Digimon Tamers 2021 Blog

デジモンテイマーズ放映20周年記念ブログ

オープニング

 

オープニング曲「The Biggest Dreamer」については、本ブログでは既にこうしたエントリを書いている。本エントリでは、その楽曲(のTVサイズ)にどういう映像が作られたか、またどうマッチさせ、音響効果がついたかを記しておきたい。

オープニングを創るのは、シリーズディレクター/監督にとっては大いにやり甲斐のある仕事だろうとも思うが、我々スタッフはオープニングから受ける印象やディテイルなどから、様々に自分の仕事の指標を見出す。あまり好きな言葉ではないが、「世界観」を提示していると言える。勿論第一義には視聴者に対してだが、スタッフにとってもそうであった。

先に書いておくと、90年代後半以降の東映アニメーション作品と円谷プロダクション作品には、ある部分で共通する要素があって、あまり語られない事だが実は作品の印象を決定づける重要なセクションだ。

それは、選曲と効果(音響効果)。

ファンファンファーマシィー」を含む「アニメ週刊DXみぃファぷー」は、「ウルトラマンティガ」と同じくスワラ・プロの水野さやかさんが選曲を務められていて、当時はそうした事情を知らず驚いていた。

テイマーズの選曲、西川耕祐さんがスワラに在籍されていたのかは、判らない。効果の奥田維城さんは後に独立されるが、スワラ・プロとしてテイマーズを担当された。選曲も音効も、画面と同等にその作品の印象を左右する重要な要素である事は間違いない。その場面が気持ち良く見られるか、怖いと感じるか、感動出来るか――も、この二部門の役割が極めて大きい。

という事を長々と書いたのには、やはりオープニングの冒頭の、怪獣(ギルモン)の咆哮の効果音が、東宝怪獣のガイラを起源とする、多くの特撮ファンにはゴモラの声と認識されているものが使われているからだ。

1960~80年代の円谷作品の音効がどうであったかは、私は詳しくない。スワラ・プロは「恐竜戦隊ボーンフリー」から参加している様なので、こちらも古い。グリッドマン以降は完全にスワラだと思う。「デジモンテイマーズ2018」の音効を担当してくださった古谷友二さんは、「ウルトラマンマックス」から私のシナリオと縁があった。

 

 さて前書きが長くなったが、それではオープニングを静止画像で振り返る。

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どう見てもギルモン。

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だが、本篇では全て野沢さんが咆哮も全て演じられた。ここでは怪獣の咆哮が効果としてついている。

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この叫んだ横シルエットが、テイマーズのシンボルマークに重なる。デジタルを表すドットの世界から飛び出してくるモンスターという、実に考えられたシンボル。

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ここから和田光司さんの歌声がスタート。駆けているタカトのアップ。

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タカトも叫んでいる。

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タカトは一人で走っているのではなかった。

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前に留姫、後ろにジェン。

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更にもっと多くの子どもたちと一緒に――。

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アカペラ・パートの伸ばし音となり、アナログ・シンセ・ベースのうねりと共に――

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画面を過る、光のシルエットのギルモン、テリアモン、

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レナモン――。

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タカトたちの動きがスローモーションになりながら――、

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顔を向ける。

ニコニコ動画で配信される時、いつもこのカットで「こっち見んな」というコメントが流れる。しかし実際は画面のこちらを見ているのではなく、過っていったデジモンを目で追っているのだ。

 

ここから、オケヒット(Orchestra Hit)とジェイ・グレインドン風多重ギターの'80年流に派手なイントロ。

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7体分描かれたタカト。全て動いている。

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ジェン。タカトより少し動きがおとなしい。

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留姫、強さ、激しさと、孤独さ。

7カット分の原動画が描かれている。それが三連。このオープニングは本篇半パート分くらいありそうだ。

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テイマーズで一貫して表現されたサークル。

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タイトル・ロゴにD-Arkのサーチ画面が重なる。

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イントロいっぱいまで、これでもかとクルモンが沢山描かれる。

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歌頭と同時に、タカトの靴の裏がイン。

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このカットが、21話「レオモン様」の冒頭の樹莉のカットとして角銅さんが反復され、貝澤さんも25話でデジタル・ワールドに足を踏み入れるという時に反復した。

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あっ、と気づく。歌の「そう、ぼくは気づいたんだ」の直後にあるカット。

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三井ビル、風の左のビルに――

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新宿モノリス、風な右のビルに――

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住友ビル、風の真ん中のビルに過るデジモンの影。

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手前の壁にも大きな影。

 

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ギルモン。

さてここから、インプモンを探せ大会。

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テリアモン――と、これは難しいのだが、走る小型車のバック・ウィンドウ越しに恐らくいる。アウト・フォーカスだが、色で判別出来る。

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レナモン。の前を過るシルエット。ここは判り易い。

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鳩に囲まれているクルモン。

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キャメラが引く時、辛うじて見える。

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新宿中央公園とはっきり判る。さっきの鳩が飛んでいく。

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アークを掲げる手。

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メインの三人。

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更にずっと多くのテイマーが。

シウチョンが描かれていて驚いた事は前に記した。ヒロカズ、樹莉は最初からテイマーと決めていた。

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成長期のアクションから入り、成熟期、完全体、究極体のシルエットが重なっていく。

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ネタバレ、というよりも、圧倒的な情報量で目を眩ませるという意図ではないか。

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オケヒットの3.5拍分は、デジタルによるパワーか爆発の表現。

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ギルモン~メガログラウモンまでの必殺技モンタージュ、の前景で、タカトとギルモンが背中合わせに座っているシルエット。

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なんか手を上げている。

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ギルモン、大あくび。

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デュークモンのシルエットが1話から提示されていた。次のカットとの繋ぎの一瞬に

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スリット越しのインプモンが見える。

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最初判らなかったのだが、川田武範さんがよく演出された、ジェンの頭にテリアモンが乗ってる図はこれが由来か。

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逆立ちをする。これは16話のキャンプ回にて披露された。

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セントガルゴモンのシルエット――

それに続く繋ぎの黒味で――

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今度は縦スリットの移動の途中でベルゼブモンが見える。

 

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歩み寄っていく留姫とレナモン。

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ハイタッチ。

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立ち止まって――

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互いに振り向く。

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そして、それぞれの方向へ駆け出す。

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サクヤモンのシルエット。

 

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誤解を与えたサングラス。

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タカトのゴーグルと同じ様に、留姫、ジェンを見せたかった。しかし、いつもこのサングラスがどこに仕舞われていたかは謎・謎・謎。

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大いばりでインプモンが歩く。リピートだが、一番長く映っているデジモンがインプモン。

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そして浮かび上がるベルゼブモン。デーヴァ進化ではなく、ブラスト・モードの姿。

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赤黒く汚染されていく西新宿ビル群。デ・リーパーのデの字もない時期に作られている。デ・リーパーがなぜ赤黒いのか、はこれが理由。

結構ダークな展開があるよ、とオープニングから暗示されている。

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しかし、重なってくるクルモンが――

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無邪気に飛び回るので、基本的には楽しいシリーズですよ、と。

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光の中から子どもたちが現れる、という41話の展開は、このカットがオリジン。

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タカトは初期、D-Arkを首からぶら下げていた。

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D-Arkの液晶が明滅している。

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そして光の筋を発する。

D-Arkからこうしたパワーが生じる、という事を私は全く考えていなかった。玩具ではとても再現出来まいと、躊躇していたのだが、私は私で仮想スクリーンを表示させていたし、という事で開き直って、アークの光を効果的に使えるところでは、全編に渡って描いた。最後が樹莉の使用だった。

ちょっとギルモンのサイズが大きすぎるのだが……。

 

 

当然だが、オープニングに私は全く関与していないので、これが正解と主張する気はないのだが、こういう流れだと思う。最初に走っているタカトたちは、デジモンと出会う前の子どもたちだ。

