Digimon Tamers 2021 Blog

デジモンテイマーズ放映20周年記念ブログ

第51話回顧 5

 

 一年続いたシリーズ最終話のラスト・シーン。この終わり方だけは、ぼんやりとシリーズ構成を始めた時から想定していた。しかしこの場面に至るまでは、到底初期に思いつける範疇では有り得ない膨らみを、他のライター陣、演出家の方々によって築かれてきた。それを経ての終わり方なのだから、意味合いがまるで違っている。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714011503j:plain

前場面から短い黒味のフェード・イン/アウト。

f:id:yamaki_nyx:20210714011508j:plain

新宿中央公園、最後に残った「ゾーン」。そこにいる――

f:id:yamaki_nyx:20210714011513j:plain

テイマーたちとデジモンたち。消えていくゾーンを見つめている。

四角形のモザイクが明滅する。これも手間の掛かる処理だったと思う……。

f:id:yamaki_nyx:20210714011518j:plain

終わったんだよね、これで……。

留姫が清々しい顔で感慨深げに言う。

f:id:yamaki_nyx:20210714011523j:plain

タカト、やったね。とギルモン。

うん! とタカト。

ここから流れ始める「3 Primary Colors(作詞:山田ひろし 作・編曲:太田美知彦。最初期に作られたキャラクター・ソング。「テイマーズ」というクレジットで、津村さん、折笠さん、山口さんがそれぞれのキャラクターとして歌っている。オケ(イントロ、エンディング)は劇伴としてよく使われたが、タカトのパートだけが流れた9話を除いて、はっきり三人の歌を聴かせるのはここが最初で最後。第一部の状況が歌詞にされているが、最終回でも意外に合わないでもない。しかし何より、この曲の雰囲気、ローズの美しい和音と三人の歌声がここで流れるという事が重要だった。

f:id:yamaki_nyx:20210714011527j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714011532j:plain

顔を見合わせるタカトと樹莉――。

f:id:yamaki_nyx:20210715011309j:plain

あ? と樹莉が向こうに目を送る。タカトも振り向く。

f:id:yamaki_nyx:20210714011542j:plain

インプモンと、アイとマコが来ている。

f:id:yamaki_nyx:20210714011548j:plain

インプモン、無事だったのか。とレナモン。

傷ついたインプモンをサクヤモンが救い、なんとかアイとマコには届けたものの、この姉弟がケアをしなければ危うかったのだ。

f:id:yamaki_nyx:20210714011553j:plain

へへーん。

f:id:yamaki_nyx:20210714011558j:plain

俺にもよう、テイマーがいたぜ。

f:id:yamaki_nyx:20210714011603j:plain

アイの首からD-Arkが下げられている。まだアイもマコも、これが何をするものなのかは知らない。このカットだと、アイだけがテイマーの様に見えるが、私は二人ともテイマーだったと思っている。デジノームがD-Arkを与えた時に、手を差し伸ばしたのは二人だったからだ。

2018年に、割と本気で続編番組「デジモンテイマーズ2020」という企画書を書いた時の想定では、この二人がメインの一軸になる予定だった。勿論、タカトたちも描くが。これについては後に書くかもしれない。いずれにせよ、実らなかった。

f:id:yamaki_nyx:20210714011610j:plain

そうか……。レナモンは心から祝福している。

留姫らはまだ、少し複雑な表情をしている。

f:id:yamaki_nyx:20210714011615j:plain

インプモン、少し歩み寄っていく。切実に言いたい事があった。

俺――、俺――、

当然インプモンは、樹莉に謝りたかった。しかし、そういう事を言う事に慣れていない。

良かった、と樹莉が声を掛ける。

え? 意外さに詰まるインプモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714011621j:plain

もう誰も――、誰一人だって、いなくなって欲しくなかった。――と樹莉が言う。

加藤さん……。タカトにも意外な言葉だった。

俺を、俺を許すっていうのか?

f:id:yamaki_nyx:20210714011626j:plain

微笑む樹莉。それが答えだ。

f:id:yamaki_nyx:20210714011631j:plain

戸惑うインプモンの顔。

ここで歌頭。タカトが「なんで戦わなくちゃいけないんだろう? ぼくはただ傷つけたくないんだよ」が流れる。これがテイマーズだった。

f:id:yamaki_nyx:20210714011635j:plain

ちゃんと謝ろうとしていたのに、先に許されてしまった――。この動揺かと思われた身体の揺れだが――、

f:id:yamaki_nyx:20210714011640j:plain

インプモンの身体に異変が起きている。淡い光が身体内部から発し――

f:id:yamaki_nyx:20210714011646j:plain

自分の身体を見る。

f:id:yamaki_nyx:20210714011650j:plain

タカトぉ!

ギルモンだけではなく、デジモンはみな光を発している。戸惑うテイマーたち。

f:id:yamaki_nyx:20210714011655j:plain

ギルモン! どうしちゃったの!?

f:id:yamaki_nyx:20210714011700j:plain

判んない……と縮んでいくギルモン。クルモンもくるる~と不安げ。

f:id:yamaki_nyx:20210714011705j:plain

レナモン?

何か、変だ。

f:id:yamaki_nyx:20210714011710j:plain

ジェーン――

テリアモン!?

f:id:yamaki_nyx:20210714011715j:plain

サイバードラモン!?

何かが、起こっている……。

f:id:yamaki_nyx:20210714011721j:plain

ケンタ、ヒロカズもパートナーの異変に恐れる。

f:id:yamaki_nyx:20210714011735j:plain

ジャンユーに連れてきて貰ったシウチョンが元気よく駆けてくる。

ジェン兄ちゃーん! ロップモン! テリアモーン!

f:id:yamaki_nyx:20210714011740j:plain

あれれ?

f:id:yamaki_nyx:20210714011746j:plain

どうしてこんなにちっちゃくなっちゃったの?

f:id:yamaki_nyx:20210714011751j:plain

覚悟を決めて、そこに現れたジャンユー。

f:id:yamaki_nyx:20210714011756j:plain

お父さん!? ジェンが悲痛に叫ぶ。

どうして!? どうしてギルモンたちは退化しちゃうの!

f:id:yamaki_nyx:20210714011800j:plain

はっとなるジェン。

退化……?

f:id:yamaki_nyx:20210714011805j:plain

お父さん! これって――

f:id:yamaki_nyx:20210714011810j:plain

ジェンの視線を直視出来なくなった。

f:id:yamaki_nyx:20210714011815j:plain

私たちの計画は成功した――。

f:id:yamaki_nyx:20210714011821j:plain

リアル・ワールドとデジタル・ワールドの境界は、再び強固なものとなった……。

じゃ――、デジモンたちは!? とリョウが問う。

彼らの世界に帰らなくてはならない。

f:id:yamaki_nyx:20210714011825j:plain

このままここにいたら、デ・リーパーの様にプログラムになってしまう……。

アイとマコ、幼年期になったインプモンを他のみんなのところまで連れてくる。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714011830j:plain

そんなの嫌だよ! ぼくは約束したんだ! ギルモンとずっとずっと一緒だって――

f:id:yamaki_nyx:20210715173617j:plain
幼年期になったレナモンをきつく抱き締める留姫。

私、そんなの絶対認めない!

f:id:yamaki_nyx:20210714011840j:plain

お父さんは――、こうなるって事が判ってて、テリアモンを――

f:id:yamaki_nyx:20210714011845j:plain

いや、いずれ別れは来るとは予期していたが、こんなにすぐにだとは、SHIBUMIもジャンユーも想定していなかった。しかし、ジャンユーは言い訳をしない。

本当にすまない。つぐない、きれない事をした……。

f:id:yamaki_nyx:20210714011851j:plain

しかし! これが(二つの)世界を守る、唯一の方法だったんだ!

 

f:id:yamaki_nyx:20210714011855j:plain

父を睨みつけているジェンに、

f:id:yamaki_nyx:20210714011900j:plain

ジェン、と声を掛けるテリアモン。

え?

f:id:yamaki_nyx:20210714011905j:plain

モーマンタイ。

テリアモン……。

グミモン(幼年期名)になっても、テリアモンはテリアモン。これで終わりじゃないよ、Take it easy、とジェンに告げている。

f:id:yamaki_nyx:20210714011910j:plain

ゾーンに吸い込まれていくテリアモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714011915j:plain

でも笑顔だ。

f:id:yamaki_nyx:20210714011920j:plain

レナモン、やだ! 離れたくない!!

f:id:yamaki_nyx:20210714011925j:plain

留姫、私たちきっとまた会える。

f:id:yamaki_nyx:20210714011929j:plain

またって何時!? いつなのよ!?

f:id:yamaki_nyx:20210714011934j:plain

ギルモン……。

f:id:yamaki_nyx:20210714011939j:plain

またいっしょにあそぼうね。 タカト。

f:id:yamaki_nyx:20210714011943j:plain

うん、うん……。

f:id:yamaki_nyx:20210714011949j:plain

タカトはまた会えると信じて、ギルモンを手放す。

f:id:yamaki_nyx:20210714011955j:plain

ガードロモンだったカプリモン――

幼年期が一体ずつゾーンに消えていく。歌は留姫のパートに入る。

f:id:yamaki_nyx:20210714012000j:plain

マリンエンジェモンは本来ルカモンという幼年期があるのだが、全く異質な姿なので究極体だからそのままに。

f:id:yamaki_nyx:20210714012004j:plain

サイバードラモンの幼年期、ホップモン――

f:id:yamaki_nyx:20210714012010j:plain

インプモンの幼年期、ヤーモン――

f:id:yamaki_nyx:20210714012014j:plain

クルモンはそのままだ。

f:id:yamaki_nyx:20210714012019j:plain

ロップモンの幼年期、チョコモン――

f:id:yamaki_nyx:20210714012025j:plain

テリアモンの幼年期、グミモン――

f:id:yamaki_nyx:20210714012030j:plain

レナモンの幼年期、ポコモン――

f:id:yamaki_nyx:20210714012036j:plain

ギギモンとなったギルモン。

約束だね、タカト、たのしみだね――と言いながら消えていく。

f:id:yamaki_nyx:20210714012041j:plain

ターカトー――。

f:id:yamaki_nyx:20210714012046j:plain

シウチョンには訳が判らない。

みんなどこ行っちゃうの!? 行かないで!

f:id:yamaki_nyx:20210714012051j:plain

ジェンにしがみついて泣き出すシウチョン。

そっとその頭を撫でるジェン。

みんなはもう完全に消えつつあるゾーンを見つめ続けている。

f:id:yamaki_nyx:20210714012057j:plain

ジェン、父の方に振り向く。

f:id:yamaki_nyx:20210714012104j:plain

どんな厳しい言葉をも覚悟しているジャンユー。

f:id:yamaki_nyx:20210714012114j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210715014824j:plain

泣いているが、微笑むジェン。ここから歌はコーラスに入る。

f:id:yamaki_nyx:20210714012125j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714012130j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714012135j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714012140j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714012145j:plain

ジェンは父を許した。

勿論、気持ちの整理など出来ていない。しかし聡明なジェンは、父たちが決して、デジモンと子どもの別れなど意図していなかった事も理解したのだ。

山口眞弓さんには申し訳なかったが、一番重要な場面は、映像だけで見せたかった。最終回で一番見せたかったのは、ここだった。

f:id:yamaki_nyx:20210714012151j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714012157j:plain

ジェンリャ……。

f:id:yamaki_nyx:20210714012201j:plain

膝をつくジャンユー。

f:id:yamaki_nyx:20210714012206j:plain

むせび泣くジャンユー。

20年近く前に、将来子どもとデジタル世界のモンスターが遊べる様な構想を抱いていたのがジャンユーだった。思わぬ形だがそれが実現した。何より、テリアモンという得難い存在とも親しくなれた。息子を命懸けのミッションにまで参加させている。

