第50話回顧 2
デ・リーパー・ゾーン突入。まだ「SLASH!!」ヴォーカル入りが続いている。
ジェンの気合いの入った叫び。
突入だ! 行くぞ!!
最後の戦いだよ、サクヤモン!
行くぞジャスティモン!
いよいよデ・リーパー・ゾーンの表面が近づく。
凄まじい突入。
ああああっ!!
凄まじい抵抗を受けながら進む。SHIBUMIの書いたアルゴリズムは、超導体化してデ・リーパーの侵食を妨げる様な効果を狙ったと思う。
この場面を見て、「機動戦士ガンダム」の大気圏突入場面を連想しない訳にはいかない。世代的にも。ここでは大気が抵抗しているのではないのだが。
観察しているワイルド・バンチ。
デジモン4体、デ・リーパー・ゾーンに突入しました……。
心なしか不安そうな麗花。あのデジモンたちには、子どもも一体となっているのを知っているからだろう。
無言で山木を見る。
山木、無言で頷く。
――私は覚悟している……。どう思われようとも……。
このジャンユーの言葉は、最終回で判る。
御自分を責めないでください。今は、彼らに託すしかありません……。
顔を上げて強い表情になり――、
ドルフィン! オペレーション・ドゥードルバグ、蟻地獄作戦の準備を急ごう!
散開するワイルド・バンチ。
バベル、衛星回線を確保しておいてくれ。
ウォーキー・ドーキー(了解)。二人のリアルな仕種。
小さな声で、しかし強く言う山木。
奇跡を起こすんだ、我々で――。
全てが消去された、かつて東京という都市であったところ。そこに飛来する四体。
ここで「SLASH!!」が終わる。
ひどい……。こんな――。
加藤さんがいるところは!?
あそこだ!
佇立する――
マザー・デ・リーパー。
腕を変形させてロイヤル・セイバーにする。
ADR-04 Bubblesの群れ。
お迎えが来た様ね。
ジャスティモンが前にせせり出て――
邪魔だ!邪魔だ!
邪魔だ!邪魔だーーーーッ!
撃ちまくるジャスティモン。
撃破されていくBubbles。
ん!? と見上げる。
巨大なるADR-08 Optimizer。
こんにゃろ~~~~~~っ!!!
腹部からまた無数のBubblesが。
くっそぉ! キリがない!
Optimizer、いきなり口を開く。
青い粘性のある光を吐く。
セントガルゴモンとサクヤモン、回避。
グラニも地上すれすれまで降りて回避。
青い粘性の光は地上で爆発。
さすがだグラニ! このまま! ――とジャスティモン。しかし――
突如眼前に現れたADR-07 Creep Hands、その腕で――
グラニを叩き落としてしまう! 放り出されるデュークモン。
もんどりをうって回転しながら向こうへ飛ばされるグラニ。
デュークモン!! ジャスティモン!!
衛星観測のゾーン表面。
戦ってるんだ……。
あの子たちが……。恵も辛い。
頑張って、お願い――と麗花。
李さん! こっちのデバッグは終了です!
そちらはどうですか!?
デイジー! 君の方はどうだね?
まだあと少し!
こっちは間もなく計算終了! とカーリー。
トランスフォティック・エディの形成まで保つだろうか? SHIBUMI。
こいつは間違いだ……。これはどうだ……? SHIBUMIは依然マイペース。
ここで驚きの「金剛界曼荼羅」の新作画。
バンク使用だとばかり思っていたが、角銅さんは新表現を導入された。もう「鎮める」というニュアンスではなく、敵を消去しなければならないのだから、表現が変わっても然るべきだった。サクヤモンの唄は引き続き流れる。
Optimizer、光に包まれる。
樹莉を捕縛する力が弱まる。デ・リーパーは、エージェントもカーネルも単一意識体。究極体の乱入とその処理にリソースが振り向けられ、樹莉が自由になったのだ。
クルモン!
抱き上げ――
クルモン、大丈夫!?
くっ、く……。 目を開けられないクルモン。
しっかりして! お願いクルモン! 嫌だ! もう誰かがいなくなるなんて、もう絶対に嫌だ!
はっ!
ポーチから落ちたD-Arkを拾い上げる。
――こんな事が運命なの……?
加藤さん! がんばってて!
Optimizer、殲滅。
地を疾走するデュークモンとジャスティモン。短距離ならば高く飛翔出来るが、飛行能力は二体ともない。地を走るしかないのだ今は。
上空を先行するセントガルゴモンとサクヤモン。
グラニ――、
後で必ず助けにいく!
待っていてくれ!
地に突き刺さったまま動けないグラニ――、目を弱く光らせる。
シリーズ構成とて、シリーズの全ての要素を完全掌握、統率などしていた訳ではない。樹莉がデジタル・ワールドに、ソックパペットを持って行っていたのは、私は意外だった。あれは幼い義弟の昌彦を楽しませる為に作ったものであり、置いていくだろうと私は思っていたのだけれど、デジタル・ワールド編に入って、持っているという描写があって、内心「あちゃー」と思った。ならば、それをどう発展させるかを考える。
樹莉の精神状態が危うい中、普通なら言い難い事、その場で言うべきでない事を言わせるという小道具として有効に使われ、デ・リーパーが誘い出す手段にも使わせた。
レオモンを失ったテイマー、樹莉のD-Arkは、本来的には失われる筈だ。タカトが一回、自分のD-Arkを落として破壊してしまったのだし。とは言えそれは、デュークモンの進化時に、D-Arkを新しいデザインのものにしたいというスポンサー要求からだったのだが。
結果として、精神が不安定な樹莉が、砂嵐しか表示しないD-Arkを見つめる――という場面を幾度も描写して、デ・リーパーがそれを通じて樹莉という存在を検知し、人間の個体標本として狙いをつけた契機にした。
そして今話、樹莉がそれを持ち続けた意味をしっかりこの後に描く。