第47話回顧 2
早朝の初台近く。
走ってくるヒュプノスのモバイルラボ車。
ガードロモンとレナモンが併走している。
運転しているのはタカトの父・剛弘。
場所によっては一日に1~1.5km、
すごい拡大している……。
ゾーンは東側に拡大した。
私の家……。
神楽坂ももう呑まれた。
今いるところも安全とは言えなくなったんで、李さん、山木さんたちの所に合流しようとう事になったんだ。
――首都機能もぼちぼち余所に移しているらしい。ところで秋山リョウ君は?
朝起きたら、いなかった……。多分……、
疾走してくるジャスティモン。
うりゃあああああっ!(ジャスティモン)
ジャスティス・キーック!
初台。BGM「ブルーカード」が久々に流れる。どちらかというとヒュプノス周りで選曲されていた。
はい、おにぎり、ここに、とタカトの母、美枝。
聖子、ケンタの母、あ、ヒロカズママもいる。
聖子らがアドリブで、非常時の炊き出しの空気感を出す。
ワイルド・バンチはそれぞれのタスクに取り掛かっている。
アークの画像が開かれる。
いい? とデイジー。見てくれる?
デイジーはマウス派。
デジタル・ワールドにて、アークの修復は終わった様だ。
新規に追加する装備を表示。
カッコいいじゃない。とバベル。
デザインだけじゃありません。クロンデジゾイド、即ちデジタル・ワールド内の仮想金属で出来てるんです。
これでアークをパワーアップするの。
3Dパーツをアークに合体させていく。
デイジーが送った「情報」でアークが変身していく。
ほほう? おにぎりを頬張りながら、モニタを見るSHIBUMI。
ゼロアームズ・グラニと命名しました、と山木。今話は披露しないが、数々の改造を山木は仕掛けている。
グラニね……。とSHIBUMI。
テイマーズが走ってくる。
お、来た来た。
アークを貸してくれないかい?
えっ?
どうしても必要なんだ。
は、はい。
ボタンを操作すると――
USBポートっぽいI/Oが開く。そこにケーブルを接続。やはりシリアル・ポートの一種だろう。
何に使うのぉ? とテリアモン。
それはね、グラニのリアライズに使うんだ。リアライズの原理は判るかな?
困った顔になるジェン。確かにその理屈は知らなかった。
デジタル・ワールドからリアル・ワールドへ――
量子テレポーテーション。つまり情報を転送する。この時元の情報は壊され、転移先の情報のみ生き残る――。
English Version
と言っても転送先の情報は、情報エネルギーとして大気中にあるだけで、それを物体化する必要がある。
English Version
その鍵を握るのが、アークって訳さ。
判るぅ? とテリアモン。
何となく、とジェン。要するに、デジヴァイスのプログラムをコピーする訳ですよね?
そういう事、とにっこりするSHIBUMI。
諏訪太朗さんの今話の演技は、まさに我々のイメエジ通り。最初はやはり不慣れな印象があったが、この頃になると、台詞の調子を変化させたり工夫されている。
ん?
樹莉の両親が来ていた。
タカト。
留姫、誰?と訊く。
加藤さんのお父さんとお母さん……。
心配で、松本から出て来られたのよ。
……。
そうなんだ……と漏らすタカト。松本に送った時の肇の態度は、とても娘を心配していた様には見えなかったので、やや意外に感じている。
これ、なあに?とケンタ。
ぱ~ぴ~? とマリンエンジェモン。
ゲーム?
デ・リーパーの原形よ。と恵が答える。
これが一体どうして……、
ああなっちゃうの?
ぱ~ぺ~?
ジャンユーが答える。進化してるんだ。デジモン同様に……。
ねえねえ聞いて? あのまん丸の中に、クルモンとベルゼブモンが入っていったの――とシウチョンが父親の服をぐいぐいしながら訴える。
きっと中に何かあるんだよ!
そこにカーリーが来て
そうね。実はおばさんたちも、何かあるって思ってたとこなの。
どう? と自慢げなシウチョン。
どうやらここに情報が集約してる様ね。とドルフィンに言うカーリー。
すると……、
ここがデ・リーパーの頭脳、カーネルという事なのか。
可能性は高いわね。
だったら、ここを叩く事で全てのデ・リーパーを消滅させる事が出来るのかも――
駄目だよ!そんな事したら! というタカトの声。
だってそこには――!
その中には……。
樹莉の両親の方を見るが――、父親がいない。
エレベータを待っていた肇のところに駆け込んでくるタカト。
はぁ、はぁ――。
加藤さんのこと、怒らないでください!