それなのに、この結果には男泣きするしかないのだ。金子さんの抑制的な演技で、私は泣いた。

f:id:yamaki_nyx:20210715180215j:plain
絶対だよ……。タカトは見えないギルモンに言う。

f:id:yamaki_nyx:20210714012216j:plain

ギルモン、約束だからね……。

f:id:yamaki_nyx:20210714012220j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210715180409j:plain
遂に、ゾーンはこのリアル・ワールドから消滅した。

f:id:yamaki_nyx:20210714012232j:plain

一瞬のホワイト・アウト。曲はここからガットギターのソロ・パートに。

f:id:yamaki_nyx:20210714012236j:plain

まつだベーカリー店内。やや経ってからの時制。淀橋小学校が復旧した頃。

麗花が美枝と話をしている間、ルーズな格好の山木がパンを選んでいる。あーヒュプノスのロゴ入りパーカー、とうとう商品化されなかったなぁ……。

f:id:yamaki_nyx:20210714012242j:plain

タカトがレジ横から顔を出して中を窺い――、すぐ引っ込む。もう遅刻しそうなのだ。

デ・リーパーを退化させる、という表現にしたのは、災害復旧をリアルに見せたくなかったからだ。デ・リーパーが覆っていたエリアは、覆う前の状態に時間が引き戻されている。なので日常がすぐに戻って来た。これも9/11の直後に提示する作品としての配慮であった。

f:id:yamaki_nyx:20210714012247j:plain

おはよー! 恐竜公園の時計台――、テイマーズの物語が始まったところ。

この場面はシナリオでもう少し描写があった。泰三、美紀といった他の子の名前もある。全く覚えていなかったが、やはりショートの女子は美紀という名前だった。この時計台の下で、樹莉と美紀がカード・バトルをしているのを、ヒロカズ、ケンタ、泰三が見ているという場面。タカトが「おはよー」と来ると――

ケンタ「おータカト、おせーじゃん」

ヒロカズ「あっ、バカ! 加藤そんなカード、そこで使うな!」

樹 莉「うるさいなっ! ちょっと黙ってて! タカト君、おはよ」

タカト「うん……、おはよう(微笑)」

 

f:id:yamaki_nyx:20210714012251j:plain

シナリオでは、授業中に樹莉が振り向いて「ワン」と手の形だけするという描写にしていた。普通のクラスメイトに戻ったけれど、まだ意識し合う関係――というニュアンスを出したかったが、この描写でもそれは伝わる。

 

ここからのタカトのモノローグは、梅澤さんが付け足したもの。

f:id:yamaki_nyx:20210714012256j:plain

こうしてぼくの生活は、ギルモンが現れる前と何一つ変わらなくなった――。

f:id:yamaki_nyx:20210714012302j:plain

覇気のある表情で、真剣に生徒に伝える授業をしている浅沼奈美先生。

f:id:yamaki_nyx:20210714012308j:plain

中央公園。冬枯れの木立――。

f:id:yamaki_nyx:20210714012313j:plain

駆けてくるタカト――。

f:id:yamaki_nyx:20210714012318j:plain

かつてギルモン・ホームだったところを立ち止まって見上げるも――

f:id:yamaki_nyx:20210714012323j:plain

歩き出す。

f:id:yamaki_nyx:20210714012328j:plain

長い影。

f:id:yamaki_nyx:20210714012333j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714012337j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714012343j:plain

と、デジノームが飛び立っていく。

f:id:yamaki_nyx:20210714012348j:plain

何かを感じて立ち止まり――

f:id:yamaki_nyx:20210715012213j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714012358j:plain

振り向く。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714012403j:plain

やっぱり来てしまう、ギルモン・ホーム。

ギルモンが掘って、自分たちがデジタル・ワールドに旅立った時の、穴。

f:id:yamaki_nyx:20210714012409j:plain

じっとそこを見つめていたタカト――

f:id:yamaki_nyx:20210714012414j:plain

愕然。

f:id:yamaki_nyx:20210714012419j:plain

穴の奥底に――、ゾーンの光が。

f:id:yamaki_nyx:20210714012424j:plain

ギルモンと、出会う前の……。

f:id:yamaki_nyx:20210714012429j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714012434j:plain

 

顔を輝かせたタカトの顔で、ストップ・モーションにならないまま、「デジモンテイマーズ」の物語は終わる。

「3 Primary Colors」は巧みに編集されたかもしれないが、イントロからエンディングまできっちりと全曲流れ、極めて美しい終わり方をした。

 

タカトのモノローグは、サイレント(台詞なし)処理というシナリオではもの足らないと梅澤さんが感じたが故だと考えた。

ギルモンと出会う前の、という言葉を強調したのは、またギルモンと会える可能性がある、という意味だと思った。それは本当であるし、これで全て一切無かった事にもなっていない。

私が、ギルモン・ホームで再びデジタル・ワールドへの架け橋がまだ、リアル・ワールドにはあるという終わり方にしたのは、今思うと「貝澤さんなら、こういう終わらせ方をさせるだろうなぁ」と思ったのだろう。

意外と貝澤さんは、私以上にウエットさを避ける印象を抱いていた。「ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー」の経験で。

テイマーズはシリーズ後半、実際だと後半1/3くらいは頼れる監督的存在がおらず、私が一貫性を維持する立場となってしまった。後半になると、角銅さん以外の各話担当の演出の方々の好みや傾向なども判ってきたし、ものすごく困る事もなかったのだけれど、私があれこれと作図したのは、やりたくてやった訳では無いとだけ言っておきたかった。これは監督がやるべき事だった。

  

f:id:yamaki_nyx:20210714012440j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714012529j:plain

最終3話のシナリオを書きながら、各話演出の方に説明する為に概念図を幾つか作成した。マザーは全高700mの想定。Wired Zoneは破壊された後のカーネルに移動した。最後に現れるADRは「Faceless」と書いてあるが、シナリオでも記していない。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714012541j:plain

これは既に一度掲載したが、リアル・ワールドに重なるデジタル・ワールド、ゾーンのイメエジ画。荒牧さんに描いて貰ったもの。ラスト・シーンの表現。

 

 

f:id:yamaki_nyx:20210714012604j:plain

オペレーション・ドゥードゥルバグ「蟻地獄作戦」の説明。記してあるテキストを採録

デ・リーパーは自己を知性進化させ、自己拡大をする為に自身の内部を量子コンピュータ化させ、それを駆動すべく超高速渦「Transphotic Edy」を形成させた。

ワイルド・バンチと山木は、この渦を逆に超高速回転させ、デ・リーパーを退化させる為に、テリアモンの耳にシャッガイ(ネット内に強力な渦を起こし人工知性を巻き込むシステム)の改良版をプログラム・ロードしていた。

 

 

脚本家として最終話に悔いがあるか、と言われたら、メイン3人以外のテイマー、デジモンたちにもっとちゃんと挨拶をさせたかったのは山々だ。しかし、基本である三人に絞ったからこそ、別れに接した時の三人それぞれの個性で描けたのは事実だし、「想定外の早い別れ」を今以上に尺を使うべきでもなかったのだから、やはり完成作品以外には選択肢がなかった。消極的な意味では勿論ない。

 

f:id:yamaki_nyx:20210715004823j:plain

もう感謝しかない。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714012451j:plain

清水さんの背景美術は、第一部、デジタル・ワールド編のハイパー・リアルでありながら、単に写真的ではない美を感じた時が多かった。ありがとうございました。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714012456j:plain

作画監督はみな個性的な絵柄を描かれるが、出口さんは特にギルモンの描き方が独特で、楽しみだった。通常回なら一人で全原画を描かれていた。印象的だったのは29話「クルモンの城」回。クルモンのミュージカル・シークェンスの底抜け具合には本当に楽しませて戴いた。ありがとうございました。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714012501j:plain

梅澤さんと脚本・演出で組むのはこれが最初で最後になったのだが、勿論ホン打ち(脚本打合せ)時に、何度も顔は合わせていたし、やたら口を出すシリーズ構成だなぁとでも思われたのか、最初は怖い人的な印象だった。しかし演出された6,16,22,30,37,そして何より43話を見れば、マンガ的な表現もリアルな表現も、そしてアニメでなければ描けないスペクタクルも見事にフィルムにされる人だと判っていたので、最終話を担当して貰えて本当に有り難いと思った。

後年プロデューサーに転身されてから、「怪~AYAKASHI~」の「四谷怪談」、「モノノ怪」に私を喚んでくれた。後者は、えええっと思う様な手法をとる為に、2~3話分にしなければならず、スタジオ側がそれしか出来ないという事情を率直に明かしてくれたので、ならばと、数話保つだけのプロットを作った。恐らくそれは創作的にも成功だったのだと思う。他にない1クール・シリーズになった。

その後、ある有名タイトルのリメイクを映画として、実写でもアニメでもいける様にシナリオにして欲しい。しかし映画になる可能性は低い、という条件の仕事を梅澤さんからオファーされた。やはり成立しなかったのだが、これは書いていて本当に楽しかった。

その後が長くなってしまったが、シリーズ序盤から最終話まで、本当にお疲れ様でした。

 

 

 

#51 Credits (Full)

 

脚本:小中千昭

ギルモン~デュークモン:野沢雅子
松田啓人~デュークモン:津村まこと
テリアモン~セントガルゴモン:多田 葵
李 健良~セントガルゴモン:山口眞弓
レナモン~サクヤモン:今井由香
牧野留姫~サクヤモン:折笠冨美子
サイバードラモン~ジャスティモン:世田壱恵
秋山 遼~ジャスティモン:金丸淳一
加藤樹莉/デ・リーパー:浅田葉子
クルモン:金田朋子
インプモン:高橋広樹
塩田博和:玉木有紀子
マリンエンジェモン:岩村 愛
北川健太:青山桐子
李 小春/鳳 麗花:永野 愛
小野寺恵:宮下冨三子
山木満雄:千葉進歩
李 鎮宇:金子由之
ドルフィン:菊池正美
デイジー百々麻子
バベル:乃村健次
カーリー:松岡洋子
SHIBUMI(水野悟郎):諏訪太朗

ナレーション:野沢雅子

協力:東映アカデミー

 

原画:出口としお 田辺由憲 藪本陽輔

動画:下平夕子 吉川真奈美

背景:スタジオロフト 井上徹雄 阿部とし子 劉 基連

デジタル彩色:松山久美子 井田昌代 露木奈美 木村紘子

色指定:板坂泰江 大谷和也

デジタル合成:三晃プロダクション
       広川二三男 則友邦仁 山口博陸 清水正道 緒方美佐子

編集:片桐公一

録音:池上信照

効果:奥田維城

選曲:西川耕祐

記録:小川真美子

演出助手:まつもとただお

製作進行:坂本憲知生

美術進行:御薗 博

仕上進行:浅間陽介

プロデューサー補:馬場厚成

キャスティング:小浜 匠

広報:北野あすか(フジテレビ)

録音スタジオ:タバック

オンライン編集:TOVIC

挿入歌:「One Vision」「EVO」「3 Primary Colors」
    (NECインターチャネル

音楽協力:NECインターチャネル

 

美術:清水哲弘

作画監督:出口としお

演出:梅澤淳稔

 