そしてリアル・ワールドにデジモンがいると認識されていく。

アークを掲げる場面は二つあるが、中間の方は、デジモンテイマーになるという決意の表れと見える。

そして、活躍するパートナー・デジモンたち。その進化する先――。

パートナーとなって、三人三様なデジモンとの付き合い方をしているのがシルエット。

そして、デジモンと一緒に並んでアークを掲げるのがラストカット――。

 

 

24話「旅立ちの日」から、一部のカットが変更される。

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中間の子どもたちだけがアークを掲げているカット。樹莉とヒロカズ、シウチョンに色がついて、タカトの後方がケンタに変更されている。

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シルエットだった究極体に色がつく。

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究極体の新作カットは若干(数フレーム)増えていると思うのだが、どこかが削られて辻褄が合っている。

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ベルゼブモン(ブラスト・モード)に色がついて、荒牧さんがクレジットに加わる。

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レオモン、ガードロモン、マリンエンジェモンが描かれる。ロップモンに決まるのはやはり少し後だったか。

 

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34話から、中村さんがクレジットに加わる。

 

本ブログを書く為に、Anilogが隔日で配信するYouTube動画で全話を見直したのだが、一度もオープニングを飛ばさなかった。私としては珍しい。というか飛ばせない。テイマーズを見直すという事は、和田光司さんの声を最初に聞かないといけないと、私の中で法制化されている。

 

にしても、キャプチャ画像が汚くて申し訳ない。YouTube配信用にWEBMに圧縮された映像は、あまりに激しい動きと色の要素で破綻しまくっている。もっとビットレートを上げて欲しかった。あ、Blu-rayボックスなら美しくHDにスケールアップされた映像を愉しめるので、そちらを是非お求めください。ダイレクトマーケティング

 

 

 

第51話回顧 5

 

 一年続いたシリーズ最終話のラスト・シーン。この終わり方だけは、ぼんやりとシリーズ構成を始めた時から想定していた。しかしこの場面に至るまでは、到底初期に思いつける範疇では有り得ない膨らみを、他のライター陣、演出家の方々によって築かれてきた。それを経ての終わり方なのだから、意味合いがまるで違っている。

 

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前場面から短い黒味のフェード・イン/アウト。

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新宿中央公園、最後に残った「ゾーン」。そこにいる――

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テイマーたちとデジモンたち。消えていくゾーンを見つめている。

四角形のモザイクが明滅する。これも手間の掛かる処理だったと思う……。

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終わったんだよね、これで……。

留姫が清々しい顔で感慨深げに言う。

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タカト、やったね。とギルモン。

うん! とタカト。

ここから流れ始める「3 Primary Colors(作詞:山田ひろし 作・編曲:太田美知彦。最初期に作られたキャラクター・ソング。「テイマーズ」というクレジットで、津村さん、折笠さん、山口さんがそれぞれのキャラクターとして歌っている。オケ(イントロ、エンディング)は劇伴としてよく使われたが、タカトのパートだけが流れた9話を除いて、はっきり三人の歌を聴かせるのはここが最初で最後。第一部の状況が歌詞にされているが、最終回でも意外に合わないでもない。しかし何より、この曲の雰囲気、ローズの美しい和音と三人の歌声がここで流れるという事が重要だった。

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顔を見合わせるタカトと樹莉――。

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あ? と樹莉が向こうに目を送る。タカトも振り向く。

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インプモンと、アイとマコが来ている。

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インプモン、無事だったのか。とレナモン。

傷ついたインプモンをサクヤモンが救い、なんとかアイとマコには届けたものの、この姉弟がケアをしなければ危うかったのだ。

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へへーん。

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俺にもよう、テイマーがいたぜ。

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アイの首からD-Arkが下げられている。まだアイもマコも、これが何をするものなのかは知らない。このカットだと、アイだけがテイマーの様に見えるが、私は二人ともテイマーだったと思っている。デジノームがD-Arkを与えた時に、手を差し伸ばしたのは二人だったからだ。

2018年に、割と本気で続編番組「デジモンテイマーズ2020」という企画書を書いた時の想定では、この二人がメインの一軸になる予定だった。勿論、タカトたちも描くが。これについては後に書くかもしれない。いずれにせよ、実らなかった。

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そうか……。レナモンは心から祝福している。

留姫らはまだ、少し複雑な表情をしている。

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インプモン、少し歩み寄っていく。切実に言いたい事があった。

俺――、俺――、

当然インプモンは、樹莉に謝りたかった。しかし、そういう事を言う事に慣れていない。

良かった、と樹莉が声を掛ける。

え? 意外さに詰まるインプモン。

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もう誰も――、誰一人だって、いなくなって欲しくなかった。――と樹莉が言う。

加藤さん……。タカトにも意外な言葉だった。

俺を、俺を許すっていうのか?

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微笑む樹莉。それが答えだ。

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戸惑うインプモンの顔。

ここで歌頭。タカトが「なんで戦わなくちゃいけないんだろう? ぼくはただ傷つけたくないんだよ」が流れる。これがテイマーズだった。

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ちゃんと謝ろうとしていたのに、先に許されてしまった――。この動揺かと思われた身体の揺れだが――、

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インプモンの身体に異変が起きている。淡い光が身体内部から発し――

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自分の身体を見る。

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タカトぉ!

ギルモンだけではなく、デジモンはみな光を発している。戸惑うテイマーたち。

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ギルモン! どうしちゃったの!?

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判んない……と縮んでいくギルモン。クルモンもくるる~と不安げ。

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レナモン?

何か、変だ。

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ジェーン――

テリアモン!?

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サイバードラモン!?

何かが、起こっている……。

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ケンタ、ヒロカズもパートナーの異変に恐れる。

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ジャンユーに連れてきて貰ったシウチョンが元気よく駆けてくる。

ジェン兄ちゃーん! ロップモン! テリアモーン!

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あれれ?

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どうしてこんなにちっちゃくなっちゃったの?

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覚悟を決めて、そこに現れたジャンユー。

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お父さん!? ジェンが悲痛に叫ぶ。

どうして!? どうしてギルモンたちは退化しちゃうの!

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はっとなるジェン。

退化……?

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お父さん! これって――

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ジェンの視線を直視出来なくなった。

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私たちの計画は成功した――。

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リアル・ワールドとデジタル・ワールドの境界は、再び強固なものとなった……。

じゃ――、デジモンたちは!? とリョウが問う。

彼らの世界に帰らなくてはならない。

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このままここにいたら、デ・リーパーの様にプログラムになってしまう……。

アイとマコ、幼年期になったインプモンを他のみんなのところまで連れてくる。

 

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そんなの嫌だよ! ぼくは約束したんだ! ギルモンとずっとずっと一緒だって――

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幼年期になったレナモンをきつく抱き締める留姫。

私、そんなの絶対認めない!

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お父さんは――、こうなるって事が判ってて、テリアモンを――

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いや、いずれ別れは来るとは予期していたが、こんなにすぐにだとは、SHIBUMIもジャンユーも想定していなかった。しかし、ジャンユーは言い訳をしない。

本当にすまない。つぐない、きれない事をした……。

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しかし! これが(二つの)世界を守る、唯一の方法だったんだ!

 

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父を睨みつけているジェンに、

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ジェン、と声を掛けるテリアモン。

え?

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モーマンタイ。

テリアモン……。

グミモン(幼年期名)になっても、テリアモンはテリアモン。これで終わりじゃないよ、Take it easy、とジェンに告げている。

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ゾーンに吸い込まれていくテリアモン。

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でも笑顔だ。

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レナモン、やだ! 離れたくない!!

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留姫、私たちきっとまた会える。

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またって何時!? いつなのよ!?

