第40話回顧 2
ケンタにパートナーを早く、とは思っていたものの、物語の展開でなかなかその機会が無かった。だから最初から究極体というデジモンに出会う場面が今話描かれる。
でも……、デジノームはどうなったんだ? とタカト。
クルモンの光を、自分たち自身を使ってデジモンたちに伝えたんだ。とジェン。
クルモンの願いを叶えたんだね、とテリアモン。
決してあれでデジノームが絶えてしまった訳では無いだろうが、暫くは登場しない。
随分と遅れて来たらしき――
なんだこれ?
うわーっ!
ええっ? このデジモンも究極体??
留姫が読む。
マリンエンジェモン、究極体、妖精型デジモン、必殺技(?)はオーシャンラブ。
ぴぷ~。
懐かれるケンタ。
なんだよ、お前も戦いに来たんだろ? とケンタはつれない。
みんなのところに行かなくていいの?
マリンエンジェモンは言葉を喋らず、ぱぴぷぺぽで感情を表す。岩村愛さんが演じる。
変なデジモン。
ほらほら、お前はあっちだろ。と放る(ひどい)。
後ろ髪を引かれている。
一応、スーツェーモンの方へと飛んで行くが――
いきなりソックパペットがキャメラの前にフレームイン。これは当然シナリオにはなく川田さんの演出による。
無機的な言い方で
悲しみ、割り切れない考え――
不要、不要なもの――、消し去るべきもの。(樹莉の口が動いていない)
えっ?
急にソックパペットが野獣の本能を芽生えさせたかの様に、唇を食い縛り呻き始める。
皆がいるところから離れていく樹莉。
う~~~う~~~と唸りだしている。
苛立ち待っている山木。
インカムでジャンユーが伝える。
アークが完成した!
喜ぶヒュプノスの技術員たち。
あ!
PDAに信号が届いた。
山木さんからだ。
何だって!?
アークが完成した。これに乗って帰って来い!!・・・山木
俺たち帰れるの!?と喜ぶケンタ。
でもアークってなあに?と留姫。
箱舟だよ。前に水野さんに乗せてもらった事がある。
はこぶね? と訊くギルモン。
船だよ。ぼくもう乗ったもーん、と自慢するテリアモン。
珍しくはしゃぐロップモン――
ではなく、シウチョン。でもロップモンも喜んでいる。シウチョンがシウチョンらしく見えるのも久しぶりだ。
私たちおうちに帰れるんだー。
ああ、みんなで帰ろう。とジェン。
帰ろう、とタカト。
そこにヒロカズの声。
おい、加藤どこ行った?
加藤がいないんだよ!
加藤さんがいない!?
加藤さんが……
途方に暮れるタカト
ここからB-Part。
避難勧告が出ている西新宿――
なんですって!?
タカトが帰ってくる!
嬉しい知らせを聞く剛弘と美枝。
だが――
加藤さーーーーん!
加藤さあああああああ
ああああん!!
エコーが響く。
自分を責めるタカト。
ぼくが加藤さんを見てなくちゃいけなかったのに……。
と、ガードロモンが発見する。
いたいた! 見つけた!
物陰から出てくる樹莉――
加藤!
加藤さん、どこ行ってたのさ!
無言。まだ「会話」というものが出来ない。
ソックパペットが、フフっと笑う。
ト・イ・レ
ああ……。
黙っている理由を勝手に察する男子……。
こんな笑う顔は樹莉は見せた事がない。
もう明らかだが、ここで現れたのは本物の樹莉ではない。デ・リーパーが樹莉をどの段階から注目していたのかは明示していないが、砂嵐を表示するだけのD-Arkを見つめている時から、樹莉という「人間」=リアル・ワールドの存在をデ・リーパーは知ったのだろう。このデジタル・ワールド以外の世界については情報を持たず、斥候としてエージェント(擬体)を送ったのだ。タカトたちが当初疑わない程なのだから、再現性は高い。それだけ樹莉は研究されてきた。
アニメーション・キャラクターとして樹莉タイプ(後にファンがジュリーパーと呼ぶ)のデザインは、瞳にハイライトが無いのと、何より色が少し違う。微妙な差異。あまりに違い過ぎたら、タカトたち、そして視聴者の子どもには信じさせられなかった。
子どもたちの御家族には連絡しておきました。
まつだベーカリーに電話をしたのは、前にパンを買いに行っている麗花だった。
ああ、ありがとう、とジャンユー。
あの、お聞きしてもいいですか?
アーク、って一体何なんですか?