企画:川上大輔(フジテレビ)
   木村京太郎(読売広告社
   関 弘美(東映アニメーション

原案:本郷あきよし

連載:「Vジャンプ」(集英社

シリーズ構成:小中千昭

音楽:有澤孝紀

主題歌:「The Biggest Dreamer」
     (作詞:山田ひろし 作・編曲:太田美知彦 歌:和田光司

    「Days -愛情と日常-」
     (作詞:うらん 作曲:大久保薫 うらん 編曲:大久保薫 歌:AiM)
     (NECインターチャネル

製作担当:岡田将介

キャラクターデザイン:中鶴勝祥

総作画監督:信実節子

美術デザイン:渡辺佳人

CGデザイン:荒牧伸志

シリーズディレクター貝澤幸男

シリーズディレクター補:中村哲治

製作協力:東映

制作:フジテレビ
   読売広告社
   東映アニメーション

 

 

本ブログはこの後、オープニング、後期エンディングを回顧し、シリーズのその後を記す予定。

 

 

 

 

 

 

第51話回顧 4

 

2017年にニコニコ動画で4話ずつ配信された際に見直した時、51話が自分の記憶と少し違って、デ・リーパー撃退までが想定より長くなっている感覚を抱いたのだが、キャプチャをとりながらシークバーを見ると、計算通りな尺で残りのパートがちゃんと残されていた。現存するシナリオでそれを読み切れないのは、長く書きすぎていた(20枚、製本台本40P分)からで、きちんと収めてくれた梅澤さんには感謝しかない。

デ・リーパーが退化し、リアル・ワールドから消えていくという事は、今彼らがいるデ・リーパー・ゾーンそのものも消失しようとしている事になる。究極体がゾーン内で活動出来る様に最適化されたのが、SHIBUMIが書いたレッドカードのアルゴリズムだった。ゾーンが消えると、究極体そのものも成立しなくなってしまう。デジタル・グライドの力まで削いでしまう。

 

途方もない戦いを終えてホッとしていた時――

f:id:yamaki_nyx:20210714010956j:plain

突如苦しみ始め、光を放ち始めるジャスティモンとサクヤモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714011000j:plain

どうした!? サイバードラモン!?

リョウ! 何かおかしい!

f:id:yamaki_nyx:20210714011006j:plain

突如「テイマーボール」の「グライド」(帯)が消える。

f:id:yamaki_nyx:20210714011011j:plain

留姫! すまない! 私にはどうにも出来ない! 今井さんはサクヤモンではなくレナモンとして演じている。

f:id:yamaki_nyx:20210714011016j:plain

どうなっちゃうの!?

 

f:id:yamaki_nyx:20210714011022j:plain

樹莉ーーっ! 飛翔していたデュークモン――、

f:id:yamaki_nyx:20210714011028j:plain

突如苦しみ、光に包まれる。

f:id:yamaki_nyx:20210714011032j:plain

どうしたの!? ギルモン!?

f:id:yamaki_nyx:20210714011037j:plain

タカト――、もうこの姿、保てない……。

f:id:yamaki_nyx:20210714011042j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714011049j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714011053j:plain

ギルモン! 

タカトぉ!

f:id:yamaki_nyx:20210714011058j:plain

彼らも分離する。

f:id:yamaki_nyx:20210714011105j:plain

タカト! 樹莉を!

f:id:yamaki_nyx:20210714011113j:plain

うん!

f:id:yamaki_nyx:20210714011118j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714011126j:plain

タカト、ギルモンの尻尾を掴む。

f:id:yamaki_nyx:20210714011131j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714011136j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714011141j:plain

ギルモン、渾身の力で自分の尾を振り回して――

f:id:yamaki_nyx:20210714011147j:plain

タカトを押し出す! 

無重力空間の連携プレイ。7話でギルモンを救う為に、ジェンと留姫がタカトを押し出した7話の反復。

f:id:yamaki_nyx:20210714011152j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714011156j:plain

気合いの声のタカト。

f:id:yamaki_nyx:20210714011201j:plain

デジモンよりも人間の方が、ゾーンはトキシック。留姫もリョウもぐったりしている。

早くここから出なくては留姫たちが!

だが、あいつらがまだ――と、サイバードラモンが下方を促す。

f:id:yamaki_nyx:20210714011206j:plain

孔から浮かび上がってくるジェン。

f:id:yamaki_nyx:20210714011211j:plain

テリアモン……。

f:id:yamaki_nyx:20210714011216j:plain

テリアモンの姿は見えない――。

f:id:yamaki_nyx:20210714011220j:plain

レナモン、ジェンを……。

判った!

ここで暗転。

じゅーり! じゅーり!とクルモンの声。

f:id:yamaki_nyx:20210714011225j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714011230j:plain

加藤さん!

f:id:yamaki_nyx:20210714011236j:plain

ぼくだよ!

長い睫越しの開眼POVだった。

f:id:yamaki_nyx:20210714011240j:plain

タカト、くん……?

f:id:yamaki_nyx:20210714011245j:plain

ぼくだよ! 来たんだ! 迎えに!

f:id:yamaki_nyx:20210714011250j:plain

私――、会いたかった……、とっても……。

f:id:yamaki_nyx:20210714011254j:plain

ぼくだって!

f:id:yamaki_nyx:20210714011300j:plain

樹莉、急に元気づいてタカトに抱きつく!

ここから「デジモンテイマーズのテーマ」。

f:id:yamaki_nyx:20210714011306j:plain

クルモンが耳を大きく拡げる!

f:id:yamaki_nyx:20210714011311j:plain

じゅりー、と平泳ぎしながら上ってくるギルモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714011316j:plain

くるも~ん! ギルモーン!

f:id:yamaki_nyx:20210714011321j:plain

レナモンが留姫とジェンを保護している。

早くここから出ないと!とレナモンがタカトに。

だけど、どうやってここから出たらいいんだろう……。

ぱぴゅぽー、という声。おーーーーーいというヒロカズの声も。

f:id:yamaki_nyx:20210714011326j:plain

すると! 一同に被さってくる巨大な――オーシャンラブの泡。

f:id:yamaki_nyx:20210714011331j:plain

おーいみんなーっ! とケンタが呼んでいる。マリンエンジェモンのテイマーである。

助けに来てやったぜ俺たち様がよ! とヒロカズ節。

f:id:yamaki_nyx:20210714011336j:plain

ヒロカズ! ケンタ!

あんたたち……、と留姫が頼もしそうに。

f:id:yamaki_nyx:20210714011342j:plain

さっ、帰ろうぜ! とヒロカズ。

シナリオだと「テリアモンはどこだぁ?」というガードロモンの台詞だったが、ケンタに振り返られた。今話、梁田さんは呼べなかった……。

f:id:yamaki_nyx:20210714011351j:plain

マリンエンジェモン! テリアモンを頼む!

f:id:yamaki_nyx:20210714011356j:plain

ぴ~ぴ~ぷ~

f:id:yamaki_nyx:20210714011401j:plain

孔を降下していくオーシャンラブの泡――。

f:id:yamaki_nyx:20210714011405j:plain

ジェンが叫ぶ。

テリアモン! 大丈夫かーーーっ!?

f:id:yamaki_nyx:20210714011410j:plain

も~まんたい~~~~ 

f:id:yamaki_nyx:20210714011416j:plain

みんな、一緒だね?

f:id:yamaki_nyx:20210714011421j:plain

うん! みんなずっと一緒さ! ね? ギルモン!

f:id:yamaki_nyx:20210714011426j:plain

うん!と深く頷くギルモン。

日本の小学生の、最大限な愛情表現は「抱きつく」事だと思った。

後期エンディング曲、AiMさんが歌う「Days -愛情と日常-」の事は一度Twitterでは回顧したのだが、改めて後に書こうと思う。ともあれ、間違いなくラヴソングだと私は思ったし、この曲がシリーズの終幕をどう描くか、大きな啓示をくれたとも思っている。ただ、当然タカトと樹莉の関係性は、恋人には至っていない。だから、これが「最大限」なのだ。

 

引いていくデ・リーパー・ゾーンの点描を見せながら、山木が回顧的にモノローグ。

f:id:yamaki_nyx:20210714011431j:plain

あれが本当にただのプログラムだったのか――

f:id:yamaki_nyx:20210714011437j:plain

それとも、ネットワークの奥底で何か他の――

f:id:yamaki_nyx:20210714011442j:plain

別の世界と繋がった存在だったのか――

f:id:yamaki_nyx:20210714011448j:plain

今の我々は知る事が出来ない――。

f:id:yamaki_nyx:20210714011454j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714011459j:plain

今は、だが……。

溶暗。

f:id:yamaki_nyx:20210714011503j:plain

 

大団円的なパートは短い。この後の「別れ」の場面があるからだ。

本来的には、英雄的に戦って世界を救ったタカトたちを、皆が祝福する様な場面があって然るべきだった。けれど、やはりそれは不要だ。これはあくまで、子どもたちの目線で描いた、子どもたちを描く物語なのだ。

 

 

 

 

第51話回顧 3

 

早々に必殺武器を失わせて、最後にADRと泥臭い戦いをデュークモンにさせたのは、光線の撃ち合いは好きではないからだ。最初にはインパクトがだせても、何度も見せればインフレをしていくばかりになるのを避けたかった。

このシリーズは、3話でギルモンとレナモンは獣そのものの格闘をした。そこから「進化」をしたのだから、凄まじい光線の方がそのニュアンスは出ただろう。しかし、デュークモン、サクヤモン、ジャスティモン――、テイマーズの究極体は、セントガルゴモンを除いて、人と進化した為に人の姿に近い。敵の攻撃手法をコピーし、それを増大させて襲ってくるデ・リーパーもまた、人の姿をとっていた。ならば、自身の肉体を武器に戦う事が相応しい。

殴り合いであるとタカトにも相応のダメージを喰らう。それでも、逃げずに前に出るタカトとデュークモンの戦いを見たかった。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714210923j:plain

カーネル内が全て赤黒い粘液で満たされようとしている。

f:id:yamaki_nyx:20210714005334j:plain

タ……カト……くん……。

f:id:yamaki_nyx:20210714005340j:plain

ADRに立ち向かうデュークモン・クリムゾン・モード。

f:id:yamaki_nyx:20210714005346j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714005352j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714005356j:plain

殴りかかるが、姿がない。

f:id:yamaki_nyx:20210714005401j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714005406j:plain

圧倒的に俊敏さで勝るADR。デュークモンを殴りつけ――

f:id:yamaki_nyx:20210714005413j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714005422j:plain

うあああああっ!

f:id:yamaki_nyx:20210714005427j:plain

両側を殴られ、ややふらついたところに――

f:id:yamaki_nyx:20210714005433j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714005439j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714005445j:plain

回し蹴りを食らわせ――

f:id:yamaki_nyx:20210714005451j:plain

強烈なキックを胸元に浴びせられる。

ADRはセントガルゴモンの行動を学習していたのだ。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714005456j:plain

筑波のオペレーション室内に仮想的に浮かんでいる渦。ワイルド・バンチとヒュプノスのメンバーがSHIBUMIを除いて、その渦を囲んでいる。

f:id:yamaki_nyx:20210714005501j:plain

ジェンリャ! テリアモン! 聞こえるか!?