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ギルモン……。

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またいっしょにあそぼうね。 タカト。

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うん、うん……。

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タカトはまた会えると信じて、ギルモンを手放す。

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ガードロモンだったカプリモン――

幼年期が一体ずつゾーンに消えていく。歌は留姫のパートに入る。

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マリンエンジェモンは本来ルカモンという幼年期があるのだが、全く異質な姿なので究極体だからそのままに。

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サイバードラモンの幼年期、ホップモン――

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インプモンの幼年期、ヤーモン――

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クルモンはそのままだ。

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ロップモンの幼年期、チョコモン――

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テリアモンの幼年期、グミモン――

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レナモンの幼年期、ポコモン――

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ギギモンとなったギルモン。

約束だね、タカト、たのしみだね――と言いながら消えていく。

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ターカトー――。

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シウチョンには訳が判らない。

みんなどこ行っちゃうの!? 行かないで!

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ジェンにしがみついて泣き出すシウチョン。

そっとその頭を撫でるジェン。

みんなはもう完全に消えつつあるゾーンを見つめ続けている。

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ジェン、父の方に振り向く。

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どんな厳しい言葉をも覚悟しているジャンユー。

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泣いているが、微笑むジェン。ここから歌はコーラスに入る。

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ジェンは父を許した。

勿論、気持ちの整理など出来ていない。しかし聡明なジェンは、父たちが決して、デジモンと子どもの別れなど意図していなかった事も理解したのだ。

山口眞弓さんには申し訳なかったが、一番重要な場面は、映像だけで見せたかった。最終回で一番見せたかったのは、ここだった。

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ジェンリャ……。

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膝をつくジャンユー。

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むせび泣くジャンユー。

20年近く前に、将来子どもとデジタル世界のモンスターが遊べる様な構想を抱いていたのがジャンユーだった。思わぬ形だがそれが実現した。何より、テリアモンという得難い存在とも親しくなれた。息子を命懸けのミッションにまで参加させている。

それなのに、この結果には男泣きするしかないのだ。金子さんの抑制的な演技で、私は泣いた。

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絶対だよ……。タカトは見えないギルモンに言う。

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ギルモン、約束だからね……。

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遂に、ゾーンはこのリアル・ワールドから消滅した。

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一瞬のホワイト・アウト。曲はここからガットギターのソロ・パートに。

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まつだベーカリー店内。やや経ってからの時制。淀橋小学校が復旧した頃。

麗花が美枝と話をしている間、ルーズな格好の山木がパンを選んでいる。あーヒュプノスのロゴ入りパーカー、とうとう商品化されなかったなぁ……。

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タカトがレジ横から顔を出して中を窺い――、すぐ引っ込む。もう遅刻しそうなのだ。

デ・リーパーを退化させる、という表現にしたのは、災害復旧をリアルに見せたくなかったからだ。デ・リーパーが覆っていたエリアは、覆う前の状態に時間が引き戻されている。なので日常がすぐに戻って来た。これも9/11の直後に提示する作品としての配慮であった。

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おはよー! 恐竜公園の時計台――、テイマーズの物語が始まったところ。

この場面はシナリオでもう少し描写があった。泰三、美紀といった他の子の名前もある。全く覚えていなかったが、やはりショートの女子は美紀という名前だった。この時計台の下で、樹莉と美紀がカード・バトルをしているのを、ヒロカズ、ケンタ、泰三が見ているという場面。タカトが「おはよー」と来ると――

ケンタ「おータカト、おせーじゃん」

ヒロカズ「あっ、バカ! 加藤そんなカード、そこで使うな!」

樹 莉「うるさいなっ! ちょっと黙ってて! タカト君、おはよ」

タカト「うん……、おはよう(微笑)」

 

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シナリオでは、授業中に樹莉が振り向いて「ワン」と手の形だけするという描写にしていた。普通のクラスメイトに戻ったけれど、まだ意識し合う関係――というニュアンスを出したかったが、この描写でもそれは伝わる。

 

ここからのタカトのモノローグは、梅澤さんが付け足したもの。

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こうしてぼくの生活は、ギルモンが現れる前と何一つ変わらなくなった――。

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覇気のある表情で、真剣に生徒に伝える授業をしている浅沼奈美先生。

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中央公園。冬枯れの木立――。

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駆けてくるタカト――。

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かつてギルモン・ホームだったところを立ち止まって見上げるも――

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歩き出す。

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長い影。

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と、デジノームが飛び立っていく。

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何かを感じて立ち止まり――

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振り向く。

 

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やっぱり来てしまう、ギルモン・ホーム。

ギルモンが掘って、自分たちがデジタル・ワールドに旅立った時の、穴。

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じっとそこを見つめていたタカト――

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愕然。

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穴の奥底に――、ゾーンの光が。

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ギルモンと、出会う前の……。

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顔を輝かせたタカトの顔で、ストップ・モーションにならないまま、「デジモンテイマーズ」の物語は終わる。

「3 Primary Colors」は巧みに編集されたかもしれないが、イントロからエンディングまできっちりと全曲流れ、極めて美しい終わり方をした。

 

タカトのモノローグは、サイレント(台詞なし)処理というシナリオではもの足らないと梅澤さんが感じたが故だと考えた。

ギルモンと出会う前の、という言葉を強調したのは、またギルモンと会える可能性がある、という意味だと思った。それは本当であるし、これで全て一切無かった事にもなっていない。

私が、ギルモン・ホームで再びデジタル・ワールドへの架け橋がまだ、リアル・ワールドにはあるという終わり方にしたのは、今思うと「貝澤さんなら、こういう終わらせ方をさせるだろうなぁ」と思ったのだろう。

意外と貝澤さんは、私以上にウエットさを避ける印象を抱いていた。「ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー」の経験で。

テイマーズはシリーズ後半、実際だと後半1/3くらいは頼れる監督的存在がおらず、私が一貫性を維持する立場となってしまった。後半になると、角銅さん以外の各話担当の演出の方々の好みや傾向なども判ってきたし、ものすごく困る事もなかったのだけれど、私があれこれと作図したのは、やりたくてやった訳では無いとだけ言っておきたかった。これは監督がやるべき事だった。

  

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最終3話のシナリオを書きながら、各話演出の方に説明する為に概念図を幾つか作成した。マザーは全高700mの想定。Wired Zoneは破壊された後のカーネルに移動した。最後に現れるADRは「Faceless」と書いてあるが、シナリオでも記していない。

 

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これは既に一度掲載したが、リアル・ワールドに重なるデジタル・ワールド、ゾーンのイメエジ画。荒牧さんに描いて貰ったもの。ラスト・シーンの表現。

 

 

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オペレーション・ドゥードゥルバグ「蟻地獄作戦」の説明。記してあるテキストを採録

デ・リーパーは自己を知性進化させ、自己拡大をする為に自身の内部を量子コンピュータ化させ、それを駆動すべく超高速渦「Transphotic Edy」を形成させた。

ワイルド・バンチと山木は、この渦を逆に超高速回転させ、デ・リーパーを退化させる為に、テリアモンの耳にシャッガイ(ネット内に強力な渦を起こし人工知性を巻き込むシステム)の改良版をプログラム・ロードしていた。

 

 

脚本家として最終話に悔いがあるか、と言われたら、メイン3人以外のテイマー、デジモンたちにもっとちゃんと挨拶をさせたかったのは山々だ。しかし、基本である三人に絞ったからこそ、別れに接した時の三人それぞれの個性で描けたのは事実だし、「想定外の早い別れ」を今以上に尺を使うべきでもなかったのだから、やはり完成作品以外には選択肢がなかった。消極的な意味では勿論ない。

 

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もう感謝しかない。

 

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清水さんの背景美術は、第一部、デジタル・ワールド編のハイパー・リアルでありながら、単に写真的ではない美を感じた時が多かった。ありがとうございました。

 

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作画監督はみな個性的な絵柄を描かれるが、出口さんは特にギルモンの描き方が独特で、楽しみだった。通常回なら一人で全原画を描かれていた。印象的だったのは29話「クルモンの城」回。クルモンのミュージカル・シークェンスの底抜け具合には本当に楽しませて戴いた。ありがとうございました。

 

