第51話回顧 2
ラスト・バトルとなれば、セントガルゴモンの中国拳法を見せない訳にはいかない。セントガルゴモン初登場37話も梅澤演出・出口作監回だった。
無力状態となったサクヤモンに、リーパーの鎌が襲いかかる!
動けないサクヤモン――。
まかせてー。
テリアモンは何度か「まかせてー」という台詞を言ってきた。その脱力ヴォイスには絶対の安心感が伴う。
はああああああっ!!
ジェンの気合い!
強烈なる蹴りで鎌を消滅させる。
だあああっ!
後ろ回し蹴りで粉砕!
はあああああああああっ!!
セントガルゴモンもここは気合いを入れる。
はあああああっ!
破ッ!!!
ジャスティモン!(今だ!)
跳躍!
天頂から振りかぶって――
だあああああああっっ!!
前話から、もうリョウは「爽やかさ」などかなぐり捨てている。金丸さんの気迫が伝わる。
サクヤモンのパワーを受けたブレードを――
下部まで斬り裂いていく――。
はあっ! と気を吐くジャスティモン。
ケーブルの塊であるリーパー、「The Thing」の様に――
割れていく。
やったあ! と喜ぶセントガルゴモン。
メタン状流動体デ・リーパーがカーネル内に流れ込んでいる。
この10年程の間に、漆黒のゲル「Black Goo」なるものが都市伝説界の一部で存在が語られている。「X-Files」のエピソードの一つで紹介され、その後「プロメテウス」などの映像作品、Music Videoなどで映像となっているが、これが実は宇宙由来で云々、というもの。これ自体が意識を持っているという説もある。デ・リーパーはそれに近い。
こ、こんな事になるなんて――。
私の、せい……?
恐怖におののく樹莉――
その瞳の中――
樹莉の恐怖を糧に、デ・リーパーは攻撃的になってきた。そして、今も――。
加藤さあああああああんん!!
ああッ!?
マザーの胸元から姿を現す――
ADR-01。だがもうその顔は樹莉のものとは掛け離れ、サイズも大きい。特別に名前をつけてはいないが、ADR-01 C Typeという事になる。
口の開き方は、マザーの下部で現れた巨大偽樹莉頭と近い。
同じく黒い物質を吐きかける。
うっ!
クリムゾン・モードは盾(イージス)を持たない。
なんと、インビンシブル・ソードとブルクガングが失われてしまう!
お前は!?
顔を掴まれてしまう。
樹莉の声で――
如何に足掻こうと全ては無駄。
復活していくリーパー。
咆哮するリーパー。
くそう! 何てしぶとい!
人間もデジモンも、予めいてはならない存在なのだ。
それを決めるのは――、お前ではない!
にっ、人間だって動物だって、植物だって――、それにデジモンだって――、みんな命を持って生まれたら、それを守るんだ!
だって!それが大切なものだから!
ADRの腕を掴むデュークモン。タカトの気迫が後押しをしている。
ジャスティモン、サクヤモン、セントガルゴモンを食らおうと迫るリーパーの巨大なる口蓋――! しかし! 突如その動きが止まる。
突如、急激な力で地底へ引きずり込まれていくリーパー。
あっ!
四聖獣たちだ!
シナリオではスーツェーモンとチンロンモンと書いていたが、いずれ大きくは動かせないのだから、こうしてバイフーモン、シェンウーモンも描いてくれて良かった。ほんのちょっとの登場ではあるが、四聖獣には最終回で描いておきたかった。
デジタル・ワールドとリアル・ワールドを繋ぐ孔を、こうして四聖獣の助けによって排除する事が出来た。
それをモニタしている筑波のオペレーション室。
恵が報告。
トランスフォティック・エディ内、巨大異分子、消滅!
よし! シャッガイを再起動させろ!
了解! シャッガイ・カーネル、ブート! 麗花が操作。
プログラムが起動する。
デイジーが訊く。
タオ、本当にいいのね?
目蓋を固く閉じるジャンユー。
ドルフィン、SHIBUMI、と促す。
SHIBUMI、全く気負わない口調で――
みんな、覚悟してくれよ。
エンター・キーを押す。
ん、謎のキー配列。
突如オペレーション室内が暗くなって――、
仮想空間と重なる。 3Dモデルの渦巻きが回転している。
廊下から覗いていたシウチョン――
うわ~
すごいね、ロップモン――
あれ? 見回すが、姿がない。
いたたまれず、ロップモンも仲間のところへ向かっていた。