ジャンユーが呼び掛ける。

f:id:yamaki_nyx:20210714005507j:plain

お父さん!?

f:id:yamaki_nyx:20210714005513j:plain

私はテリアモンに、あるプログラムをロードした。

f:id:yamaki_nyx:20210714005519j:plain

えっ――!?

f:id:yamaki_nyx:20210714005524j:plain

前話、耳がかゆいようと言っていたテリアモン。

これはただのスキャンではなく、プログラムがロードされていた。

f:id:yamaki_nyx:20210714005529j:plain

あの時……。

f:id:yamaki_nyx:20210714005534j:plain

ぼくに何をロードしたの? とテリアモンが訊く。

すまないね、黙っていて。

f:id:yamaki_nyx:20210714005539j:plain

山木君の――

f:id:yamaki_nyx:20210714005545j:plain

シャッガイだ。

f:id:yamaki_nyx:20210714005550j:plain

シャッガイ……、あああっ!?

f:id:yamaki_nyx:20210714005556j:plain

22,23話。都庁の真上に、リアライズしていたデジモンを呼び寄せるシステム。

f:id:yamaki_nyx:20210714005601j:plain

あれをテリアモンに!? どうして!?

f:id:yamaki_nyx:20210714005606j:plain

ここからは山木が説明。

デジタル・ワールドとリアル・ワールドを相互に干渉し――、

f:id:yamaki_nyx:20210714005611j:plain

超小型ビッグバンを起こして、ブラックホールに人工知性を引き込む――

f:id:yamaki_nyx:20210714005619j:plain

それがシャッガイだった。

f:id:yamaki_nyx:20210714005625j:plain

そんなものを、なんで?

f:id:yamaki_nyx:20210714005632j:plain

ここからはドルフィンの説明。

今、君の下にある地上とデジタル・ワールドを繋ぐ、渦――。

f:id:yamaki_nyx:20210714005638j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714005643j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714005648j:plain

眼下を見るセントガルゴモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714005653j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714005657j:plain

孔の内部から見上げたアングルのセントガルゴモン。ほぼ真上にいる。

f:id:yamaki_nyx:20210714005702j:plain

これは真上からのアングル。奈落の底からデ・リーパーが無尽蔵に湧いて出ている。

それは、光速を越える速度で回転し、デ・リーパーを急速進化させた。

f:id:yamaki_nyx:20210714005707j:plain

それを、君たちの力で逆の回転をさせ、デ・リーパーを元のプログラムに退化させる為だよ。

f:id:yamaki_nyx:20210714005713j:plain

そうかぁ! 声が弾んでいるジェン。

お父さんたちはすごい!!

f:id:yamaki_nyx:20210714005718j:plain

思わず目を落とすジャンユー。

f:id:yamaki_nyx:20210714005723j:plain

シャッガイは既に修正してある。君たちを傷つける事はない。

f:id:yamaki_nyx:20210714005728j:plain

でも、どうやったら……?

f:id:yamaki_nyx:20210714005733j:plain

いいか! よく聞くんだ!

 

ここでCMに入り、説明はネグレクトされる。

f:id:yamaki_nyx:20210714005739j:plain

 

 

f:id:yamaki_nyx:20210714005743j:plain

行こう! テリアモン!

オッケー、ジェン!

f:id:yamaki_nyx:20210714005748j:plain

セントガルゴモンが渦の中へと降下していく。

「EVO」のイントロが始まる。
極めて場面にマッチし、よりエキサイティングにしているのだが、内心は少し複雑だった。このミッション、蟻地獄作戦は「退化」させるものだからだ。敢えて言えば De-Evoなのだから。

f:id:yamaki_nyx:20210714005753j:plain

セント、ガルゴモン……。万感の想いでその名を口にするサクヤモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714005758j:plain

頼んだぞ。とジャスティモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714005804j:plain

ロケットで頭から突っ込んでいく。

f:id:yamaki_nyx:20210714005829j:plain

定位置についたセントガルゴモン、渦の中で静止。

f:id:yamaki_nyx:20210714005835j:plain

シナリオでは、耳がもっと延長する事にしていたが、梅澤さんはそれはやらず、腕の力強さの方で表現。

f:id:yamaki_nyx:20210714005841j:plain

渦の動きと逆回転で旋回を始める。

f:id:yamaki_nyx:20210714005846j:plain

回転が始まった、とドルフィン。

頼むぞ、とバベル。 

f:id:yamaki_nyx:20210714005856j:plain

SHIBUMIは自席で、まだプログラムを確認している。

ここまでは計画通り……。しかし、なんだ?この引っかかりは……。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714005901j:plain

高速回転するセントガルゴモン――。

f:id:yamaki_nyx:20210714005906j:plain

渦へ干渉し始める。

f:id:yamaki_nyx:20210714005912j:plain

デ・リーパーの活性度が低下し始めたわ! とデイジー

これならいける! 行けるわ! とカーリー。

f:id:yamaki_nyx:20210714005917j:plain

だが、SHIBUMIが立ち上がる。

f:id:yamaki_nyx:20210714005921j:plain

何か……。何かが間違ってる……。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714005926j:plain

うぁああああああああああっ――

流石にテリアモンもキツい。

f:id:yamaki_nyx:20210714005931j:plain

勿論、一緒になっているジェンも。

頑張れテリアモン!

f:id:yamaki_nyx:20210714005937j:plain

ぼくたちが! ぼくたちがやらなくちゃいけないんだ!!

勿論この台詞は37話で、テリアモンが優しくジェンに言った言葉の反復。

f:id:yamaki_nyx:20210714005942j:plain

うあっ!

f:id:yamaki_nyx:20210714005948j:plain

マザーに押しつけられたデュークモン、ADRは更に蹴りつけて――

f:id:yamaki_nyx:20210714005954j:plain

デュークモンをマザーの胎内に押し込めてしまう。こうすればデュークモン、人間とデジモンのハイブリッドをロードし、そのポテンシャルすらも獲得出来る――。

消えてなくなれ!

f:id:yamaki_nyx:20210714010412j:plain

充満しているデ・リーパーのゲル。デュークモンも流石に身動きが出来ない。

f:id:yamaki_nyx:20210714010419j:plain

――タカト……。弱々しくギルモンの声がタカトを呼んでいる。

f:id:yamaki_nyx:20210714201832j:plain

タカト、凄まじい殴打にも怯まず――、強い顔になって前を向く。

ぼくたちは――

f:id:yamaki_nyx:20210714010429j:plain

絶対に!

f:id:yamaki_nyx:20210714010435j:plain

抑え込んでいたADR、突然の隆起に驚く。

f:id:yamaki_nyx:20210714010440j:plain

デュークモン、壁を突き破って外へ!

f:id:yamaki_nyx:20210714010448j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714010454j:plain

いなくていい存在なんかじゃ――

f:id:yamaki_nyx:20210714010459j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714010505j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714010509j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714010515j:plain

手で防ごうとするも――

f:id:yamaki_nyx:20210714010519j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714010524j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714010529j:plain

完全にボディに入った拳。

f:id:yamaki_nyx:20210714010534j:plain

 

ない!

 

f:id:yamaki_nyx:20210714010539j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714010543j:plain

ADR-01 C、消滅。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714010556j:plain

よし! 渦が逆回転を始めた!

何が起こってるの? と麗花が訊く。

筒の回転が光の速度を越えれば、重力場を歪め時間を逆行させる。

f:id:yamaki_nyx:20210714010602j:plain

言わば、局所的タイムマシンなんだ。

f:id:yamaki_nyx:20210714010608j:plain

重力のある、リアル・ワールドに出てきた報いだ。――バベルがロジックを作っていた。

f:id:yamaki_nyx:20210714010613j:plain

頑張れジェンリャ! テリアモン!

f:id:yamaki_nyx:20210714010618j:plain

うああああああああっ―― テリアモンはまだ声を上げているが――、

見て! デ・リーパーがあの孔に吸い込まれていく! とサクヤモンが言う。

f:id:yamaki_nyx:20210714010624j:plain

遂にマザーのカーネルにまでと辿り着いたデュークモン。樹莉! と呼ぶが――

f:id:yamaki_nyx:20210714010629j:plain

その姿がない。

f:id:yamaki_nyx:20210714010634j:plain

ん!? と振り向く。

f:id:yamaki_nyx:20210714010639j:plain

クルモン! 樹莉!

f:id:yamaki_nyx:20210714010644j:plain

エメラルドの淡い光に包まれ、樹莉は漂っている。シナリオには無かった描写だが、ここで踏ん張っているクルモンの声。クルモンの密かなパワーが必死に樹莉を庇っていた様だ。

f:id:yamaki_nyx:20210714010649j:plain

樹莉を救いに飛翔するデュークモン。しかし――

f:id:yamaki_nyx:20210714010654j:plain

背後から迫る触手――、いや、ケーブル。

f:id:yamaki_nyx:20210714010659j:plain

マザーのカーネルから伸びるケーブルに――

f:id:yamaki_nyx:20210714202320j:plain

背後の脅威を悟るが――

f:id:yamaki_nyx:20210714010708j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714010713j:plain

遠ざかっていくケーブル。

f:id:yamaki_nyx:20210714010717j:plain

急速に向こうへ流れていくマザー。

f:id:yamaki_nyx:20210714010722j:plain

うぉおおおおおおおおおおおっっっ!

テリアモン、今の言い方をすれば「ゾーンに入っている」。

f:id:yamaki_nyx:20210714010728j:plain

まるで人格があるかの様に、苦悶の声を上げながら全てが孔へと吸い込まれていく。

f:id:yamaki_nyx:20210714010733j:plain

断末魔を上げ――

f:id:yamaki_nyx:20210714010738j:plain

遂にカーネルまでもが孔の中へ――。

f:id:yamaki_nyx:20210714010743j:plain

やった!

f:id:yamaki_nyx:20210714010748j:plain

デ・リーパーの最期だ! と喜ぶジャスティモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714010754j:plain

セント、ガルゴモン……。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714010759j:plain

やった!と喜ぶワイルド・バンチとヒュプノス・チーム。しかし――

f:id:yamaki_nyx:20210714010804j:plain

バンと机に手を叩き――

やっぱり!

f:id:yamaki_nyx:20210714010810j:plain

ぼくの作ったレッドカードは失敗だ!

f:id:yamaki_nyx:20210714010853j:plain

どうしたSHIBUMI? 何が失敗だ!?

f:id:yamaki_nyx:20210714010857j:plain

デジモンたちをデ・リーパー内で自由に活動させる為に――、

f:id:yamaki_nyx:20210714010902j:plain

ぼくはデジモンたち固有の波長に近づけ、

f:id:yamaki_nyx:20210714010907j:plain

彼らの身体を超流動体にした――。

f:id:yamaki_nyx:20210714010912j:plainこのカットは八島さんではないか。

f:id:yamaki_nyx:20210714010917j:plain

あなたの閃きはすばらしかったわ、とデイジー

f:id:yamaki_nyx:20210714010923j:plain

激しく顔を横に振り――

いいや!

f:id:yamaki_nyx:20210714010928j:plain

人とデジモンのハイブリッド――。計算しきれなかった……。

f:id:yamaki_nyx:20210714010933j:plain

ジャンユーが駆け寄ってくる。

f:id:yamaki_nyx:20210714010940j:plain

なっ、何が起こる!?

f:id:yamaki_nyx:20210714010946j:plain

――予想より早い……。 デジモンたちと子どもたちとの……。

f:id:yamaki_nyx:20210714010950j:plain

――何だと!?