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梅澤さんと脚本・演出で組むのはこれが最初で最後になったのだが、勿論ホン打ち(脚本打合せ)時に、何度も顔は合わせていたし、やたら口を出すシリーズ構成だなぁとでも思われたのか、最初は怖い人的な印象だった。しかし演出された6,16,22,30,37,そして何より43話を見れば、マンガ的な表現もリアルな表現も、そしてアニメでなければ描けないスペクタクルも見事にフィルムにされる人だと判っていたので、最終話を担当して貰えて本当に有り難いと思った。

後年プロデューサーに転身されてから、「怪~AYAKASHI~」の「四谷怪談」、「モノノ怪」に私を喚んでくれた。後者は、えええっと思う様な手法をとる為に、2~3話分にしなければならず、スタジオ側がそれしか出来ないという事情を率直に明かしてくれたので、ならばと、数話保つだけのプロットを作った。恐らくそれは創作的にも成功だったのだと思う。他にない1クール・シリーズになった。

その後、ある有名タイトルのリメイクを映画として、実写でもアニメでもいける様にシナリオにして欲しい。しかし映画になる可能性は低い、という条件の仕事を梅澤さんからオファーされた。やはり成立しなかったのだが、これは書いていて本当に楽しかった。

その後が長くなってしまったが、シリーズ序盤から最終話まで、本当にお疲れ様でした。

 

 

 

#51 Credits (Full)

 

脚本:小中千昭

ギルモン~デュークモン:野沢雅子
松田啓人~デュークモン:津村まこと
テリアモン~セントガルゴモン:多田 葵
李 健良~セントガルゴモン:山口眞弓
レナモン~サクヤモン:今井由香
牧野留姫~サクヤモン:折笠冨美子
サイバードラモン~ジャスティモン:世田壱恵
秋山 遼~ジャスティモン:金丸淳一
加藤樹莉/デ・リーパー:浅田葉子
クルモン:金田朋子
インプモン:高橋広樹
塩田博和:玉木有紀子
マリンエンジェモン:岩村 愛
北川健太:青山桐子
李 小春/鳳 麗花:永野 愛
小野寺恵:宮下冨三子
山木満雄:千葉進歩
李 鎮宇:金子由之
ドルフィン:菊池正美
デイジー百々麻子
バベル:乃村健次
カーリー:松岡洋子
SHIBUMI(水野悟郎):諏訪太朗

ナレーション:野沢雅子

協力:東映アカデミー

 

原画:出口としお 田辺由憲 藪本陽輔

動画:下平夕子 吉川真奈美

背景:スタジオロフト 井上徹雄 阿部とし子 劉 基連

デジタル彩色:松山久美子 井田昌代 露木奈美 木村紘子

色指定:板坂泰江 大谷和也

デジタル合成:三晃プロダクション
       広川二三男 則友邦仁 山口博陸 清水正道 緒方美佐子

編集:片桐公一

録音:池上信照

効果:奥田維城

選曲:西川耕祐

記録:小川真美子

演出助手:まつもとただお

製作進行:坂本憲知生

美術進行:御薗 博

仕上進行:浅間陽介

プロデューサー補:馬場厚成

キャスティング:小浜 匠

広報:北野あすか(フジテレビ)

録音スタジオ:タバック

オンライン編集:TOVIC

挿入歌:「One Vision」「EVO」「3 Primary Colors」
    (NECインターチャネル

音楽協力:NECインターチャネル

 

美術:清水哲弘

作画監督:出口としお

演出:梅澤淳稔

 

企画:川上大輔(フジテレビ)
   木村京太郎(読売広告社
   関 弘美(東映アニメーション

原案:本郷あきよし

連載:「Vジャンプ」(集英社

シリーズ構成:小中千昭

音楽:有澤孝紀

主題歌:「The Biggest Dreamer」
     (作詞:山田ひろし 作・編曲:太田美知彦 歌:和田光司

    「Days -愛情と日常-」
     (作詞:うらん 作曲:大久保薫 うらん 編曲:大久保薫 歌:AiM)
     (NECインターチャネル

製作担当:岡田将介

キャラクターデザイン:中鶴勝祥

総作画監督:信実節子

美術デザイン:渡辺佳人

CGデザイン:荒牧伸志

シリーズディレクター貝澤幸男

シリーズディレクター補:中村哲治

製作協力:東映

制作:フジテレビ
   読売広告社
   東映アニメーション

 

 

本ブログはこの後、オープニング、後期エンディングを回顧し、シリーズのその後を記す予定。

 

 

 

 

 

 

第51話回顧 4

 

2017年にニコニコ動画で4話ずつ配信された際に見直した時、51話が自分の記憶と少し違って、デ・リーパー撃退までが想定より長くなっている感覚を抱いたのだが、キャプチャをとりながらシークバーを見ると、計算通りな尺で残りのパートがちゃんと残されていた。現存するシナリオでそれを読み切れないのは、長く書きすぎていた(20枚、製本台本40P分)からで、きちんと収めてくれた梅澤さんには感謝しかない。

デ・リーパーが退化し、リアル・ワールドから消えていくという事は、今彼らがいるデ・リーパー・ゾーンそのものも消失しようとしている事になる。究極体がゾーン内で活動出来る様に最適化されたのが、SHIBUMIが書いたレッドカードのアルゴリズムだった。ゾーンが消えると、究極体そのものも成立しなくなってしまう。デジタル・グライドの力まで削いでしまう。

 

途方もない戦いを終えてホッとしていた時――

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突如苦しみ始め、光を放ち始めるジャスティモンとサクヤモン。

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どうした!? サイバードラモン!?

リョウ! 何かおかしい!

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突如「テイマーボール」の「グライド」(帯)が消える。

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留姫! すまない! 私にはどうにも出来ない! 今井さんはサクヤモンではなくレナモンとして演じている。

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どうなっちゃうの!?

 

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樹莉ーーっ! 飛翔していたデュークモン――、

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突如苦しみ、光に包まれる。

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どうしたの!? ギルモン!?

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タカト――、もうこの姿、保てない……。

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ギルモン! 

タカトぉ!

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彼らも分離する。

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タカト! 樹莉を!

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うん!

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タカト、ギルモンの尻尾を掴む。

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ギルモン、渾身の力で自分の尾を振り回して――

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タカトを押し出す! 

無重力空間の連携プレイ。7話でギルモンを救う為に、ジェンと留姫がタカトを押し出した7話の反復。

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気合いの声のタカト。

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デジモンよりも人間の方が、ゾーンはトキシック。留姫もリョウもぐったりしている。

早くここから出なくては留姫たちが!

だが、あいつらがまだ――と、サイバードラモンが下方を促す。

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孔から浮かび上がってくるジェン。

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テリアモン……。

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テリアモンの姿は見えない――。

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レナモン、ジェンを……。

判った!

ここで暗転。

じゅーり! じゅーり!とクルモンの声。

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加藤さん!

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ぼくだよ!

長い睫越しの開眼POVだった。

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タカト、くん……?

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ぼくだよ! 来たんだ! 迎えに!

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私――、会いたかった……、とっても……。

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ぼくだって!

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樹莉、急に元気づいてタカトに抱きつく!

ここから「デジモンテイマーズのテーマ」。

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クルモンが耳を大きく拡げる!

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じゅりー、と平泳ぎしながら上ってくるギルモン。

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くるも~ん! ギルモーン!

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レナモンが留姫とジェンを保護している。

早くここから出ないと!とレナモンがタカトに。

だけど、どうやってここから出たらいいんだろう……。

ぱぴゅぽー、という声。おーーーーーいというヒロカズの声も。

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すると! 一同に被さってくる巨大な――オーシャンラブの泡。

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おーいみんなーっ! とケンタが呼んでいる。マリンエンジェモンのテイマーである。

助けに来てやったぜ俺たち様がよ! とヒロカズ節。

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ヒロカズ! ケンタ!