……。
加藤さんのせいじゃないんです! 本当です! 信じてください!
エレベータが来てしまった。
とにかく加藤さんは、全然悪くないんです!
俯くタカト。
哀しい場面で流れるピアノソロの「The Biggest Dreamer」は度々使われてきた。オープニングの原曲は疾走感のあるサウンドだが、メロディはマイナーなのだ。ピアノで奏でるとかくも哀愁を醸し出す。デジモンテイマーズというシリーズも、本質的にはそうだったのかもしれない。
俺はまだ戦える! とジャスティモン。
無理だってば!
突如 巨大なボールが――
ジャスティモンを背部から襲う!
樹莉の継母の相手を、ルミ子がしている。
申し訳なくて……。樹莉ちゃんの、亡くなった本当のお母さんに、なんとお詫びしたらいいか……。(泣いている)
あ……、お気持ちは、判ります……。
自分の娘の事で、心配で頭が占拠された経験はルミ子も痛い程判るのだが――、如何せん、こういう時の処し方など、ルミ子には経験がない。
涙を堪えている。
ていうか――、あの……、
何と声を掛けて良いか考えあぐねていると――
あ……。
留姫が話を聞いていた。
黙って階段を登っていく留姫。小さいサイズの留姫、階段をちゃんと登るアニメーション。
以下留姫のモノローグ。
意外……。いつもニコニコ笑ってて――
21話「レオモン様」
なに不自由ない、幸せな生活送ってるんだろうな、って思ってた……。
でも……、シリアスじゃん……。私より、全然シリアスじゃん……。
ウチは離婚しててもお父さんは生きてる。 会おうと思えば会えない事ない……。
でも樹莉は……。
ふぅっと息を吐いて――
がんばるしかないじゃない!
勢いをつけて降りる。留姫の決意。
く~~~……。困り顔のクルモン。樹莉は半覚醒状態のまま。
デ・リーパーの解析と対策担当はカーリーの様だ。登場人物が終盤はどうしても多くなって、全員に台詞を配分するのは難しいのだが、今話はカーリーの台詞が多くなった。
ところで、本エントリを書いている時点で、1997年に放送された「ゲゲゲの鬼太郎」第四期89話「髪の毛地獄!ラクシャサ」が、期間限定でYouTubeで配信されている。角銅博之さんが演出され、私が書いたエピソード。本ブログでもここで一度触れた。作画監督は木下和栄さん。美術が徳重賢さん。
この四期の鬼太郎を演じられていたのが、カーリー役の松岡洋子さん。残念ながらギルモンとカーリーが絡む場面はなかったのだが、もしあれば1,2期の鬼太郎も演じられていた野沢雅子さんと4期の松岡さんの競演が出来たのに、と思うと惜しい事をした。
本ブログに書いたのは2017年のTweet採録なのだが、ここに記していなかった事を補足。このエピソードは原作にはなく私のオリジナル。水木しげるさんはマンガだけではなく、多くの妖怪画、世界の妖怪を御自身のタッチで描かれたものが膨大にあった。その中にラクシャサがいた。この名前に覚えがあったのは、1970年代のアメリカのテレビ・シリーズ「事件記者コルチャック」に出てきたからだ。このシリーズは、リチャード・マシスンも脚本を書いており、後の「Xファイル」に多大な影響を与えた。オカルト/ホラーのエピソードが居並ぶが、主人公は特殊能力など持たない事件記者。日本では大塚周夫さんが声を演じられていた。
なので、話はオリジナルなのだが、ラクシャサが化身をして人を危めるという部分はコルチャックの描写を踏襲している。結着にインドの行者が登場するのもコルチャックにあったと思う(ああいう方言は使わなかったし、ああいう消え方もしなかったが)。だから鬼太郎のラクシャサは、ある面ではコルチャック・オマージュだった。
ただ、主題はねこ娘の話なのであって、私としては原作のテイスト、昭和な感じを醸す事に専心していた。
3年ぶりくらいに見直すと、音楽の凄さを改めて感じる。鬼太郎の反撃時の音楽は無条件に燃える。
>RT
— 井上雅彦 (@phantasticnight) 2021年7月4日
ちなみに、あのころ、小中さんに事件記者コルチャックの「ラクシャサ」ビデオを観せたのが私。
(……と日本アニメ史に自分の影を落とそうと試みてみる (^o^))
そうでした……。井上さんからビデオを借りたんだった……。24年前、よりもっと前の話。感謝。