 

大人側の進捗は、ナラティヴの中ではオフにしていた。つまり、どういうプランを立て、どういう対策をとるかという作戦立案とその実行プログラムは、タカトたちが戦っている間に、密かに進められていたという話法である。

ただ、最終3話だけではなく、この流れは早くから匂わせてはいた。原始的な不良人工知性駆除プログラムが、どうしてあれほど急速に進化をしたのかについて、当初はデジモンが急速に進化したからだと想定していたのだが、あまりにデ・リーパーの威力を描いた為にそのバランスがとれなくなっていた。何らかの飛躍がないと、リアル・ワールドを侵攻し、既にもう地上世界殲滅にまで王手をかけるまでに進化した理由が説明出来ないと考えた。

後で山木が軽く触れるが、デ・リーパーの進化には、外的な何らかの干渉があったと考えた方が蓋然性が高い。となれば、やはりこのシリーズも、コズミック・ホラーの範疇にある、という事になる……。

 

以降のパートは、山木が回顧的なナレーションがある以外は大人の代表をジャンユー一人に絞った。

ワイルド・バンチ、ヒュプノス・チームの出番もここまでとなる。

素顔を見せないオペレータ、麗花と恵は、山木と同じく、シリーズ序盤から大きく変化をした。こういうものがドラマだと私は考えている。


私は「リアリティ」をアニメでも追求していた。絶対に「リアル」にはならないアニメですらも、リアリティという感覚こそが、虚構を視聴者に実際にあるかの様な臨場感をもたらすと信じていた(今も)。

ワイルド・バンチのドルフィン、デイジー、カーリー、バベル――。実にリアルなキャラクターデザインだったし、声の演技も渋く、非常にリアルに演じて戴けた。

SHIBUMI役に諏訪太朗さんを招くという野心も、関係各責任者の方々から理解を得て、SHIBUMIという不思議なキャラクターを描けた。この、リアル・ワールドとデジタル・ワールドを行き来し、双方の世界を理解しているキャラクターを、当初は策士めいた想定をしていたのだが、いやそれは面白くないと軌道修正して、まさきひろさんと相談して産まれたのがSHIBUMIであった。

デジモンが現実世界にリアライズしてくるという非日常的な現象を、デジタル・ワールド側で体現していたのがSHIBUMI――、その対象関係に私は思い入れていた。

ヒュプノスの山木――、はやはり、私がとても個人的な思いで書いていた。当初の提示は、子どもにつきまとう大人の悪人――という役割で、ジッポー・ライターをカチカチさせていた。選挙で選ばれた訳ではない科学的エリートが、実世界を支配するというテクノクラシーは、今現在、現実に進行している事態であり、こうした存在を私たちはリアル・ワールドで決して許してはならないのだ。H.G.ウェルズが脚本を書いた映画「来たるべき世界」は、破滅しようとしている未来の世界を、「きっと科学者が救ってくれる」というテクノクラートのイディオロギーが既に刷り込まれていた。ウェルズがガチガチのフェビアン主義者だと知ったのは映画をDVDで見てからだった。

だから私は山木に、「憎んで欲しい人間像」として登場させながら、24話で「君たちが羨ましいよ」と言ってPDAを貸し与える変節以降は、私自身を山木に投影させていたと思う。もう私は大人で、タカトたちの様な冒険は出来ない。だけれども、子どもたちの冒険(マインド)を支え、応援する事なら出来ると。

2000年にデジモン・アニメに着手した時の私にとっても、世間にとってもサイバー空間については何らワンダーを感じさせるものではなくなっていた。そこでデジタルなモンスターがメインとなる物語をどう描くか――。ここでもリアリティこそが物語発想の柱になければならなかった。デ・リーパーの設定は、NSAやFBIの監視システムがもし自律意識を持ったら、という仮定から考え出したものだった。

テイマーズに於けるデジモンがどういう存在であったか、については後に書こう。

 

 

 

 

 

第51話回顧 2

 

ラスト・バトルとなれば、セントガルゴモンの中国拳法を見せない訳にはいかない。セントガルゴモン初登場37話も梅澤演出・出口作監回だった。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714004601j:plain

無力状態となったサクヤモンに、リーパーの鎌が襲いかかる!

f:id:yamaki_nyx:20210714004622j:plain

動けないサクヤモン――。

f:id:yamaki_nyx:20210714004627j:plain

まかせてー。

テリアモンは何度か「まかせてー」という台詞を言ってきた。その脱力ヴォイスには絶対の安心感が伴う。

f:id:yamaki_nyx:20210714004633j:plain

はああああああっ!!

ジェンの気合い!

f:id:yamaki_nyx:20210714004638j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004643j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004649j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004653j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004659j:plain

強烈なる蹴りで鎌を消滅させる。

f:id:yamaki_nyx:20210714004704j:plain

だあああっ!

f:id:yamaki_nyx:20210714004708j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004713j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004718j:plain

後ろ回し蹴りで粉砕!

 

f:id:yamaki_nyx:20210714004723j:plain

はあああああああああっ!!

f:id:yamaki_nyx:20210714004728j:plain

セントガルゴモンもここは気合いを入れる。

はあああああっ!

f:id:yamaki_nyx:20210714004733j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004738j:plain

破ッ!!!

f:id:yamaki_nyx:20210714004742j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004747j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004752j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004757j:plain

ジャスティモン!(今だ!)

f:id:yamaki_nyx:20210714004802j:plain

跳躍!

f:id:yamaki_nyx:20210714004806j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004811j:plain

天頂から振りかぶって――

f:id:yamaki_nyx:20210714004815j:plain

だあああああああっっ!!

f:id:yamaki_nyx:20210714004821j:plain

前話から、もうリョウは「爽やかさ」などかなぐり捨てている。金丸さんの気迫が伝わる。

f:id:yamaki_nyx:20210714004826j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004832j:plain

サクヤモンのパワーを受けたブレードを――

f:id:yamaki_nyx:20210714004837j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004841j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004847j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004852j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004858j:plain

下部まで斬り裂いていく――。

f:id:yamaki_nyx:20210714004904j:plain

はあっ! と気を吐くジャスティモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714004909j:plain

ケーブルの塊であるリーパー、「The Thing」の様に――

f:id:yamaki_nyx:20210714004914j:plain

割れていく。

やったあ! と喜ぶセントガルゴモン。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714004919j:plain

メタン状流動体デ・リーパーがカーネル内に流れ込んでいる。

この10年程の間に、漆黒のゲル「Black Goo」なるものが都市伝説界の一部で存在が語られている。「X-Files」のエピソードの一つで紹介され、その後「プロメテウス」などの映像作品、Music Videoなどで映像となっているが、これが実は宇宙由来で云々、というもの。これ自体が意識を持っているという説もある。デ・リーパーはそれに近い。

f:id:yamaki_nyx:20210714004925j:plain

こ、こんな事になるなんて――。

f:id:yamaki_nyx:20210714133430j:plain

私の、せい……?
恐怖におののく樹莉――

f:id:yamaki_nyx:20210714133721j:plain
その瞳の中――

f:id:yamaki_nyx:20210714004940j:plain

樹莉の恐怖を糧に、デ・リーパーは攻撃的になってきた。そして、今も――。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714004945j:plain

加藤さあああああああんん!!

f:id:yamaki_nyx:20210714004951j:plain

ああッ!?

f:id:yamaki_nyx:20210714005000j:plain

マザーの胸元から姿を現す――

f:id:yamaki_nyx:20210714005005j:plain

ADR-01。だがもうその顔は樹莉のものとは掛け離れ、サイズも大きい。特別に名前をつけてはいないが、ADR-01 C Typeという事になる。

f:id:yamaki_nyx:20210714005010j:plain

口の開き方は、マザーの下部で現れた巨大偽樹莉頭と近い。

f:id:yamaki_nyx:20210714005015j:plain

同じく黒い物質を吐きかける。

f:id:yamaki_nyx:20210714005019j:plain

うっ!

クリムゾン・モードは盾(イージス)を持たない。

f:id:yamaki_nyx:20210714005024j:plain

なんと、インビンシブル・ソードとブルクガングが失われてしまう!

f:id:yamaki_nyx:20210714005030j:plain

お前は!?

f:id:yamaki_nyx:20210714005036j:plain

顔を掴まれてしまう。

f:id:yamaki_nyx:20210714005042j:plain

樹莉の声で――

如何に足掻こうと全ては無駄。

f:id:yamaki_nyx:20210714005047j:plain

復活していくリーパー。

f:id:yamaki_nyx:20210714005052j:plain

咆哮するリーパー。

f:id:yamaki_nyx:20210714005057j:plain

くそう! 何てしぶとい!

f:id:yamaki_nyx:20210714005102j:plain

人間もデジモンも、予めいてはならない存在なのだ。

f:id:yamaki_nyx:20210714133600j:plain

それを決めるのは――、お前ではない! 

f:id:yamaki_nyx:20210714133612j:plain

にっ、人間だって動物だって、植物だって――、それにデジモンだって――、みんな命を持って生まれたら、それを守るんだ!

f:id:yamaki_nyx:20210714005119j:plain

だって!それが大切なものだから!

f:id:yamaki_nyx:20210714005126j:plain

ADRの腕を掴むデュークモン。タカトの気迫が後押しをしている。

f:id:yamaki_nyx:20210714005136j:plain

ジャスティモン、サクヤモン、セントガルゴモンを食らおうと迫るリーパーの巨大なる口蓋――! しかし! 突如その動きが止まる。

f:id:yamaki_nyx:20210714005141j:plain

突如、急激な力で地底へ引きずり込まれていくリーパー。

f:id:yamaki_nyx:20210714005146j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714005151j:plain

あっ! 

f:id:yamaki_nyx:20210714005157j:plain

四聖獣たちだ!

シナリオではスーツェーモンとチンロンモンと書いていたが、いずれ大きくは動かせないのだから、こうしてバイフーモン、シェンウーモンも描いてくれて良かった。ほんのちょっとの登場ではあるが、四聖獣には最終回で描いておきたかった。

f:id:yamaki_nyx:20210714005201j:plain

デジタル・ワールドとリアル・ワールドを繋ぐ孔を、こうして四聖獣の助けによって排除する事が出来た。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714005206j:plain

それをモニタしている筑波のオペレーション室。

f:id:yamaki_nyx:20210714005211j:plain

恵が報告。

トランスフォティック・エディ内、巨大異分子、消滅!

f:id:yamaki_nyx:20210714005216j:plain

よし! シャッガイを再起動させろ!

f:id:yamaki_nyx:20210714005221j:plain

了解! シャッガイ・カーネル、ブート! 麗花が操作。

f:id:yamaki_nyx:20210714005226j:plain

プログラムが起動する。

f:id:yamaki_nyx:20210714005231j:plain

デイジーが訊く。

タオ、本当にいいのね?

f:id:yamaki_nyx:20210714005236j:plain

目蓋を固く閉じるジャンユー。

f:id:yamaki_nyx:20210714005242j:plain

ドルフィン、SHIBUMI、と促す。

f:id:yamaki_nyx:20210714005247j:plain

SHIBUMI、全く気負わない口調で――

みんな、覚悟してくれよ。

f:id:yamaki_nyx:20210714005251j:plain

エンター・キーを押す。

ん、謎のキー配列。

f:id:yamaki_nyx:20210714005257j:plain

突如オペレーション室内が暗くなって――、

f:id:yamaki_nyx:20210714005303j:plain

仮想空間と重なる。 3Dモデルの渦巻きが回転している。

f:id:yamaki_nyx:20210714005308j:plain

廊下から覗いていたシウチョン――

f:id:yamaki_nyx:20210714005314j:plain

うわ~

f:id:yamaki_nyx:20210714005319j:plain

すごいね、ロップモン――

f:id:yamaki_nyx:20210714005324j:plain

あれ? 見回すが、姿がない。

いたたまれず、ロップモンも仲間のところへ向かっていた。

 

 

 

第51話回顧 1

 

子どもたちとデジモン、そして大人たちがデ・リーパーとの最終決戦に臨む。シナリオは2稿が決定稿になっているが、明らかに長い。梅澤さんは苦労されたと思う。要素的には何一つ落とす事なく、後半の余韻の部分も含めて最終話らしく仕上げて戴いた。

作画監督は出口としおさん。田辺由憲さん、藪本陽輔さんが作画を担当された。美術は清水さんという最終話。

シナリオタイトルは「夢見る力こそ 僕たちの未来 The Biggest Dreamer」。

放送は2002年3月30日。

夢見る力こそ僕たちの未来

脚本:小中千昭 演出:梅澤淳稔 作画監督:出口としお 美術:清水哲弘

 

前話リプライズ、ダイジェストの後、クリムゾン・モードに進化する場面に直結してのサブタイトル。「One Vison」はサブタイトル後もずっと続いている。

f:id:yamaki_nyx:20210714003509j:plain

 

f:id:yamaki_nyx:20210714003513j:plain

カーネルに囚われている樹莉を救うべく、白い羽根で上昇していくデュークモン・クリムゾン・モード。キャプチャは、誇張されたマザー3画面分の縦パンを繋いだので、飛翔するデュークモンが3サイズ分入っている。

f:id:yamaki_nyx:20210714003519j:plain

ここが歌頭。「光を放つ身体が――」

f:id:yamaki_nyx:20210714003524j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003528j:plain

加藤さん! 待ってて! もうすぐ迎えに行くから!

