第18話回顧 2
後半はヴァジラモンとの対決を真正面から描かれる川田演出の醍醐味と、タオモンの進化バンク初披露というイヴェントが多く、画像の枚数が多くなってしまう。
クルモンが危ない!
ギルモン進化する! 自分からタカトに促す。
カード・スラッシュ!
グラウモン!
レナモンに声を掛ける事を躊躇う留姫。
留姫……。
プラズマ・ブレイドを――
かわされてしまい、角で突き上げられる。
テリアモン!行ける!? 多分ね。って心許ない返事をしながら、ちびちびが出陣。
超進化プラグインS!
ガルゴモン、向かっていくが――
ガトリング・アームの銃弾は効かない。
鬱陶しい奴らが!
まとめて片付けるかぁぁ!と宝剣を抜く。
させるかと狐葉楔。
剣で防ぐヴァジラモン。
剣に映る、レナモンが身を回転させながら着地する様。
レナモン!とヴァジラモンに呼び掛けられるが――、レナモンはきっぱりと言う。
私はパートナーと共に進化するデジモンだ。
レナモン!(行くよ!)
留姫のカードを背中で待つレナモン。まるでダブルスの試合をしている選手の様に、完全に信頼し合えるからこその姿勢。
超進化プラグインS!
キュウビモンへ進化。
キュウビモン、美しき者よ。逆らってはいけない。
剣を収めるヴァジラモン。キュウビモンの姿は一層魅力的なのだ。
しかしキュウビモンに鬼火玉を放たれる。
肉弾で向かってきたキュウビモンを投げながら、ヴァジラモンは尚も説得を試みる。
私と戦ってはいけない!
留姫、パワーチャージャーのカードをスラッシュして支援。
弧炎龍が――
宝剣のローダに――
裂かれる。
お前は私と共に生き、私と共に進化するのだ!
あれ、《私》になってるな……。アフレコ立ち合ってたのにチェック・ミスだわ……。(20年後の後悔)
今井由香さんの咆哮。今話は何カットもある。
タカト、グラウモンに高速プラグインHで支援。
しかしエキゾースト・フレイムも宝剣で斬り裂かれる。
強化プラグインO、っていうのは初出。ガルゴモン、ダムダム・アッパーを仕掛けるのだが――
力では全く相手にならず、二体が潰される。
強すぎる。ガルゴモン、進化出来る?
無理かも――。タカト、グラウモンに立つんだ!と叫び、高速プラグインB!
う~~~~~ん……
ダメだゴメン、タカト……とダウン。
三人ともしょぼーんとしていたが――
キュウビモンが渾身の頭突き。尚もヴァジラモンは戦いたくないと言うのだが――
キュウビモンの決意は揺るがない。判らないなら仕方ない――
判らせてやるしかない!と宝剣を振るう。
宝剣から放たれるエネルギー攻撃、ローダが、キュウビモンを狙って――
危ない! キュウビモンのピンチを救うべく、腰のカードホルダーに手を伸ばすと――
ブルーカードがその手に。
進化出来る! クルモンもやる気満々で額のマークに光を溜める。
ブルーカードを――
今気づいたが(20年の時を経て)、カードの内側のサークルが回転している。
スラッシュ!
キュウビモン→タオモンの進化バンクは大塚健さんの原画。
クルモンのクリスタルが回転する向こうからギャロップしてくるキュウビモン。
赤いクリスタルが――
キュウビモンの額の陰陽印に――
同化! 凄まじいパワーがキュウビモンを貫く。
跳躍し――
弧炎龍の形へ――
眩く光になって――
変化の過程は抽象化され、エフェクト・アニメーションによる。
輝きの中に――
浮かぶ面――
目蓋を開く――
月と太陽が並んでいる前で回転する――
徐々に回転速度が緩むにつれて月と太陽が接近していく。
袖の所作が美しい。
立ち上がると共に、金環蝕が――
全周となり――
タオモン! と名乗り。
顔を上げ――
タオモン、完全体、データ種 必殺技は梵筆閃。
クルモンは力を出し切ったらしく、へたりこむ。
憤るヴァジラモン。
人間に近い姿に進化したのが、デジモンとしては外道であるとヴァジラモンは思っている。
タオモンの姿はヒュプノスでも認識されている。
お前は間違った進化をしている。
間違いだと判断するのは誰だ。
お前たちの《神》ではない。そう告げてタオモン、飛翔。
狐封札(こふうさつ)を放つ。
完全体であるタオモンの技は、ヴァジラモンにダメージを与える。
何故判らないのだ! 何故人間に近い姿に進化するのだ!