あんたたち……、と留姫が頼もしそうに。

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さっ、帰ろうぜ! とヒロカズ。

シナリオだと「テリアモンはどこだぁ?」というガードロモンの台詞だったが、ケンタに振り返られた。今話、梁田さんは呼べなかった……。

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マリンエンジェモン! テリアモンを頼む!

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ぴ~ぴ~ぷ~

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孔を降下していくオーシャンラブの泡――。

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ジェンが叫ぶ。

テリアモン! 大丈夫かーーーっ!?

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も~まんたい~~~~ 

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みんな、一緒だね?

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うん! みんなずっと一緒さ! ね? ギルモン!

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うん!と深く頷くギルモン。

日本の小学生の、最大限な愛情表現は「抱きつく」事だと思った。

後期エンディング曲、AiMさんが歌う「Days -愛情と日常-」の事は一度Twitterでは回顧したのだが、改めて後に書こうと思う。ともあれ、間違いなくラヴソングだと私は思ったし、この曲がシリーズの終幕をどう描くか、大きな啓示をくれたとも思っている。ただ、当然タカトと樹莉の関係性は、恋人には至っていない。だから、これが「最大限」なのだ。

 

引いていくデ・リーパー・ゾーンの点描を見せながら、山木が回顧的にモノローグ。

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あれが本当にただのプログラムだったのか――

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それとも、ネットワークの奥底で何か他の――

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別の世界と繋がった存在だったのか――

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今の我々は知る事が出来ない――。

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今は、だが……。

溶暗。

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大団円的なパートは短い。この後の「別れ」の場面があるからだ。

本来的には、英雄的に戦って世界を救ったタカトたちを、皆が祝福する様な場面があって然るべきだった。けれど、やはりそれは不要だ。これはあくまで、子どもたちの目線で描いた、子どもたちを描く物語なのだ。

 

 

 

 

第51話回顧 3

 

早々に必殺武器を失わせて、最後にADRと泥臭い戦いをデュークモンにさせたのは、光線の撃ち合いは好きではないからだ。最初にはインパクトがだせても、何度も見せればインフレをしていくばかりになるのを避けたかった。

このシリーズは、3話でギルモンとレナモンは獣そのものの格闘をした。そこから「進化」をしたのだから、凄まじい光線の方がそのニュアンスは出ただろう。しかし、デュークモン、サクヤモン、ジャスティモン――、テイマーズの究極体は、セントガルゴモンを除いて、人と進化した為に人の姿に近い。敵の攻撃手法をコピーし、それを増大させて襲ってくるデ・リーパーもまた、人の姿をとっていた。ならば、自身の肉体を武器に戦う事が相応しい。

殴り合いであるとタカトにも相応のダメージを喰らう。それでも、逃げずに前に出るタカトとデュークモンの戦いを見たかった。

 

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カーネル内が全て赤黒い粘液で満たされようとしている。

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タ……カト……くん……。

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ADRに立ち向かうデュークモン・クリムゾン・モード。

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殴りかかるが、姿がない。

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圧倒的に俊敏さで勝るADR。デュークモンを殴りつけ――

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うあああああっ!

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両側を殴られ、ややふらついたところに――

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回し蹴りを食らわせ――

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強烈なキックを胸元に浴びせられる。

ADRはセントガルゴモンの行動を学習していたのだ。

 

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筑波のオペレーション室内に仮想的に浮かんでいる渦。ワイルド・バンチとヒュプノスのメンバーがSHIBUMIを除いて、その渦を囲んでいる。

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ジェンリャ! テリアモン! 聞こえるか!?

ジャンユーが呼び掛ける。

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お父さん!?

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私はテリアモンに、あるプログラムをロードした。

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えっ――!?

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前話、耳がかゆいようと言っていたテリアモン。

これはただのスキャンではなく、プログラムがロードされていた。

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あの時……。

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ぼくに何をロードしたの? とテリアモンが訊く。

すまないね、黙っていて。

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山木君の――

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シャッガイだ。

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シャッガイ……、あああっ!?

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22,23話。都庁の真上に、リアライズしていたデジモンを呼び寄せるシステム。

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あれをテリアモンに!? どうして!?

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ここからは山木が説明。

デジタル・ワールドとリアル・ワールドを相互に干渉し――、

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超小型ビッグバンを起こして、ブラックホールに人工知性を引き込む――

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それがシャッガイだった。

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そんなものを、なんで?

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ここからはドルフィンの説明。

今、君の下にある地上とデジタル・ワールドを繋ぐ、渦――。

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眼下を見るセントガルゴモン。

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孔の内部から見上げたアングルのセントガルゴモン。ほぼ真上にいる。

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これは真上からのアングル。奈落の底からデ・リーパーが無尽蔵に湧いて出ている。

それは、光速を越える速度で回転し、デ・リーパーを急速進化させた。

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それを、君たちの力で逆の回転をさせ、デ・リーパーを元のプログラムに退化させる為だよ。

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そうかぁ! 声が弾んでいるジェン。

お父さんたちはすごい!!

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思わず目を落とすジャンユー。

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シャッガイは既に修正してある。君たちを傷つける事はない。

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でも、どうやったら……?

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いいか! よく聞くんだ!

 

ここでCMに入り、説明はネグレクトされる。

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行こう! テリアモン!

オッケー、ジェン!

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セントガルゴモンが渦の中へと降下していく。

「EVO」のイントロが始まる。
極めて場面にマッチし、よりエキサイティングにしているのだが、内心は少し複雑だった。このミッション、蟻地獄作戦は「退化」させるものだからだ。敢えて言えば De-Evoなのだから。

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セント、ガルゴモン……。万感の想いでその名を口にするサクヤモン。

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頼んだぞ。とジャスティモン。

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ロケットで頭から突っ込んでいく。

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定位置についたセントガルゴモン、渦の中で静止。

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シナリオでは、耳がもっと延長する事にしていたが、梅澤さんはそれはやらず、腕の力強さの方で表現。

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渦の動きと逆回転で旋回を始める。

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回転が始まった、とドルフィン。

頼むぞ、とバベル。 

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SHIBUMIは自席で、まだプログラムを確認している。

ここまでは計画通り……。しかし、なんだ?この引っかかりは……。

 

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高速回転するセントガルゴモン――。

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渦へ干渉し始める。

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デ・リーパーの活性度が低下し始めたわ! とデイジー

これならいける! 行けるわ! とカーリー。

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だが、SHIBUMIが立ち上がる。

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何か……。何かが間違ってる……。

 

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うぁああああああああああっ――

流石にテリアモンもキツい。

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勿論、一緒になっているジェンも。

頑張れテリアモン!

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ぼくたちが! ぼくたちがやらなくちゃいけないんだ!!

勿論この台詞は37話で、テリアモンが優しくジェンに言った言葉の反復。

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うあっ!

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マザーに押しつけられたデュークモン、ADRは更に蹴りつけて――

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デュークモンをマザーの胎内に押し込めてしまう。こうすればデュークモン、人間とデジモンのハイブリッドをロードし、そのポテンシャルすらも獲得出来る――。

消えてなくなれ!

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充満しているデ・リーパーのゲル。デュークモンも流石に身動きが出来ない。

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――タカト……。弱々しくギルモンの声がタカトを呼んでいる。

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タカト、凄まじい殴打にも怯まず――、強い顔になって前を向く。

ぼくたちは――

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絶対に!

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抑え込んでいたADR、突然の隆起に驚く。

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デュークモン、壁を突き破って外へ!

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いなくていい存在なんかじゃ――

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手で防ごうとするも――

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完全にボディに入った拳。

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ない!

 

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ADR-01 C、消滅。

 

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よし! 渦が逆回転を始めた!

何が起こってるの? と麗花が訊く。

筒の回転が光の速度を越えれば、重力場を歪め時間を逆行させる。

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言わば、局所的タイムマシンなんだ。

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重力のある、リアル・ワールドに出てきた報いだ。――バベルがロジックを作っていた。

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頑張れジェンリャ! テリアモン!