原形は我々が昔研究していた、人間とネットを繋ぐインターフェイスだよ。
そいつが今、子ども達を救う箱舟として復活する。
これは自分でもちょっと難解かなぁとも思っていたが、致し方ない。前川さんにそのまま書いて貰った。
なので、山木のメッセージは視聴者に判り易くする為に音声入力。
まず、光の軌道が伸びる筈だ。
その到達点に行け。アークは光の軌道を通って現れる。
メッセージを受信するタカト。
今からカウンター・プログラムを送る……。
プログラムがダウンロードされた。
恐る恐るクリック。
このカウンターがゼロになるまでに、光の軌道を見つけだせって事? 留姫が訊く。
あと40分しかない!と焦るタカト。
アークを飛ばす為の軌道計算には、3週間かかった……。
このタイミングを逃すと次はいつになるか判らない。
絶対に乗り遅れるんじゃないぞーっ!
増大しつつあるデ・リーパーの泡。
ずっと不穏な音楽が流れている。
ねえジェン、ぼくたちも戦わなくていいの? とテリアモン。
だけど、このチャンスを逃したら――
次は何時になるか判らないんだ。
テイマーたちよ――
チンロンモンが声を掛ける。四聖獣に「テイマー」と読んで貰えるとは何と幸運なのか。
デジタル・ワールドは我々デジモンが護る。お前たちはお前たちの世界に帰るが良い。
スーツェーモンも声を掛けに来る。
人間と共に進化するデジモンたちよ。
我はまだ、お前たちの在り方を受け容れた訳ではない!
だがそれが、お前たちの選んだ道なら、我はもう何も問わぬ。
さあ! 人間と共に行くが良い!
神よ、寛大なるお計らい、感謝に堪えませぬ、と手をつくロップモン――
の前にしゃしゃり出るテリアモン。
さんきゅ~かみさま~
タカト、ひとまず最初にぼくたちが来たところ(物理レイヤー)まで戻ろう。
そこで光の軌道を探すんだ。
強く頷くタカト。
クルモンよ、と呼び掛けるチンロンモン。
くりゅりゅ!
これからはデジモンとして生きていくが良い。
クルモンは、デジモンでーす!
戻るクルモン。
さらばだテイマーたちよ!
雲の船――
一同を包んで――
飛び上がる。
タカトが別れを告げる。
さよなら、四聖獣たち!
さよならー、と声を揃えるギルモンとテリアモン。
く、りゅ。
その時、デ・リーパーがまた勢いを激しくさせて噴出。
子どもたちが乗る船をかすめて――
千切れる。
真っ直ぐに上昇していくデ・リーパーの断片。
うわあああああ!
苦しんでいるインプモン。
ああ?
何か赤いものがリアル・ワールド球に向かっていく。
高く上昇していく赤い泡だが――
不可視のレイヤーに阻まれて四散、ポリゴン分解。
その衝撃が地震となって西新宿を襲っている。(加工画像)
ヒュプノスも当然揺さぶられる。(加工画像)
プログレス・バーが縮んでいく。
一体何が起きた? ウイルスか?
ヒュプノスのメモリ領域が何者かに全て喰われている!
これじゃアークを飛ばせられない!
子どもたちを助ける事が出来ない!
これ(このコンピュータ攻撃)も奴らの仕業なのか……?
最初にやってきた場所に戻ったよ、とテリアモン。
光の軌道なんてどこにも見えない……。
もう30分も切った……。
ちょうど夜になる頃だ……。
どうしたの? レナモン。さっきからずっと、何考えてるの?
……。
風が吹いて――
あ、それ、と留姫が息を漏らす。
留姫、私と一緒に来てくれないか。
レナモンが留姫に願い事をするのは初めてではないか。
ええ?と戸惑う留姫だが――
駆け寄ってくるタカトとジェンに、レナモンは言う。
私と留姫は、ちょっと出かけてくる。
ちょっ、ちょっと待って!
これから帰る時に、どこ行くっていうのさー。
出発の時間には必ず戻る。
必ず戻るって言ったって……。不安がるタカト。
留姫! 夜になるまでに帰って来いよ!
あったりまえじゃない!とサムズアップ。
了解した、とレナモンは言って――
留姫を抱いて猛然とダッシュ!
もう強固な絆で結ばれている。レナモンの意図はまだ判らなくとも、留姫はレナモンにとって重要な事だとは判っている。
あー、行っちゃったよ、とケンタ。
いるんだよねぇ、必ず一人は団体行動とれない奴がさー、とヒロカズ。
はい!と挙手する2021年の小中。
お父さん……。
まだジェンは、ヒュプノスに障害が出ている事を知らない。