 

f:id:yamaki_nyx:20210714003534j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003540j:plain

クルモン!こっち来て!

f:id:yamaki_nyx:20210714003545j:plain

クル……。

f:id:yamaki_nyx:20210714003551j:plain

青白い炎がカーネル内に。

f:id:yamaki_nyx:20210714003557j:plain

D-Arkを握りしめる樹莉。

f:id:yamaki_nyx:20210714003602j:plain

私、いつまでも泣いてなんかいたくない!

 

f:id:yamaki_nyx:20210714003607j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003613j:plain

急速に上昇するデュークモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714003618j:plain

頼んだぞ! セントガルゴモン! サクヤモン! ジャスティモン!

f:id:yamaki_nyx:20210714003623j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003630j:plain

前話でダメージを受けたかに見えたリーパーだが、依然活性化している。

f:id:yamaki_nyx:20210714003635j:plain

巨大な鎌が寄せ付けない。

くっそー! とセントガルゴモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714003640j:plain

バーストショット!!

全門開放!

f:id:yamaki_nyx:20210714003645j:plain

集中砲火を浴びせる。

f:id:yamaki_nyx:20210714003652j:plain

苦悶するかの様な声を上げるリーパー。

f:id:yamaki_nyx:20210714003657j:plain

大丈夫か!? テリアモン!

大丈夫だけど、今ので全部弾がなくなっちゃった!

 

セントガルゴモンに「テリアモン」と呼ぶのは初めて。シナリオではセントガルゴモンだった。

梅澤さんの意図を測るに、ジェンにとってあくまでやはり、テリアモンなのだ。声がデュークモンやサクヤモンと違って、テリアモンは進化してもテリアモンらしさを消さなかった。最も外見が変化するからこそ、そうなるべくしてなった措置だった。

f:id:yamaki_nyx:20210714003702j:plain

全弾アウト。ジェンは苦渋。

もう打つ手はないのか!?

f:id:yamaki_nyx:20210714003708j:plain

 あまりに巨大なリーパーと対峙するサクヤモンとジャスティモン。

f:id:yamaki_nyx:20210714003714j:plain

サイバードラモン! とリョウの切羽詰まった声。

判った!

f:id:yamaki_nyx:20210714003718j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003723j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003728j:plain

ジャスティモン、トリニティ・アームでクリティカル・アームを蒸着。

f:id:yamaki_nyx:20210714003733j:plain

サクヤモン――

f:id:yamaki_nyx:20210714003738j:plain

君の力の全てを、俺のブレードにぶつけてくれ!

f:id:yamaki_nyx:20210714003743j:plain

何をバカな事を!

f:id:yamaki_nyx:20210714003749j:plain

そんな事したら、あんたたちの身体、どうなっちゃうか判ってんの!?

f:id:yamaki_nyx:20210714003754j:plain

一人の力じゃ奴には勝てない。でも――

f:id:yamaki_nyx:20210714003800j:plain

ジャスティモンのブレードに、サクヤモンの力を全て注ぎ込む事が出来れば――

f:id:yamaki_nyx:20210714003806j:plain

奴をぶち切れる!

f:id:yamaki_nyx:20210714003811j:plain

だから! あんたたちが危ないって言ってんのよ!

f:id:yamaki_nyx:20210714003816j:plain

――それが俺たちに残された最後の手だ。――頼む留姫。

f:id:yamaki_nyx:20210714003821j:plain

――一番、無茶するの、やっぱあんたじゃない。

f:id:yamaki_nyx:20210714003826j:plain

初めて褒めてくれたね。

f:id:yamaki_nyx:20210714003832j:plain

ジャスティモン、サクヤモンに向き――

f:id:yamaki_nyx:20210714003838j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003843j:plain

ブレードを掲げる。

f:id:yamaki_nyx:20210714003848j:plain

いいの? 留姫。

f:id:yamaki_nyx:20210714003857j:plain

私たちは勝つ為にここにいる! リョウ、ジャスティモンを信じる!

f:id:yamaki_nyx:20210714085623j:plain
f:id:yamaki_nyx:20210714003907j:plain

金剛界曼荼羅、ここまではバンクだが――

f:id:yamaki_nyx:20210714003912j:plain

ここから新作。

f:id:yamaki_nyx:20210714003918j:plain

自らを結界に封じ込めて――

f:id:yamaki_nyx:20210714003923j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003928j:plain

外装が量子分解していく。

効果音も抑えめで、「サクヤモンの唄」がほぼフルに聞ける。

f:id:yamaki_nyx:20210714003933j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003939j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003945j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003950j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714003955j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714085951j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004005j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004010j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004014j:plain

進化バンクの中間で描写された、外殻のない黒いボディ・スーツの状態。バンクを見ている内に、こうした描写が出来ると考えた。

f:id:yamaki_nyx:20210714004019j:plain

リョウ、受け取って!

「One Vision」の落ちサビ(曲が盛り上がる直前に、オケが静かになるというアレンジ)の部分から再び流れ始める。

f:id:yamaki_nyx:20210714125716j:plain

全ての自身のパワーを封じた結界の中のサクヤモン――

f:id:yamaki_nyx:20210714004028j:plain

留姫の後ろ姿になって、クロスリング状にパワーを変換――

f:id:yamaki_nyx:20210714004033j:plain

 

f:id:yamaki_nyx:20210714004039j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004044j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004049j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004053j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004058j:plain

苦悶するリョウとジャスティモン。サクヤモンの全パワーは、受けとめるだけでも困難。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714004107j:plain

ジャスティモーン! 

f:id:yamaki_nyx:20210714004112j:plain

これがお前の戦いか。――絶対に勝て!

f:id:yamaki_nyx:20210714004117j:plain

ん!?

f:id:yamaki_nyx:20210714004122j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004127j:plain

マザー・タワーの中層から飛び出すADR-06 Horn Striker。ジャスティモンが苦戦したADRが何体も。

f:id:yamaki_nyx:20210714004132j:plain

どうしても邪魔をする気か!

f:id:yamaki_nyx:20210714131821j:plain

 

f:id:yamaki_nyx:20210714004141j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004147j:plain

レオモン――。私やっと判った。

f:id:yamaki_nyx:20210714004152j:plain

D-Arkの液晶からオレンジ色の光が――

f:id:yamaki_nyx:20210714004157j:plain

私の運命は――、私が決める!

f:id:yamaki_nyx:20210714004202j:plain

D-Arkから凄まじいオレンジの光――。

f:id:yamaki_nyx:20210714004207j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004212j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004217j:plain

天井に光が当たり――

 

f:id:yamaki_nyx:20210714004221j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004226j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004236j:plain

インビンシブル・ソード一閃でADRを斬り捨てていく。

f:id:yamaki_nyx:20210714004241j:plain

ジャスティモンの方を見るデュークモン・クリムゾン・モード。

f:id:yamaki_nyx:20210714004246j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004251j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004256j:plain

サクヤモンのパワーを、ブレードに集約する事が出来た。

f:id:yamaki_nyx:20210714004301j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004306j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004311j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004316j:plain

サクヤモンの力! 確かに受け取った!

f:id:yamaki_nyx:20210714004321j:plain

後は、任せたわ。

f:id:yamaki_nyx:20210714004326j:plain

サクヤモンは見守っている。

f:id:yamaki_nyx:20210714004331j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004337j:plain

ジャスティモンが飛翔するや、サクヤモンが力を失って崩れる。

f:id:yamaki_nyx:20210714004342j:plain

留姫、大丈夫?

f:id:yamaki_nyx:20210714004347j:plain

力、使い果たしちゃったね……。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714004352j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004356j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004401j:plain

カーネルの天井を穿つ事に成功。

f:id:yamaki_nyx:20210714004406j:plain

やったクル!

レオモンが助けてく――

f:id:yamaki_nyx:20210714004411j:plain

はっ!?

f:id:yamaki_nyx:20210714004416j:plain

スフィアの割れたエッジが、デ・リーパーの本質であるゲル状のものとなって中に落ち込んでくる。

 

f:id:yamaki_nyx:20210714004420j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004425j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004431j:plain

右手にはブルトガングを持ち――

f:id:yamaki_nyx:20210714004436j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004441j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004446j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004451j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004456j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004500j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004505j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004510j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004515j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004519j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004525j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004530j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004535j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210714004540j:plain

樹莉ぃいいいいっ!

無双状態で殲滅し、樹莉を救うべく天頂へ向かうが――

f:id:yamaki_nyx:20210714004546j:plain

おあっ!?

f:id:yamaki_nyx:20210714004551j:plain

カーネルが割れている。

f:id:yamaki_nyx:20210714004556j:plain

加藤さん!?

「One Vison」はちょうど、サックス・ソロの間奏がここまで流れていた。

 

 

 

第50話回顧 5

 

ラニの設定と一緒に、クリムゾン・モードの設定を提示されたのはどの時期であったか。そんなに前ではなく、シナリオがデジタル・ワールド編に入ってからだと思う。だからオープニングにも描かれていないし、登場は番組終了間際。番組寿命から見ても、そんなに商品展開は出来ない。それでも入れたい!という熱意を感じて、シリーズの終幕間際での登場となった。

 

偽樹莉に吐きかけられた毒性で全身が黒くなっているデュークモン、転落していく。

f:id:yamaki_nyx:20210711205813j:plain

そのデュークモンに声が届く。

f:id:yamaki_nyx:20210711205819j:plain

飛びたいか、デュークモン。

――誰だ!?

f:id:yamaki_nyx:20210711205825j:plain

翼を得たいか、デュークモン――。

f:id:yamaki_nyx:20210711205829j:plain

翼を――、このデュークモンに、翼を!!

f:id:yamaki_nyx:20210711205834j:plain

遠くに小さく光が――。

f:id:yamaki_nyx:20210711205839j:plain

やがて姿を現す、グラニ

f:id:yamaki_nyx:20210711205843j:plain

ラニ!?

f:id:yamaki_nyx:20210712210826j:plain

ゆらゆらと、羽根と胴体が離れて動いている。後方から量子分解が起こっている。かつてアークだった時の様に――

f:id:yamaki_nyx:20210711205853j:plain

ぼくはもう、単独で行動出来る力はない。

f:id:yamaki_nyx:20210711205857j:plain

ぼくの力の全てを、デュークモンに。

静かに流れ始める「One Vision」イントロ。

f:id:yamaki_nyx:20210711205904j:plain

ラニ、やっぱり、デジモン、だったんだね……。

f:id:yamaki_nyx:20210711205909j:plain

いいのか!? グラニ

f:id:yamaki_nyx:20210711205914j:plain

ぼくにいっぱい話しかけてくれてありがとう。ギルモン、タカト――。

f:id:yamaki_nyx:20210711205919j:plain

ラニ!!