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うああああああああっ―― テリアモンはまだ声を上げているが――、

見て! デ・リーパーがあの孔に吸い込まれていく! とサクヤモンが言う。

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遂にマザーのカーネルにまでと辿り着いたデュークモン。樹莉! と呼ぶが――

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その姿がない。

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ん!? と振り向く。

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クルモン! 樹莉!

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エメラルドの淡い光に包まれ、樹莉は漂っている。シナリオには無かった描写だが、ここで踏ん張っているクルモンの声。クルモンの密かなパワーが必死に樹莉を庇っていた様だ。

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樹莉を救いに飛翔するデュークモン。しかし――

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背後から迫る触手――、いや、ケーブル。

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マザーのカーネルから伸びるケーブルに――

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背後の脅威を悟るが――

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遠ざかっていくケーブル。

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急速に向こうへ流れていくマザー。

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うぉおおおおおおおおおおおっっっ!

テリアモン、今の言い方をすれば「ゾーンに入っている」。

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まるで人格があるかの様に、苦悶の声を上げながら全てが孔へと吸い込まれていく。

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断末魔を上げ――

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遂にカーネルまでもが孔の中へ――。

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やった!

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デ・リーパーの最期だ! と喜ぶジャスティモン。

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セント、ガルゴモン……。

 

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やった!と喜ぶワイルド・バンチとヒュプノス・チーム。しかし――

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バンと机に手を叩き――

やっぱり!

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ぼくの作ったレッドカードは失敗だ!

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どうしたSHIBUMI? 何が失敗だ!?

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デジモンたちをデ・リーパー内で自由に活動させる為に――、

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ぼくはデジモンたち固有の波長に近づけ、

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彼らの身体を超流動体にした――。

f:id:yamaki_nyx:20210714010912j:plainこのカットは八島さんではないか。

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あなたの閃きはすばらしかったわ、とデイジー

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激しく顔を横に振り――

いいや!

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人とデジモンのハイブリッド――。計算しきれなかった……。

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ジャンユーが駆け寄ってくる。

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なっ、何が起こる!?

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――予想より早い……。 デジモンたちと子どもたちとの……。

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――何だと!?

 

大人側の進捗は、ナラティヴの中ではオフにしていた。つまり、どういうプランを立て、どういう対策をとるかという作戦立案とその実行プログラムは、タカトたちが戦っている間に、密かに進められていたという話法である。

ただ、最終3話だけではなく、この流れは早くから匂わせてはいた。原始的な不良人工知性駆除プログラムが、どうしてあれほど急速に進化をしたのかについて、当初はデジモンが急速に進化したからだと想定していたのだが、あまりにデ・リーパーの威力を描いた為にそのバランスがとれなくなっていた。何らかの飛躍がないと、リアル・ワールドを侵攻し、既にもう地上世界殲滅にまで王手をかけるまでに進化した理由が説明出来ないと考えた。

後で山木が軽く触れるが、デ・リーパーの進化には、外的な何らかの干渉があったと考えた方が蓋然性が高い。となれば、やはりこのシリーズも、コズミック・ホラーの範疇にある、という事になる……。

 

以降のパートは、山木が回顧的なナレーションがある以外は大人の代表をジャンユー一人に絞った。

ワイルド・バンチ、ヒュプノス・チームの出番もここまでとなる。

素顔を見せないオペレータ、麗花と恵は、山木と同じく、シリーズ序盤から大きく変化をした。こういうものがドラマだと私は考えている。


私は「リアリティ」をアニメでも追求していた。絶対に「リアル」にはならないアニメですらも、リアリティという感覚こそが、虚構を視聴者に実際にあるかの様な臨場感をもたらすと信じていた(今も)。

ワイルド・バンチのドルフィン、デイジー、カーリー、バベル――。実にリアルなキャラクターデザインだったし、声の演技も渋く、非常にリアルに演じて戴けた。

SHIBUMI役に諏訪太朗さんを招くという野心も、関係各責任者の方々から理解を得て、SHIBUMIという不思議なキャラクターを描けた。この、リアル・ワールドとデジタル・ワールドを行き来し、双方の世界を理解しているキャラクターを、当初は策士めいた想定をしていたのだが、いやそれは面白くないと軌道修正して、まさきひろさんと相談して産まれたのがSHIBUMIであった。

デジモンが現実世界にリアライズしてくるという非日常的な現象を、デジタル・ワールド側で体現していたのがSHIBUMI――、その対象関係に私は思い入れていた。

ヒュプノスの山木――、はやはり、私がとても個人的な思いで書いていた。当初の提示は、子どもにつきまとう大人の悪人――という役割で、ジッポー・ライターをカチカチさせていた。選挙で選ばれた訳ではない科学的エリートが、実世界を支配するというテクノクラシーは、今現在、現実に進行している事態であり、こうした存在を私たちはリアル・ワールドで決して許してはならないのだ。H.G.ウェルズが脚本を書いた映画「来たるべき世界」は、破滅しようとしている未来の世界を、「きっと科学者が救ってくれる」というテクノクラートのイディオロギーが既に刷り込まれていた。ウェルズがガチガチのフェビアン主義者だと知ったのは映画をDVDで見てからだった。

だから私は山木に、「憎んで欲しい人間像」として登場させながら、24話で「君たちが羨ましいよ」と言ってPDAを貸し与える変節以降は、私自身を山木に投影させていたと思う。もう私は大人で、タカトたちの様な冒険は出来ない。だけれども、子どもたちの冒険(マインド)を支え、応援する事なら出来ると。

2000年にデジモン・アニメに着手した時の私にとっても、世間にとってもサイバー空間については何らワンダーを感じさせるものではなくなっていた。そこでデジタルなモンスターがメインとなる物語をどう描くか――。ここでもリアリティこそが物語発想の柱になければならなかった。デ・リーパーの設定は、NSAやFBIの監視システムがもし自律意識を持ったら、という仮定から考え出したものだった。

テイマーズに於けるデジモンがどういう存在であったか、については後に書こう。

 

 

 

 

 

第51話回顧 2

 

ラスト・バトルとなれば、セントガルゴモンの中国拳法を見せない訳にはいかない。セントガルゴモン初登場37話も梅澤演出・出口作監回だった。

 

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無力状態となったサクヤモンに、リーパーの鎌が襲いかかる!

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動けないサクヤモン――。

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まかせてー。

テリアモンは何度か「まかせてー」という台詞を言ってきた。その脱力ヴォイスには絶対の安心感が伴う。

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はああああああっ!!

ジェンの気合い!

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強烈なる蹴りで鎌を消滅させる。

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だあああっ!

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後ろ回し蹴りで粉砕!

 

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はあああああああああっ!!

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セントガルゴモンもここは気合いを入れる。

はあああああっ!

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破ッ!!!

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ジャスティモン!(今だ!)

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跳躍!

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天頂から振りかぶって――

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だあああああああっっ!!

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前話から、もうリョウは「爽やかさ」などかなぐり捨てている。金丸さんの気迫が伝わる。

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サクヤモンのパワーを受けたブレードを――

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下部まで斬り裂いていく――。

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はあっ! と気を吐くジャスティモン。

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ケーブルの塊であるリーパー、「The Thing」の様に――

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割れていく。

やったあ! と喜ぶセントガルゴモン。

 

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メタン状流動体デ・リーパーがカーネル内に流れ込んでいる。

この10年程の間に、漆黒のゲル「Black Goo」なるものが都市伝説界の一部で存在が語られている。「X-Files」のエピソードの一つで紹介され、その後「プロメテウス」などの映像作品、Music Videoなどで映像となっているが、これが実は宇宙由来で云々、というもの。これ自体が意識を持っているという説もある。デ・リーパーはそれに近い。

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こ、こんな事になるなんて――。

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私の、せい……?
恐怖におののく樹莉――

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その瞳の中――

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樹莉の恐怖を糧に、デ・リーパーは攻撃的になってきた。そして、今も――。

 

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加藤さあああああああんん!!

