第17話回顧 2
B-Partは一転、デーヴァ二体との戦いが繰り広げられる。
ヒュプノスが二つのリアライズしようとしているワイルド・ワンを検知。
ユゴスを撃つが、消滅させられてしまう。
またシャッガイ・ホールを使ってのリアライズだと報告を受けて山木は悪態。
あ、やっと改造Palmの全容が判った。完全なフリップではなく、キーボード部のみがフォルダブルという構造なのか。後のBlackberryに近い。
ところで私は、スマートフォンの文字入力はQWERTY。フリック入力は全く出来ない。というか覚えようとすらしなかった。Palmのグラフィティはすぐに習得したのに。当然ながらスマートフォンでのQWERTY入力はキーが小さすぎて入力ミスは減らない。勢い入力しようという場面も減る。かと言ってBluetoothのミニ・キーボードを持ち歩いた事もあるのだが、そうまでしてという気もしてやめた。
タカトらはついに秋葉原に至る。
深い溜息をつくジェンリャ。怪我をした父から逃げ出した事は強い後悔となる。テリアモンのモーマンタイも、全く慰めにならない。
ぼくたちだって、こういう日が来る(親に知られる)かもしれない。
ああ懐かしい。キーボード専門店とか、アキバならではの店がかつては色々とあったのになぁ。
今回に限らずだけれど、シナリオでロケ場所を特定して書くと、演出の方もロケハンをしてコンテを描く事になるし(本ブログでは記述していなかったが、今は違うケースも多いらしいのだけど、伝統的に東映アニメーション作品は、演出とクレジットされる人がコンテを描き、演出作業を行い、音響監督も務める)、更に美術担当の方も背景画を描くべく足を運んだのだろう。
貝澤さんが、神楽坂近辺のロケハンをしようと助手の人を伴って出撃するも、雪一面で取材にならなかった、という思い出を2018年に聞かせて貰った。リアル場所設定主義というのは、現場的には負担をかけるものなのだった。
家電量販店も殆どなくなった。そこにクルモンもやってくるが――
《声》が多すぎて疲れてしまう。この声というのが、店頭などのテレビの音声なのか、それともネットワークのトラフィックの事なのか――。
路上でのカード・トレーディングはやめよう。
ブルーカードを紛れ込ませたという人物が現れる事を期待したいが、そう都合良くは――
突如電波障害が。
ジェン! 上!
虚空に出現するシャッガイ・ホール――、最近の言い方ならポータルだ。
同時に二体――。
未(ひつじ)のデーヴァ、パジラモンと――
JR高架上に降りた丑(うし)のデーヴァ、ヴァジラモン。
男性的なヴァジラモン(石塚運昇さん・演)。
女性的なパジラモン(勝生真沙子さん・演)――。とは言うものの公式設定ではデジモンにジェンターはないという。
中央通りを蹂躙。
D-Arkは早くもサーチ。
どちらも完全体。
逃げ惑う人々。
ここから――
ホールから噴出するデジタル・フィールド。
辺りが靄に包まれる。
データ・ディスクが吸い上げられる。
パソコンなどの機器を食らうヴァジラモン。
めええええええ、と巨大な声で啼くパジラモン。
この声は人を昏睡状態にする。
意識を失う。
タカトたちは何とか耳を塞いで防御。
CDデータが――
飲み込まれていく。
リアライズしたばかりで、身体を安定させる為にデジタルなものを食べているのか。
テリアモン、レナモン、臨戦態勢へ。
どっちに行く?とジェンリャ。留姫はヴァジラモンを選ぶ。
サイド・バイ・サイドのカード・スラッシュ。ジェンリャ&留姫ヴァージョン。
ジェンリャはトール・ハンマー、留姫は強化プラグインWを選択。
わーい、と巨大ハンマーを持って走るテリアモン。
急襲するレナモン。
パジラモンの脳天にハンマーを撃つ!
ヴァジラモンにキック!
しかし二体には全く通用しない。
テリアモン、強烈に角で痛打され――
踏み潰される。なるほど、お前たちだね、人間とパートナーを組んでいるデジモンというのは。 テリアモンだーと必死に叫ぶ。
お前は? レナモン――。ヴァジラモンはすぐに手を出さず、ほう、と見入る。
こいつらどうしてくれようねとパジラモン。
ロードし、我々がより高みに進化する糧にせよというご命令、忘れたのか?とヴァジラモンに言われ、腹立たしげに確認しただけだと答えて――
パジラモンに放り投げられるテリアモン。
宝弓(パオゴン)を打ち込まれる。
テリアモーーーーン!!
くるー!
進化シークェンスに入る。
ガルゴモンへ――
降下しながらガトリング・アームを撃ち込む。
パジラモン、当初は怯んでいる。
着地!
宝剣を抜くヴァジラモン。レナモンは狐葉楔を放つ。
何を戯れておる!