続けざまに斬りかかるヴァジラモン。しかしタオモンは袖で払う。
我らが神の意志に反して――
優雅に跳躍。
お前からは、私が欲していた情報を得られた。礼を言う。とタオモン。
我らが神の意志に反する者は許さない。例えお前であっても! ローダを放つ!
地を割るパワーがタオモンに迫る。
タオモンの見事な動きに留姫は魅入られる。
後方へ平行移動でローダを避けていく。
ローダが激突した遥か上方へタオモンは移動していた。
ヴァジラモン、最後の手段として宝剣を投げる。
すっ、と姿を消すタオモン。
既にヴァジラモンのすぐ上方に来ている。
袖の下から伸びる巨大な筆。
梵・筆・閃(ぼんひつせん)!
ヴァジラモンを貫く。
これで決まった。
量子崩壊していくデーヴァの4体目。
無言で見届けるタオモン。
やったでクル!
冷徹なプロの声で麗花、ワイルド・ワンの消滅を報告。
山木は苛立っている。あいつらにしか、ワイルド・ワンは消去出来ないというのか……?
帰宅していく西口組。
彼らを見送っていた留姫も帰宅へ。
進化って、デジモンとパートナーの――
闘い方で決まるの?と留姫はレナモンに問う。
ほんとのところはよく判らない。でもそんな気がした、とレナモンは腕を組む。
うん、でもなんか判る。私もそんな気がする。
レナモン、すごく強くなったね。でも――
月の光に照らされてるレナモンも、すごく綺麗。
意外な言葉に思わずレナモン、腕を降ろす。
優しい目で留姫を見送っているのだろう――。
この終幕、「3 Primary Colors」のエンディング・パートが流れる。とても入る余地はなかったが、同曲の留姫パートも聴きたかったと、思った。
最後の留姫の言葉は唐突な気がするかも知れないが、前半と見事に呼応している。
留姫にとっての「美しさ」は、派手な洋服を着て作り笑顔するものではないのだ。留姫には留姫の美学がある。そしてレナモンはその象徴になっていた。
まだ思春期にも至ってない小学生の、反抗期という程単純ではない留姫の中で起こっている相克。お祖母ちゃんとはすぐに仲直り出来ても、ルミ子とはなかなか解り合えない。まだその時ではないのかもしれない。安寧に解決出来る程、単純ではないのだ。
こうした心の機微を捉えたシナリオは元希さんならではだった(女性ならではとか今は言ってはいけないらしい。おかしな話だが)。
#18 Credits
ヴァジラモン:石塚運昇
レナモン/牧野ルミ子/秦聖子:今井由香
タカトの父:金光宣明
タカトの母: 松谷彼哉
菅井マネージャー:小栗雄介
カメラマン:小嶋一成
山木室長:千葉進歩
鳳 麗花:永野 愛
小野寺恵:宮下冨三子
原画:直井正博 羽坂英則 福井智子 大塚 健
動画:柳田幸平 梅谷孝行
背景:松本健治 鈴木慶太 佐々木友子
デジタル彩色:佐藤道代 戸塚友子 松森より子 坂入希代美
デジタル合成:三晃プロダクション 広川二三男 則友邦仁 松平高吉 石川晴彦
演出助手:まつもとただお
製作進行:山下紀彦