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ああッ!?

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マザーの胸元から姿を現す――

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ADR-01。だがもうその顔は樹莉のものとは掛け離れ、サイズも大きい。特別に名前をつけてはいないが、ADR-01 C Typeという事になる。

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口の開き方は、マザーの下部で現れた巨大偽樹莉頭と近い。

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同じく黒い物質を吐きかける。

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うっ!

クリムゾン・モードは盾(イージス)を持たない。

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なんと、インビンシブル・ソードとブルクガングが失われてしまう!

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お前は!?

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顔を掴まれてしまう。

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樹莉の声で――

如何に足掻こうと全ては無駄。

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復活していくリーパー。

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咆哮するリーパー。

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くそう! 何てしぶとい!

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人間もデジモンも、予めいてはならない存在なのだ。

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それを決めるのは――、お前ではない! 

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にっ、人間だって動物だって、植物だって――、それにデジモンだって――、みんな命を持って生まれたら、それを守るんだ!

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だって!それが大切なものだから!

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ADRの腕を掴むデュークモン。タカトの気迫が後押しをしている。

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ジャスティモン、サクヤモン、セントガルゴモンを食らおうと迫るリーパーの巨大なる口蓋――! しかし! 突如その動きが止まる。

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突如、急激な力で地底へ引きずり込まれていくリーパー。

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あっ! 

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四聖獣たちだ!

シナリオではスーツェーモンとチンロンモンと書いていたが、いずれ大きくは動かせないのだから、こうしてバイフーモン、シェンウーモンも描いてくれて良かった。ほんのちょっとの登場ではあるが、四聖獣には最終回で描いておきたかった。

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デジタル・ワールドとリアル・ワールドを繋ぐ孔を、こうして四聖獣の助けによって排除する事が出来た。

 

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それをモニタしている筑波のオペレーション室。

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恵が報告。

トランスフォティック・エディ内、巨大異分子、消滅!

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よし! シャッガイを再起動させろ!

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了解! シャッガイ・カーネル、ブート! 麗花が操作。

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プログラムが起動する。

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デイジーが訊く。

タオ、本当にいいのね?

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目蓋を固く閉じるジャンユー。

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ドルフィン、SHIBUMI、と促す。

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SHIBUMI、全く気負わない口調で――

みんな、覚悟してくれよ。

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エンター・キーを押す。

ん、謎のキー配列。

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突如オペレーション室内が暗くなって――、

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仮想空間と重なる。 3Dモデルの渦巻きが回転している。

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廊下から覗いていたシウチョン――

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うわ~

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すごいね、ロップモン――

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あれ? 見回すが、姿がない。

いたたまれず、ロップモンも仲間のところへ向かっていた。

 

 

 

第51話回顧 1

 

子どもたちとデジモン、そして大人たちがデ・リーパーとの最終決戦に臨む。シナリオは2稿が決定稿になっているが、明らかに長い。梅澤さんは苦労されたと思う。要素的には何一つ落とす事なく、後半の余韻の部分も含めて最終話らしく仕上げて戴いた。

作画監督は出口としおさん。田辺由憲さん、藪本陽輔さんが作画を担当された。美術は清水さんという最終話。

シナリオタイトルは「夢見る力こそ 僕たちの未来 The Biggest Dreamer」。

放送は2002年3月30日。

夢見る力こそ僕たちの未来

脚本:小中千昭 演出:梅澤淳稔 作画監督:出口としお 美術:清水哲弘

 

前話リプライズ、ダイジェストの後、クリムゾン・モードに進化する場面に直結してのサブタイトル。「One Vison」はサブタイトル後もずっと続いている。

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カーネルに囚われている樹莉を救うべく、白い羽根で上昇していくデュークモン・クリムゾン・モード。キャプチャは、誇張されたマザー3画面分の縦パンを繋いだので、飛翔するデュークモンが3サイズ分入っている。

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ここが歌頭。「光を放つ身体が――」

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加藤さん! 待ってて! もうすぐ迎えに行くから!

 

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クルモン!こっち来て!

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クル……。

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青白い炎がカーネル内に。

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D-Arkを握りしめる樹莉。

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私、いつまでも泣いてなんかいたくない!

 

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急速に上昇するデュークモン。

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頼んだぞ! セントガルゴモン! サクヤモン! ジャスティモン!

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前話でダメージを受けたかに見えたリーパーだが、依然活性化している。

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巨大な鎌が寄せ付けない。

くっそー! とセントガルゴモン。

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バーストショット!!

全門開放!

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集中砲火を浴びせる。

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苦悶するかの様な声を上げるリーパー。

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大丈夫か!? テリアモン!

大丈夫だけど、今ので全部弾がなくなっちゃった!

 

セントガルゴモンに「テリアモン」と呼ぶのは初めて。シナリオではセントガルゴモンだった。

梅澤さんの意図を測るに、ジェンにとってあくまでやはり、テリアモンなのだ。声がデュークモンやサクヤモンと違って、テリアモンは進化してもテリアモンらしさを消さなかった。最も外見が変化するからこそ、そうなるべくしてなった措置だった。

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全弾アウト。ジェンは苦渋。

もう打つ手はないのか!?

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 あまりに巨大なリーパーと対峙するサクヤモンとジャスティモン。

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サイバードラモン! とリョウの切羽詰まった声。

判った!

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ジャスティモン、トリニティ・アームでクリティカル・アームを蒸着。

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サクヤモン――

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君の力の全てを、俺のブレードにぶつけてくれ!

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何をバカな事を!

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そんな事したら、あんたたちの身体、どうなっちゃうか判ってんの!?

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一人の力じゃ奴には勝てない。でも――

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ジャスティモンのブレードに、サクヤモンの力を全て注ぎ込む事が出来れば――

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奴をぶち切れる!

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だから! あんたたちが危ないって言ってんのよ!

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――それが俺たちに残された最後の手だ。――頼む留姫。

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――一番、無茶するの、やっぱあんたじゃない。

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初めて褒めてくれたね。

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ジャスティモン、サクヤモンに向き――

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ブレードを掲げる。

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いいの? 留姫。

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私たちは勝つ為にここにいる! リョウ、ジャスティモンを信じる!

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金剛界曼荼羅、ここまではバンクだが――

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ここから新作。

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自らを結界に封じ込めて――

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外装が量子分解していく。

効果音も抑えめで、「サクヤモンの唄」がほぼフルに聞ける。

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進化バンクの中間で描写された、外殻のない黒いボディ・スーツの状態。バンクを見ている内に、こうした描写が出来ると考えた。

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リョウ、受け取って!

「One Vision」の落ちサビ(曲が盛り上がる直前に、オケが静かになるというアレンジ)の部分から再び流れ始める。

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全ての自身のパワーを封じた結界の中のサクヤモン――

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留姫の後ろ姿になって、クロスリング状にパワーを変換――

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苦悶するリョウとジャスティモン。サクヤモンの全パワーは、受けとめるだけでも困難。

 

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ジャスティモーン! 

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これがお前の戦いか。――絶対に勝て!

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ん!?

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マザー・タワーの中層から飛び出すADR-06 Horn Striker。ジャスティモンが苦戦したADRが何体も。

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どうしても邪魔をする気か!

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レオモン――。私やっと判った。

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D-Arkの液晶からオレンジ色の光が――

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私の運命は――、私が決める!

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D-Arkから凄まじいオレンジの光――。

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天井に光が当たり――

 

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インビンシブル・ソード一閃でADRを斬り捨てていく。

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ジャスティモンの方を見るデュークモン・クリムゾン・モード。

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サクヤモンのパワーを、ブレードに集約する事が出来た。

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サクヤモンの力! 確かに受け取った!

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後は、任せたわ。

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サクヤモンは見守っている。

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ジャスティモンが飛翔するや、サクヤモンが力を失って崩れる。

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留姫、大丈夫?