ヴァジラモンは反撃せず、宝剣で狐葉楔をかわすのみ。レナモンの進化を見たがっている。
遊ばれてる!と留姫。 タカトはジェンリャにカードを渡す。
高速プラグインH
驀進しながら撃つガルゴモン。しかし――
凄まじいパジラモンの地面踏みつけに――
転倒。
向こうではレナモンが飛翔し――
ヴァジラモンの宝剣上に立つ。
パジラモンは横たわったガルゴモンのオーバーオール・デニムに矢を放って、地面に固定してしまう。
必死に防御しようとジェンリャはスラッシュするが――
石化するガルゴモン。ウルトラ的にこれは敗北フラグ。
石化したガルゴモンが蹄で打ち付けられ、破壊されそうだ。もう二人とも冷静さを失い、カードを選べない。
無効化プラグインで生身に戻ったガルゴモンに、とどめが差されようとしている。
タカトにブルーカードをスラッシュする事を提案されるが、逡巡するも――
スラッシュ! マトリックス・エヴォリューション!
するとD-Arkが虚空に光の柱を立てる。
これで終わりだ――
ガルゴモーーーーン!!
クルモンから凄まじいパワーが――
タカト、それを目撃。
虚空から降りてくる光の柱が――
ガルゴモンの
今回から、合成音声ではなく加工した人声に変更される。理由は不明。英語としては「メイトリックス」に近いからか。
ガルゴモン進化バンク。
ガルゴモンの進化バンクは、花火や鼓笛隊の打楽器などの効果音がふんだんに使用されて賑やか。
グラウモンはモーフィング的な形状変化だったが――
一旦量子化レベルに分解して、身体パーツをゼロから組み立てていく。
やわらか金属感。
耳でテリアモンの片鱗が。
テリアモンよりもデジモンらしい目。
ラピッドモン!
まさに電光石火の素早さで翻弄。
痛烈な回し蹴り。
ラピッドモン、サイボーグ型完全体、ワクチン種――
どうなってるの!?
なんかすごく早く動けるのー、と声はテリアモンのまま。
続けざまに撃ち込むラピッド・ファイアー。素早く左右から強烈なロケット・ミサイルを撃つこの動作は以降の話数でもバンク使用される。
これにはパジラモンもたまらない。
こうなったら――
人間のパートナーを盾にして――と子どもたちに向かうが、それを許すラピッドモンではない。
ゴールデン・トライアングル!
ラピッドモンのカラーに合わせてか、ゴールデンというよりはエメラルド・グリーン。
集約しないままパワーが押し寄せる。
パジラモンは一瞬にして量子崩壊。
ヴァジラモンも――やられたかに見えているのだが――
やった!
消去されたのは一体だけです。
秋葉原は電波障害の為として情報が隠蔽されたらしい。
ジェンリャの部屋に入ってくる父。テリアモンはもう人形のふりをしていない。
助けてくれてありがとう、とジャンユーに言われると、ほめられちゃったよとテリアモン。ジェンリャはずっと黙っててごめんなさい。
でも隠し続けるの辛かったんだ。すると父、判るよと。
ジャンユーも、これまで黙っていた事を話し始める。
20年くらい前、ジャンユーは仲間とデジモンを作っていた。
誰でも参加出来る、自由なプロジェクト(=オープン・ソース)。
帰宅していく留姫――
それを追う影。
Artificial Life AL(人工知性)の研究は他にも多くあったが、ジャンユーが参加したプロジェクトでは自己複製といったものではなく、弱肉強食の野性を取り込んだ。
しかし支援者がなくなり、プロジェクトは断絶。
しかしジェンリャたちが遊んでいる(ゲームの)デジモンというのは、その時に作られたデータから進化しているのだという。
ゲームとして世界中の子どもたちがデジモンと遊んでいる。それはジャンユーにとっても嬉しい事だった。
ははは、と笑うテリアモン。だが――
どうしてSHIBUMIが書いたコードが――
あのカードに……。一体、誰が……?
ブルーカードの事?
生きてた――
ヴァジラモンは留姫に目もくれず、レナモンを指差す。
レナモン、目を細める。
レナモン、黙ってヴァジラモンの前に歩み出るのを見て驚く留姫。
用があるそうだ。
デジモンにしか判らない事もある。心配しないで。必ず帰ってくる――。確かめたい答えが得られたら――。
そう言ってレナモンは強い声で、案内して貰おうかとヴァジラモンに告げる。
ヴァジラモンに続いて何処かへ去って行く。
デジモンにしか判らない事って……。
そういうものは確かにあるだろう。既にデジモンは独自の知性として進化している。価値観も異なる存在なのだ。たまたまパートナーとなったデジモンたちが、子どもと共感しあえる関係を築けたのだとしても――。
#17 Credits
少年:中山りえ子
少年:村岡雪枝
アナウンサー:小栗雄介
黒服の男:佐藤晴男
パジラモン:勝生真沙子
ヴァジラモン:石塚運昇
原画:田辺由憲 山口泰弘 藪本陽輔 芹田明雄 仲条久美 深本泰永
動画:塩田夕子 渡邊 渉
背景:スタジオロフト 井上徹雄 安倍とし子 劉 基連
デジタル彩色:藤田 潮 徳永ゆき子 福田直征 金森真紀
デジタル合成:三晃プロダクション 広川二三男 則友邦仁 吉野和宏 中山照美
演出助手:門 由利子
製作進行:坂本憲生知