第44話回顧 3

浮浪小学生と言われても仕方のない日々を送っていたタカトたちにとって、親たちからの歓待は、今後の活動を抑制されるのではないかという恐れになっている。

あの、ぼく――

と言いかけたところで、ポケットののD-Arkがアラートを鳴らしだす。

D-Arkがアラートを出すのは第一部以来。強いデジモンが現れた時に反応してきた。

！

両親たちにもその音は聞こえている。思わず目線を落とすルミ子。

デジヴァイスが反応している――。

ワンカットで留姫にスウィッシュ。

レナモン何か判る？

素早くその場から去るレナモン。

まだ続いているカット。天井を伝って外に向かうかの様なキャメラワーク。アウト・フォーカスの留姫をなめてタカト――

行かなきゃ！　うん！とギルモンは前へ。

まだ続くワンカット。

ぼくたちも！　うん！とテリアモンは飛び出すが――

あっ……。

作画とキャメラワークで巧みにワンカットに繋がれている。

あっ――

あっ――

立ち上がっていく両親たち。

自然なワンカット。

ぼくたち……、

剛弘の声。

お父さんたちな、

話し合ったんだ。

？？

自分の子どもたちが危険な事をするのを黙って許す親なんて、

いない。絶対に。

――タカトだって、父たちの気持ちは痛い程に判っている。

――しかし容赦なく鳴り続けるD-Ark。

でも、子どもが本当にしたいっていう事を止める権利も、親にはない。

――と言って剛弘はタカトの手をとった。

というか、そもそもこんな状況の親子なんて、普通ないからね。とタカトを抱き締める美枝。

ギルモンには、いやデジモンには親子の概念がない。デジモンに性別がないのも、生殖問題に踏み込むのは面倒という事があったのかもしれない。しかし、アニメのデジモンたち、子どもたちと一緒に生活したデジモンは、色々と人間に共感して進化しているのだ。

――だったら、私たちもただ悲しんで待ってるんじゃなくて、

あなたたちの助けになろう、って決めたのよ。

――おかあさん……。

いいの？　ママ……。

だから、いいって言わないよってば私たち――。

留姫、俯くが――

留姫を抱いて――

頑張ってね。――とかも言いたくないのよ。

留姫、母の肩に顔を埋める。

ごめん、お母さん。

ルミ子は、留姫の前で泣き顔を見せないと聖子と約束していた。

判るよね？　留姫ちゃん。と聖子。母の気持ちの事。

うん、と頷く留姫――。

送り出しは聖子が述べる。

この家も、いつまで居られるか判らないけど――

精一杯、私たちがあなたたちを支える。

だから、自分の命だけは、大事にしてちょうだい。

はい！　

グラウモンに進化して、三人を乗せて出発する。

待って～～～～～、と遅れてくるガルゴモン。

四谷からケーブルを引っ張ってきて、やっと中継が繋がりました。えー、南新宿デッキの方で――

激しい振動でキャメラが動く。

キャメラを振り下ろすと――

デ・リーパー・ゾーンの中から――

エージェントが――

くそう！　何が起こってるんだ！

窓際に設置した自席に座る山木――

ペーパーウェイトに、貝の化石。

これは13話で、ヒュプノス地下のシャッガイのタンクに、化石の描写をされた今村さんへ、私なりの解釈という意味で書いたもの。

何か聞き慣れない通知音がしている。

んん？　と操作。

PDAとのリンク・アプリケーションだ。

Palm機は旧MacOSとのシンクが極めて簡便に出来たのも売りだった

何ッ!?　これは――

アークがタカトに「OK」と答える為に、センサーを伸ばして接触したPDAが、今もアークと繋がっている。

アークからなのか!?　向こうの世界に落ちていった筈なのに……。

室長！　デジモンが！　あの子たちが！

何!?