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力、使い果たしちゃったね……。

 

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カーネルの天井を穿つ事に成功。

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やったクル!

レオモンが助けてく――

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はっ!?

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スフィアの割れたエッジが、デ・リーパーの本質であるゲル状のものとなって中に落ち込んでくる。

 

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右手にはブルトガングを持ち――

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樹莉ぃいいいいっ!

無双状態で殲滅し、樹莉を救うべく天頂へ向かうが――

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おあっ!?

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カーネルが割れている。

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加藤さん!?

「One Vison」はちょうど、サックス・ソロの間奏がここまで流れていた。

 

 

 

第50話回顧 5

 

ラニの設定と一緒に、クリムゾン・モードの設定を提示されたのはどの時期であったか。そんなに前ではなく、シナリオがデジタル・ワールド編に入ってからだと思う。だからオープニングにも描かれていないし、登場は番組終了間際。番組寿命から見ても、そんなに商品展開は出来ない。それでも入れたい!という熱意を感じて、シリーズの終幕間際での登場となった。

 

偽樹莉に吐きかけられた毒性で全身が黒くなっているデュークモン、転落していく。

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そのデュークモンに声が届く。

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飛びたいか、デュークモン。

――誰だ!?

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翼を得たいか、デュークモン――。

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翼を――、このデュークモンに、翼を!!

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遠くに小さく光が――。

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やがて姿を現す、グラニ

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ラニ!?

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ゆらゆらと、羽根と胴体が離れて動いている。後方から量子分解が起こっている。かつてアークだった時の様に――

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ぼくはもう、単独で行動出来る力はない。

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ぼくの力の全てを、デュークモンに。

静かに流れ始める「One Vision」イントロ。

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ラニ、やっぱり、デジモン、だったんだね……。

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いいのか!? グラニ

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ぼくにいっぱい話しかけてくれてありがとう。ギルモン、タカト――。

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ラニ!!

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ラニよ! デュークモンと共に生きろおおおおおおっ!!

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ここで「One Vision」の歌頭。

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進化バンクなどとても新規には作れず、モード・チェンジ前、後をデジタルで繋ぐ編集だが、新しい姿になる時の紙吹雪の様な四角のパーティクルは、デュークモンの進化バンクと同じ表現。

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6枚の翼を背負い、左手にインビンシブル・ソードを持った姿――。

番組が終わるや、ウィズの方と会う機会もなく(いや、一度あったのだがこれは別に書こう)、確かめた事がないのだけれど、このクリムゾン・モードの羽根は――、

 

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6話で初出の「白い羽」カードによるのだと私は思っている。その後――

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8話など何度も何度も、シリーズ初期の未熟なテイマーであったタカトはこのカードをスラッシュした。最初は巧く使えても、徐々に失敗のフラグ・カードになってしまっていた。

このシリーズ序盤の展開から、このデザインが描かれたと勝手に思っている。美しい相互作用の生んだキャラクターだ。だから、クリムゾン・モードはタカトのモードでもあるのだ。

 

 

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ラニはぼくたちと……。

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上を見上げるタカト。

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デュークモン・クリムゾン・モード、右腕を差し出すや――

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光の神槍グングニルが現出。

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偽樹莉巨大頭目掛けてグングニルを突き出すと――

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圧倒的な力のクォ・ヴァディスが――

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凄まじいエネルギーをぶつけられる。

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あれが、デュークモン……。

 

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巨大頭を消し去る。

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そのまま樹莉を救いに上昇。

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突如、樹莉を拘束していたケーブルが外れる。

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無重力状態。

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雄叫びを上げながら飛翔していくデュークモン・クリムゾン・モード。

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おああああああああああっっ!!!

ワンカットで目のアップまで寄って――、50話は終わる。

 

ゼロ・アームズ・グラニの設定を聞いた時、私は「それじゃ殆どデジモンですよね?」と訊いた。いや、デジモンそのものではない、という答え。そうですか……、と引き取るも、アーク、そしてグラニも、明らかに自我を持っているという描写をしていた。

最後の最後だけ、グラニに喋らせたいと思った。アーク、グラニに一生懸命に話しかけた、ギルモンとタカトに御礼を言って欲しかった。

ラニの声は、ドルフィン役の菊池正美さんが、ドルフィンとは全く異なる発声で演じられた。前話の次回予告で既にネタバレ的に出演されている。

 

 

(Cable)Reaper 説明は前エントリで書いた。

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徳重さんが美術の回は、背景として徳重さん一人しかクレジットされない、というのも実は本ブログを書いてから知った。テイマーズで担当された回でも、印象的な背景画は幾つも浮かぶ。担当は今話まで。ありがとうございました。

 

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浅沼さんはデジモン・シリーズへの参加はテイマーズが初。この後、クロスウォーズでキャラクターデザイン。現在放送中の「デジモンアドベンチャー」(2020~)も総作画監督と、中鶴勝祥さんと共にキャラクターデザインを担当されており、今のデジモン・アニメを担われている。テイマーズでは、7話で角銅さんと私という組み合わせを担当されていた。印象的だったのは31話ガードロモン回のアクション。お疲れ様でした。

 

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前に記した通り、今話のシナリオは多くの部分をシナリオで具体的には描写せずまま、角銅さんに委ねてしまったところが多い。これまでの数々の伏線を回収していく段では、新たに設定を考える余裕が私にもなかった。

前シリーズ、というよりも、デジモン・アニメそのもののクリエイターであった角銅さんが、テイマーズでも引き続きローテーションで入って貰える事は本当に有り難い事だった。角銅さんと複数話を作れたシリーズは、私のキャリアでもテイマーズだけになってしまった。単発では幾つかあったのだけれど。

テイマーズでの角銅さんは、やっぱり21話「レオモン様」が至高だった。私とは、7話、35話でも組んで戴き、やっぱりこの時も色々甘えてしまっている。

ちょっとしたプロジェクトはこれから予定があるものの、やはり角銅さんと一度は本格的にホラーのアニメを作ってみたいと今でも思う。

お疲れ様でした!

 

 

#50 Credits

 

ギルモン~デュークモン:野沢雅子
松田啓人~デュークモン:津村まこと
テリアモン~セントガルゴモン/ロップモン:多田 葵
李 健良~セントガルゴモン:山口眞弓
レナモン~サクヤモン:今井由香
牧野留姫~サクヤモン:折笠冨美子
サイバードラモン~ジャスティモン/ヘリ・パイロット:世田壱恵
秋山 遼~ジャスティモン:金丸淳一
インプモン:高橋広樹
アイ:寺田はるひ   デジモン、テイマーの順表記でのクレジットは初。
マコ:松本美和
ガードロモン:梁田清之
塩田博和:玉木有紀子
マリンエンジェモン:岩村 愛
北川健太:青山桐子

クルモン:金田朋子
加藤樹莉/デ・リーパー:浅田葉子
李 小春/鳳 麗花:永野 愛
松田剛弘:金光宣明
松田美枝:松谷彼哉
李 鎮宇:金子由之
山木満雄:千葉進歩
小野寺恵:宮下冨三子
ドルフィン/ラニ菊池正美
バベル:乃村健次
カーリー:松岡洋子
SHIBUMI(水野悟郎):諏訪太朗

ナレーション:野沢雅子

 

原画:芹田明雄 永木龍博 野沢 隆 八島善孝 浅沼昭弘
   作楽クリエイト 伊藤秀樹 山口裕昌 関 暁子

動画:佐藤恭子 篠原悦子

背景:徳重 賢

デジタル彩色:村田邦子 鏡沼孝子 加藤英惠 藤原辰雄

色指定:板坂泰江 大谷和也

デジタル合成:三晃プロダクション
       広川二三男 則友邦仁 峰岸智子 大西弘悟 金子直広

演出助手:地岡公俊

製作進行:山下紀彦

 

 

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次回予告の深刻なネタバレ問題……。