f:id:yamaki_nyx:20210711205924j:plain

ラニよ! デュークモンと共に生きろおおおおおおっ!!

f:id:yamaki_nyx:20210711205931j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205937j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205942j:plain

ここで「One Vision」の歌頭。

f:id:yamaki_nyx:20210711205947j:plain

 

f:id:yamaki_nyx:20210711205952j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205957j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210003j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210008j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210014j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210019j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210025j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210031j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210036j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210042j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210047j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210053j:plain

進化バンクなどとても新規には作れず、モード・チェンジ前、後をデジタルで繋ぐ編集だが、新しい姿になる時の紙吹雪の様な四角のパーティクルは、デュークモンの進化バンクと同じ表現。

f:id:yamaki_nyx:20210711210059j:plain

6枚の翼を背負い、左手にインビンシブル・ソードを持った姿――。

番組が終わるや、ウィズの方と会う機会もなく(いや、一度あったのだがこれは別に書こう)、確かめた事がないのだけれど、このクリムゾン・モードの羽根は――、

 

f:id:yamaki_nyx:20210712192645j:plain

6話で初出の「白い羽」カードによるのだと私は思っている。その後――

f:id:yamaki_nyx:20210712192325j:plain

8話など何度も何度も、シリーズ初期の未熟なテイマーであったタカトはこのカードをスラッシュした。最初は巧く使えても、徐々に失敗のフラグ・カードになってしまっていた。

このシリーズ序盤の展開から、このデザインが描かれたと勝手に思っている。美しい相互作用の生んだキャラクターだ。だから、クリムゾン・モードはタカトのモードでもあるのだ。

 

 

f:id:yamaki_nyx:20210711210106j:plain

ラニはぼくたちと……。

f:id:yamaki_nyx:20210711210111j:plain

上を見上げるタカト。

f:id:yamaki_nyx:20210711210116j:plain

デュークモン・クリムゾン・モード、右腕を差し出すや――

f:id:yamaki_nyx:20210711210125j:plain

光の神槍グングニルが現出。

f:id:yamaki_nyx:20210711210132j:plain

偽樹莉巨大頭目掛けてグングニルを突き出すと――

f:id:yamaki_nyx:20210711210140j:plain

圧倒的な力のクォ・ヴァディスが――

f:id:yamaki_nyx:20210711210148j:plain

凄まじいエネルギーをぶつけられる。

f:id:yamaki_nyx:20210711210156j:plain

あれが、デュークモン……。

 

f:id:yamaki_nyx:20210711210201j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210208j:plain

巨大頭を消し去る。

f:id:yamaki_nyx:20210711210212j:plain

そのまま樹莉を救いに上昇。

f:id:yamaki_nyx:20210711210217j:plain

突如、樹莉を拘束していたケーブルが外れる。

f:id:yamaki_nyx:20210711210223j:plain

無重力状態。

f:id:yamaki_nyx:20210711210229j:plain

 

f:id:yamaki_nyx:20210711210235j:plain

雄叫びを上げながら飛翔していくデュークモン・クリムゾン・モード。

f:id:yamaki_nyx:20210711210240j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210246j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210251j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711210258j:plain

おああああああああああっっ!!!

ワンカットで目のアップまで寄って――、50話は終わる。

 

ゼロ・アームズ・グラニの設定を聞いた時、私は「それじゃ殆どデジモンですよね?」と訊いた。いや、デジモンそのものではない、という答え。そうですか……、と引き取るも、アーク、そしてグラニも、明らかに自我を持っているという描写をしていた。

最後の最後だけ、グラニに喋らせたいと思った。アーク、グラニに一生懸命に話しかけた、ギルモンとタカトに御礼を言って欲しかった。

ラニの声は、ドルフィン役の菊池正美さんが、ドルフィンとは全く異なる発声で演じられた。前話の次回予告で既にネタバレ的に出演されている。

 

 

(Cable)Reaper 説明は前エントリで書いた。

f:id:yamaki_nyx:20210711210330j:plain

 

 

f:id:yamaki_nyx:20210711210303j:plain

徳重さんが美術の回は、背景として徳重さん一人しかクレジットされない、というのも実は本ブログを書いてから知った。テイマーズで担当された回でも、印象的な背景画は幾つも浮かぶ。担当は今話まで。ありがとうございました。

 

f:id:yamaki_nyx:20210711210309j:plain

浅沼さんはデジモン・シリーズへの参加はテイマーズが初。この後、クロスウォーズでキャラクターデザイン。現在放送中の「デジモンアドベンチャー」(2020~)も総作画監督と、中鶴勝祥さんと共にキャラクターデザインを担当されており、今のデジモン・アニメを担われている。テイマーズでは、7話で角銅さんと私という組み合わせを担当されていた。印象的だったのは31話ガードロモン回のアクション。お疲れ様でした。

 

f:id:yamaki_nyx:20210711210314j:plain

前に記した通り、今話のシナリオは多くの部分をシナリオで具体的には描写せずまま、角銅さんに委ねてしまったところが多い。これまでの数々の伏線を回収していく段では、新たに設定を考える余裕が私にもなかった。

前シリーズ、というよりも、デジモン・アニメそのもののクリエイターであった角銅さんが、テイマーズでも引き続きローテーションで入って貰える事は本当に有り難い事だった。角銅さんと複数話を作れたシリーズは、私のキャリアでもテイマーズだけになってしまった。単発では幾つかあったのだけれど。

テイマーズでの角銅さんは、やっぱり21話「レオモン様」が至高だった。私とは、7話、35話でも組んで戴き、やっぱりこの時も色々甘えてしまっている。

ちょっとしたプロジェクトはこれから予定があるものの、やはり角銅さんと一度は本格的にホラーのアニメを作ってみたいと今でも思う。

お疲れ様でした!

 

 

#50 Credits

 

ギルモン~デュークモン:野沢雅子
松田啓人~デュークモン:津村まこと
テリアモン~セントガルゴモン/ロップモン:多田 葵
李 健良~セントガルゴモン:山口眞弓
レナモン~サクヤモン:今井由香
牧野留姫~サクヤモン:折笠冨美子
サイバードラモン~ジャスティモン/ヘリ・パイロット:世田壱恵
秋山 遼~ジャスティモン:金丸淳一
インプモン:高橋広樹
アイ:寺田はるひ   デジモン、テイマーの順表記でのクレジットは初。
マコ:松本美和
ガードロモン:梁田清之
塩田博和:玉木有紀子
マリンエンジェモン:岩村 愛
北川健太:青山桐子

クルモン:金田朋子
加藤樹莉/デ・リーパー:浅田葉子
李 小春/鳳 麗花:永野 愛
松田剛弘:金光宣明
松田美枝:松谷彼哉
李 鎮宇:金子由之
山木満雄:千葉進歩
小野寺恵:宮下冨三子
ドルフィン/ラニ菊池正美
バベル:乃村健次
カーリー:松岡洋子
SHIBUMI(水野悟郎):諏訪太朗

ナレーション:野沢雅子

 

原画:芹田明雄 永木龍博 野沢 隆 八島善孝 浅沼昭弘
   作楽クリエイト 伊藤秀樹 山口裕昌 関 暁子

動画:佐藤恭子 篠原悦子

背景:徳重 賢

デジタル彩色:村田邦子 鏡沼孝子 加藤英惠 藤原辰雄

色指定:板坂泰江 大谷和也

デジタル合成:三晃プロダクション
       広川二三男 則友邦仁 峰岸智子 大西弘悟 金子直広

演出助手:地岡公俊

製作進行:山下紀彦

 

 

f:id:yamaki_nyx:20210711210319j:plain

次回予告の深刻なネタバレ問題……。

 

 

 

 

 

 

 

 

第50話回顧 4

 

デュークモン、サクヤモンがいよいよとマザーのカーネルに向かった瞬間――

 

f:id:yamaki_nyx:20210711204407j:plain

マザーの頭部が――

f:id:yamaki_nyx:20210711204414j:plain

眩く輝く。

f:id:yamaki_nyx:20210711204420j:plain

凄まじい圧を伴っている。

f:id:yamaki_nyx:20210711204426j:plain

 うっく!

f:id:yamaki_nyx:20210711204431j:plain

その光が――、地平のある部分を変形させ始めている。

f:id:yamaki_nyx:20210711204436j:plain

それに気づくセントガルゴモン。

f:id:yamaki_nyx:20210711204441j:plain

陥没していく。

f:id:yamaki_nyx:20210711204447j:plain

 なっ、何が始まるんだ!?

f:id:yamaki_nyx:20210711204453j:plain

どんどん深くなっていく穴。

f:id:yamaki_nyx:20210711204459j:plain

黙ってそれぞれの仕事をしているワイルド・バンチとヒュプノス職員。

f:id:yamaki_nyx:20210711204503j:plain

そっと覗いていたシウチョンとロップモン。

f:id:yamaki_nyx:20210711204508j:plain

ロップモンも行きたいんでしょう? とシウチョン。

f:id:yamaki_nyx:20210711204517j:plain

テリアモンたちは、人と共に進化した究極体。ぼくにはそこまでの力……、

f:id:yamaki_nyx:20210711204525j:plain

ない、とうなだれるロップモンを慰めるシウチョン。

f:id:yamaki_nyx:20210711204532j:plain

はっ!?

f:id:yamaki_nyx:20210711204537j:plain

山木室長!

f:id:yamaki_nyx:20210711204543j:plain

こ、これは一体――、

山木、来て――

繋げやがった! 遂に!

f:id:yamaki_nyx:20210711204548j:plain

えっ!? と見る麗花。

f:id:yamaki_nyx:20210711204554j:plain

デ・リーパーは、デジタル・ワールドとリアル・ワールドを地続きにして、全てを消し去ろうとしている! 我々の予測通りに――。

f:id:yamaki_nyx:20210711204600j:plain

だが、このトランスフォティック・エディ、超高速渦こそ、デ・リーパーを退化させる切り札だ! ドルフィン!

f:id:yamaki_nyx:20210711204606j:plain

オペレーション・ドゥードゥルバグを開始する!

f:id:yamaki_nyx:20210711204611j:plain

ヒュプノスのロゴが広がる。

f:id:yamaki_nyx:20210711204616j:plain

麗花! シャッガイ・カーネル3.2! ブート!

f:id:yamaki_nyx:20210711204621j:plain

シャッガイ!?

