第50話回顧 1
本ブログの開始時は、今ほどキャプチャ画像は多くなかった。初期話数はちょっと多過ぎる、これでは続けられないと思って、次第に減っていくものと思っていたが、話数によっての違いはあれど多くなってしまった。読み込みが重いページになってしまい、恐縮。しかし入念にカット毎に見直すという作業は、実に20年ぶりに本気で見返した様なもので、完全に記憶になかったディテイルなどが鮮明に甦る。
1年シリーズで次に別作品が控えている場合、終盤にはリソースが振り向けられ難くなっていくというのは判っていても、1年間見てくれた視聴者の為にもきっちり盛り上げねばならない。今話で角銅さんが演出に入ってくださったのは本当に有り難かった。
作画監督は浅沼昭弘さんがテイマーズの終盤を支えてくださった。作画には八島さんも入られていた他、外部の班もクレジットされている。美術は徳重さんがテイマーズでやはりラスト。
真紅の騎士デュークモン 愛するものたちを救え!
脚本:小中千昭 演出:角銅博之 作画監督:浅沼昭弘 美術:徳重 賢
前話ラスト・シーンのリプライズに直結して、デュークモン進化バンク。
進化バンクはここが最後となる。勿論「One Vision」が流れる。
この進化バンクに直接繋がる様に――
光をまとって飛翔するデュークモン。両親の眼前で進化したギルモンとタカト。
呆然と見上げる両親とカイ。
海面すれすれの低空飛行でグラニが飛来。ワンカットで上昇――。
美枝は息が震えている。
足元よりパンアップ。
両親に挨拶をしている。
――あれが俺たちの息子だぜ。と剛弘。
美枝、涙を拭って――
そうよ! と笑顔に。
ターンして東京の方へ――
シナリオ・タイトルは「紅蓮の騎士よ 愛するものたちを救え!」だった。
横浜から飛び立っているサクヤモン。
あったかーい、と留姫の声。
サクヤモンになっていると、なんだか温かいよ……。
そう――、留姫――。とサクヤモン。レナモン、キュウビモン、タオモンは同じトーンで今井さんは演じられたが、サクヤモンは全く別な、女性のニュアンスを強めた演技をされた。
マザー・デ・リーパー――
そのカーネルだったところはもうスフィア状ですらなくなっている。ケーブルが植物の根の様に絡まる地下の様。
くりゅっ……。
クルモンは苦しそう。
クルモン! 必死に手を差し伸ばす樹莉。
必死に――
ぐっと力を込めて――
クルモンは呼吸も苦しそうだ。
ケーブルに捕縛されていた樹莉だが、少し上半身は前に出せている。
くりゅ……。
私を――、この子は私なんかをずっと……。
諦めず、手を差し伸ばし続ける。
ポーチから――
D-Arkが落ちる。
はっ――
加藤さんを、助けるんだ!
そうすれば、デ・リーパーだって倒せる!
絶対に倒す!――とタカトの声。
拡大しているゾーンの上空。
飛来するグラニ。
くっ――、これほどまでに広がってるとは――。とデュークモン。
デュークモン! あそこ! とタカトが示す。
ゾーン上空に、見慣れない光る球体のゾーン。
ワンカットで接近する。
ん!
サクヤモン!
手で挨拶するだけのサクヤモン――
複雑な動きをしている球体の中へ消える。
続いてデュークモンも。
グラニは周囲を飛行。
ジェン!
お待たせ! とジェンが迎える。
早く呼んでくんないんだもん――と留姫。
ごめんごめん。
着地したギルモンに――
わーい、ギルモンだー、とテリアモンが乗る。
げんきだった?
テリアモン、レナモンにも乗る。
おい。
モーマンターイ。
ぼくたちがデ・リーパーの中でも戦えるようにって――、
水野さんがこれを作ってくれたんだ。
これをどうするの?
スラッシュするんだよね。
D-Arkを前に差し出すタカト。
それを見て、留姫も。
ジェンも差し出したところで――
何っ!?
俺たちを忘れてもらっては困る!
とジャスティモンが参上。
リョウとサイバードラモンに分離。
やあ!
テイマーズのリョウはこうでなくてはならない。
リョウさん!
忘れてた訳じゃないけどね。と留姫。
レッド・カードは一枚だけ。みんな、デジヴァイスを。
構える三人。
スラッシュ・バンクもこれが最後。最も動きが派手なジェンのバンク。
カードをスラッシュする直前で――
ヴォーカル入り。「一枚のカード、放つ光が――」という歌い出しがここに重なる。テイマーズでも同一のカードを複数のテイマーがスラッシュする描写は最初で最後。
カードが自ら、三人のD-Arkに飛び込んでいく様な流れ。
カード・スラッシュ!
カード名コールはなし。
ジェンのバンクに戻る。全部赤いカードに置き換えられている。
スラッシュ・バンクに直結して、右手のカードを左手のD-Arkに替えて掲げるという心憎い演出。
行こう!!
ワンカットでグループ・ショットまで引く。
球体から飛び出す四本の光の柱――。
ジェンがタカトたちとどうやって落ち合って、レッド・カードをスラッシュするという場面にするか、シナリオで随分悩んだ。理詰めでリアルにやってる段階ではないな、と考えて、四聖獣がもたらしたデジタル・グライドの空間という柱(シーン名)で角銅さんに投げてしまった。そもそもデジタル・グライドは、リアル・ワールドで究極体に進化する為に、テイマーをデータ化するというもので全く異なる。角銅さんに相談すると、何とかしますと言ってくれた、と思う。
見返してみると、これはD-Arkのパワーで成されたものだと思える。ジェンのスラッシュで、はっきりと言葉ではないものの、テイマーたちに「集まれ」という合図が届いた。デ・リーパー・ゾーンの上空辺りで、こうした仮想空間がテイマーたちが持っているD-Arkによってもたらされた、と見てくれたら嬉しい。