究極体の新作カットは若干(数フレーム)増えていると思うのだが、どこかが削られて辻褄が合っている。

ベルゼブモン(ブラスト・モード)に色がついて、荒牧さんがクレジットに加わる。

レオモン、ガードロモン、マリンエンジェモンが描かれる。ロップモンに決まるのはやはり少し後だったか。

34話から、中村さんがクレジットに加わる。
本ブログを書く為に、Anilogが隔日で配信するYouTube動画で全話を見直したのだが、一度もオープニングを飛ばさなかった。私としては珍しい。というか飛ばせない。テイマーズを見直すという事は、和田光司さんの声を最初に聞かないといけないと、私の中で法制化されている。
にしても、キャプチャ画像が汚くて申し訳ない。YouTube配信用にWEBMに圧縮された映像は、あまりに激しい動きと色の要素で破綻しまくっている。もっとビットレートを上げて欲しかった。あ、Blu-rayボックスなら美しくHDにスケールアップされた映像を愉しめるので、そちらを是非お求めください。ダイレクトマーケティング