かつてのシャッガイは、ヒュプノスの巨大なリソースを投入し、ダークリザモンを分解したタンクを餌に、ワイルド・ワンを一網打尽にする計画であったが、スーツェーモンによって逆に利用され、デーヴァによる侵攻を許してしまった計画だった。山木がポストを放棄している間に再試動が試みられ、デジタル・ワールドに嵐を巻き起こしてもいた。

f:id:yamaki_nyx:20210711204626j:plain

以前のシャッガイではない! 人類の力を見せてやる!

f:id:yamaki_nyx:20210711204641j:plain

頷く麗花。山木の本気を見た。

f:id:yamaki_nyx:20210711204648j:plain

シャッガイ、ブートしました!

f:id:yamaki_nyx:20210711204654j:plain

でも――、ヒュプノス(システム)もないのに――

今、この筑波にあるのはプログラムのみ。ヒュプノスのリソースもマシン・パワーもデ・リーパーに食い尽くされていた。

f:id:yamaki_nyx:20210711204658j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711204705j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711204711j:plain

モニタを凝視しているジャンユー。鬼気迫る表情。

f:id:yamaki_nyx:20210711204716j:plain

 

f:id:yamaki_nyx:20210711204722j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711204727j:plain

怯むな! 行くぞ!

f:id:yamaki_nyx:20210711204732j:plain

デュークモンに続いてジャスティモンも駆け出す。

f:id:yamaki_nyx:20210711204740j:plain

ジェン! セントガルゴモンが異常を知らせる。

f:id:yamaki_nyx:20210711204745j:plain

あれは――!?

f:id:yamaki_nyx:20210711204751j:plain

地獄の底から響く様な、おぞましい音――

f:id:yamaki_nyx:20210711204756j:plain

何かが上昇してくる。おおおおおおおおおおおおんんん

f:id:yamaki_nyx:20210711204801j:plain

ん? と振り向く。

f:id:yamaki_nyx:20210711204807j:plain

穴から既に瘴気が立ち上り始めている。

f:id:yamaki_nyx:20210711204813j:plain

何が出てくるんだ!?

f:id:yamaki_nyx:20210711204818j:plain

奈落から駆け上ってくる無数の――

f:id:yamaki_nyx:20210712141543j:plain

私を許してくれとは言わない!

ジャンユーは誰に謝っているのか。それは次話で明らかになる。

f:id:yamaki_nyx:20210711204835j:plain

コマンドを打とうとしているドルフィン。

f:id:yamaki_nyx:20210712141711j:plain

Let's Go.――、この台詞は映画「ワイルド・バンチ」のウィリアム・ホールデンが最後の対決に向かう時のもの。しかし「レッツ・g」までしか言えなかった。

f:id:yamaki_nyx:20210711204846j:plain

その時! 恵の声。

デ・リーパーの中央の孔から――

f:id:yamaki_nyx:20210711204852j:plain

何か巨大なものが――、急速、上昇中!

f:id:yamaki_nyx:20210711204858j:plain

何だとッ!?

巨大な孔が開くまでは想定していたが、これは想定外の事態だった。

f:id:yamaki_nyx:20210711204903j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711204908j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711204914j:plain

3DCGで表現された、ケーブルの束。一本一本が意思を持っているかの様に蠢きながら高く登っていき――

f:id:yamaki_nyx:20210711204920j:plain

ディゾルブで作画へ。

f:id:yamaki_nyx:20210711204925j:plain

無数のケーブルが束ねって形成される――

f:id:yamaki_nyx:20210711204933j:plain

咆哮するReaper.  またの名をケーブル・リーパー。

デ・リーパーのルックをどうしようかと各専門部署デザイナーに集まって貰った時、渡辺けんじさんがサラサラと描いたものを、中鶴さんがその場で手を加えたのが原型。このケーブルの束という表現が面白くて、カーネル内の最後の設定、のみならずケーブルが物理攻撃を仕掛ける48話などの描写が生まれた。だからこれはあくまでケーブルであり、触手ではない、と20年間言い続けたのだけれど……。

f:id:yamaki_nyx:20210711204938j:plain

 

f:id:yamaki_nyx:20210711204943j:plain

呆然としているセントガルゴモンとサクヤモン。

f:id:yamaki_nyx:20210711204947j:plain

――何、あれ……。私、怖い……。

f:id:yamaki_nyx:20210711204953j:plain

巨大な声で咆哮。

f:id:yamaki_nyx:20210711204958j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205004j:plain

想わず目を伏せ耳を塞ぐ留姫だが――

怖くなんか――

f:id:yamaki_nyx:20210712140133j:plain

ない!

f:id:yamaki_nyx:20210712140255j:plain

セントガルゴモンを狙って首を下げてくる。

f:id:yamaki_nyx:20210711205018j:plain

デカ過ぎだってば!

f:id:yamaki_nyx:20210711205023j:plain

いかなる敵であろうと、このデュークモンは絶対に負けはしない!

f:id:yamaki_nyx:20210711205027j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205035j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205040j:plain

ワンカット。

f:id:yamaki_nyx:20210711205045j:plain

まっ! 待ってデュークモン!

f:id:yamaki_nyx:20210711205050j:plain

だが目にも留まらぬ速さでセントガルゴモンの前の飛び抜け――

f:id:yamaki_nyx:20210711205056j:plain

ファイナル――

f:id:yamaki_nyx:20210711205102j:plain

エリシオン!!

このカットは凄い。パワーの激しさを表現するキャメラぶれが極大で、フレーム外まで動かしている。まるで昔の8mmフィルムがパーフォレーションを外れた時の様。

f:id:yamaki_nyx:20210711205107j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210712141015j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205118j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205125j:plain

デュークモンの最強必殺技だが――、リーパーは吸収するのみ。

f:id:yamaki_nyx:20210711205130j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210712140415j:plain
ん!?

f:id:yamaki_nyx:20210711205140j:plain

ケーブルの先に、死神の鎌がついた腕が――

f:id:yamaki_nyx:20210711205145j:plain

突如デュークモンの真上から――

f:id:yamaki_nyx:20210711205202j:plain

振り下ろされた!

f:id:yamaki_nyx:20210711205207j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205212j:plain

イージスで防ごうとするも――

f:id:yamaki_nyx:20210711205222j:plain

デュークモン!!!

f:id:yamaki_nyx:20210711205226j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205232j:plain

デュークモンのマントの大半が千切られてしまう。

 

f:id:yamaki_nyx:20210711205238j:plain

もう声に力がなくなっている樹莉。それでも訴え続けている。

――だからもう、やめて……。私は運命を変えられる……。

f:id:yamaki_nyx:20210711205243j:plain

人間はみんな――、変えられるんだから……。

デ・リーパーは答えない。しかしその時、響いてくるタカトの声。

加藤さーーーーーん!!

同時に流れ始める「The Biggest Dreamer」のアカペラ・イントロ。

見直す度にこれが流れるタイミングの絶妙さには唸らされる。この曲が本篇で流れるのは51話中ここだけ。曲は静かなアカペラで始まる。こういう場面でなければ映えない。そして曲が盛り上がるのはこの後の展開なのだ。

f:id:yamaki_nyx:20210712141955j:plain

タカトくん……?

f:id:yamaki_nyx:20210711205256j:plain

デュークモンはまだ伏せっている。

f:id:yamaki_nyx:20210711205302j:plain

セントガルゴモンが着地。

大丈夫? と訊く。

f:id:yamaki_nyx:20210712141136j:plain

必死に起き上がるデュークモン。

f:id:yamaki_nyx:20210711205312j:plain

行くぞ死神野郎!

ここから主題歌のオン・ザ・ビートのオケが始まる。

f:id:yamaki_nyx:20210711205316j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205321j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205326j:plain

アクセルアーム蒸着!

f:id:yamaki_nyx:20210711205331j:plain

巨大鎌が二枚も振り下ろされるが――

f:id:yamaki_nyx:20210711205336j:plain

閃光――

f:id:yamaki_nyx:20210711205341j:plain

なんと! ジャスティモンは二枚の鎌をアクセルアームで防いでいた。盛り上がるオケにシンクロ。

f:id:yamaki_nyx:20210711205345j:plain

渾身の力で鎌を振りほどこうとしているジャスティモン。

f:id:yamaki_nyx:20210711205350j:plain

鬼気迫る声を上げ、気合いをかけるリョウ。

くっそおおおおおおおっ!!

f:id:yamaki_nyx:20210711205355j:plain

もうやるしかない! ジェン行くよ!?

f:id:yamaki_nyx:20210711205400j:plain

ああっ! セントガルゴモン!

ここが歌頭。

f:id:yamaki_nyx:20210711205405j:plain

バーストショットだ!

f:id:yamaki_nyx:20210711205410j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210712141323j:plain
f:id:yamaki_nyx:20210711205421j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205426j:plain

だーだだだだだだだだだだだだだだ

f:id:yamaki_nyx:20210711205431j:plain

だだだだだだーーっ!

久々の「だだだ」。ガルゴモン時代のかけ声だった。

f:id:yamaki_nyx:20210711205436j:plain

首元に火力を集中させたのは成功だったらしい。

f:id:yamaki_nyx:20210711205442j:plain

飯綱!

このカットはバンクだが――

f:id:yamaki_nyx:20210711205447j:plain

リーパーの上部に「雲」が浮かび、雨を降らせる。リーパーは苦しんでいる様だ。

他は晴れているのに一瞬雨が降ると、日本では「狐の嫁入り」と呼ぶ(怪火現象で呼ぶ場合もある)。そのイメエジで書いた場面。

f:id:yamaki_nyx:20210711205452j:plain

リーパーが青白い炎に包まれる。

すると樹莉の悲鳴が!

f:id:yamaki_nyx:20210711205458j:plain

!?

f:id:yamaki_nyx:20210711205503j:plain

あああっ!

f:id:yamaki_nyx:20210711205507j:plain

マザーのカーネルも青白い炎が生じている。リーパーはマザーの分身なのだ。

f:id:yamaki_nyx:20210711205513j:plain

樹莉はまだ諦めていない。

f:id:yamaki_nyx:20210711205521j:plain

早く……、ここから出なくちゃ……クル……。

f:id:yamaki_nyx:20210711205527j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205534j:plain

タカト! ここは俺たちに任せろ! お前は樹莉を!

f:id:yamaki_nyx:20210711205542j:plain

判った!

f:id:yamaki_nyx:20210711205546j:plain 

f:id:yamaki_nyx:20210712142145j:plain

奔るデュークモン。

ちょうど「走れ!」という歌詞がここに重なる。こういう小さな奇跡が起こる。

f:id:yamaki_nyx:20210711205556j:plain

う~~~~~~~

f:id:yamaki_nyx:20210712142246j:plain

どっかーーーーん!

f:id:yamaki_nyx:20210711205605j:plain

大打撃を加えた。

f:id:yamaki_nyx:20210711205610j:plain

雄叫びの気合いを上げるジェン。

おおおおおああああああああ!!!

f:id:yamaki_nyx:20210711205615j:plain

いくぜえええええええええっっ!!!

f:id:yamaki_nyx:20210711205620j:plain

くらええええっっっ!!

声は殆どサイバードラモンに戻っている。

 

f:id:yamaki_nyx:20210711205625j:plain

デュークモンはマザーの塔を駆け上っていく。

f:id:yamaki_nyx:20210711205631j:plain

雄叫びを上げるデュークモン。

f:id:yamaki_nyx:20210711205636j:plain

待っていて! 加藤さん! もうすぐ近くに!

f:id:yamaki_nyx:20210711205641j:plain

が――、

f:id:yamaki_nyx:20210711205656j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205700j:plain

突如現れる、巨大な偽樹莉の頭。

f:id:yamaki_nyx:20210711205711j:plain

流石にたじろぐデュークモン。

ここまで最高の音楽となっていた「The Biggest Dreamer」はここで終わってしまう。

f:id:yamaki_nyx:20210711205716j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205722j:plain

f:id:yamaki_nyx:20210711205727j:plain

黒い息を吐きかける――。

f:id:yamaki_nyx:20210711205731j:plain

うわああああああああああ

f:id:yamaki_nyx:20210711205736j:plain

転落していくデュークモン。

f:id:yamaki_nyx:20210711205742j:plain

デュークモンのこれまでの高い飛翔能力は、マントがあってのものだった。それが破られた今――、

f:id:yamaki_nyx:20210711205747j:plain

ここまで来て! デュークモン!

f:id:yamaki_nyx:20210711205800j:plain

くっ、すまないっ、タカトッ……。

f:id:yamaki_nyx:20210711205807j:plain

そんなああああああああああ!!

 

ここでもう20分。シナリオも2ページ残すのみだが、まだ展開する。